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アルケオン  作者: れんP
北米編

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カナダの守護者と世界会議への誘い

この世界には、人の目に見える“異質な存在”がいる。

それは神話でも、空想でもない。

人の想いに触れ、時に人を守り、時に人を遠ざける――

**守護者アルケオン**と呼ばれる存在だ。


彼らは人と同じ姿をしていながら、人ではない。

意思を持ち、感情を抱き、使命を背負って生きている。

だが、生まれた瞬間から強いわけではない。

迷い、怯え、悩みながら、自分の存在理由を探していく。


これは、

忘れられた物から生まれた、ひとりの守護者が

初めて世界と向き合い、

初めて誰かと並んで歩き出す物語。


戦うことだけが、守ることではない。

それでも――

守りたいと願った瞬間から、物語は始まる。

 カナダ国境が視界に入る荒野。


 先ほど分身体のモスマンを一閃で葬った守護者は、穏やかな笑みを浮かべて立っていた。


 青から白へと流れる滝のような髪。


 静かながら底知れぬ気配。


 カナダの守護者――サトウカエデ。


 


「……えっと、サトウカエデ? なぜここに? 会議があるんじゃ?」


 村正(むらまさ)が問いかける。


 サトウカエデはくすりと笑う。


「あぁ、ふふっ、襲撃があってね? 中止になったの。結構続いてたから、本体を叩こうと思って気配をたどってて……ここに来たの」


「なるほど」


 村正が納得する。


 


 サトウカエデは彩葉の前に歩み寄る。


「それで? そこの守護者が噂の彩葉ちゃんね? そして他の仲間たち」


「あ、はい」


 少し緊張しながら彩葉が頷く。


 


「ふふっ、かわいい」


 


「サトウカエデは子どもが好きなの」


 陽菜(ひな)が補足する。


「子ども?」


 彩葉(いろは)がきょとんとする。


「私の年齢からしたら、ほとんどの子はみんな子供よ?♡」


 軽くウインクをする。


「……あらためて自己紹介するわね。カナダの守護者“サトウカエデ”。彩葉、みなさん、よろしくお願いしますね」


 


「綺麗……」


 レナがぽつり。


「礼儀正しい……」


 (エイ)も小さく呟く。


「なの……」


 アビが見上げる。


 


 その空気を破るように、サトウカエデがぱっと手を打つ。


「そうだ! 私たちの会議に参加しない? きっと楽しくなるわ!」


「え!?」


 メデューサが目を丸くする。


「で、でも、G30の……世界同盟の会議は国シリーズの守護者じゃないと行けないって聞いたけど」


「それに、サクラも了承するのか?」


 村正が現実的な疑問を投げる。


 


 サトウカエデは余裕の笑みを崩さない。


「ふふっ、問題ないわよ。あの子とは親友だもの。それに、あの子なら喜んで賛成してくれるわ」


「しかし、他の国シリーズの守護者のこともあるじゃろう?」


 (しおり)が慎重に問う。


「問題ないわ」


 


「何を根拠に」


 マミが鋭く聞く。


 


 サトウカエデは少し考える素振りをして――


 


「……感?」


 


「……」


 マミが沈黙する。


 


「あは♡ すごい人が来たね♡」


 ラキシアがくすくす笑う。


「うん……ある意味ね」


 レナも苦笑い。


 


「守護者じゃなくても入ってもいいのか?」


 (くろ)が腕を組む。


「うん! 問題ないわ」


 あっさり即答。


 


「行ってみたいかも、気になるし」


 フェトゥ=ハーネアネアが静かに言う。


「そうだね」


 フェルルも頷く。


 


「うん! 決まりだね! それじゃあ行こー!」


 


 サトウカエデがくるりと振り向く。


 


「お〜!!!」


 花火(はなび)が元気よく拳を上げる。


 


「わわわ、呼ばれちゃったよ」


 リリア=エジソンがあわあわする。


「リリアちゃん落ち着いて」


 マイがなだめる。


「そうですわよ。ここは深呼吸を……」


 ココア=モカ=コフィアが優雅に言うが、


「ココアもどうようしてる」


 ベアトリスが冷静に指摘。


「うん……」


 ユキも小さく頷く。


 


 彩葉は空を見上げた。


「なんかすごいことになった……」


「そうだな。ま、こういうこともあるさ」


 村正が肩をすくめる。


「うむ、長生きとはそういうことだ」


 (リー)芳乃(よしの)が深く頷く。


 


 こうして。


 監視領域を越えた先での戦いは、思わぬ方向へと転がり始めた。


 


 断界同盟との戦い。


 カナダへの進軍。


 そして――世界同盟の会議。


 


 カナダの守護者に導かれ、彩葉たちは新たな舞台へと足を踏み入れようとしていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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