表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルケオン  作者: れんP
アフリカ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/182

潮風の港、海賊守護者との再会

この世界には、人の目に見える“異質な存在”がいる。

それは神話でも、空想でもない。

人の想いに触れ、時に人を守り、時に人を遠ざける――

**守護者アルケオン**と呼ばれる存在だ。


彼らは人と同じ姿をしていながら、人ではない。

意思を持ち、感情を抱き、使命を背負って生きている。

だが、生まれた瞬間から強いわけではない。

迷い、怯え、悩みながら、自分の存在理由を探していく。


これは、

忘れられた物から生まれた、ひとりの守護者が

初めて世界と向き合い、

初めて誰かと並んで歩き出す物語。


戦うことだけが、守ることではない。

それでも――

守りたいと願った瞬間から、物語は始まる。

 マラリアと別れを告げたあと、彩葉たちはアフリカ東部を抜け、インド洋に面した地――ソマリアの港を目指して進んだ。


 灼熱の大地は次第に色を変え、乾いた風には潮の匂いが混じりはじめる。

 遠くから聞こえてくる波音と、かすかに響く鐘のような音が、彼らが海へ近づいていることを教えていた。


「……ここが、ソマリアの港……」

 彩葉(いろは)は目の前に広がる光景を見て、思わず息をのむ。


 広い港湾には、大小さまざまな船がひしめき合っていた。

 木造の古い船、鋼鉄で補強された大型船、明らかに戦闘を想定した異形の艦――。

 人々の掛け声、荷を運ぶ音、帆が風を受けてはためく音が、絶え間なく行き交っている。


「船がいっぱい!」

 レナは目を輝かせ、きょろきょろと周囲を見回した。


「ここは交易も多いし、守護者絡みの船も集まりやすい」

 ムトゥリヴは港を見渡しながら言う。

「たしか……この辺だったはず……」


 そのときだった。


「お〜!お前らじゃないか!」


 港の喧騒を突き抜けるような、豪快な声が響いた。


「お久しぶりですね」


 落ち着いた、穏やかな声がそれに続く。


「……?」

 彩葉たちが声のした方を見ると、ひときわ目を引く二人の少女が立っていた。


 一人は、自身の身体よりもはるかに大きな錨を肩に担いだ少女。

 日に焼けた肌に屈託のない笑顔、荒海にも負けないであろうたくましい雰囲気をまとっている。


 もう一人は、神官のような装いで、錫杖を手にした少女。

 柔らかな眼差しと静かな佇まいは、喧騒の中にあっても不思議と心を落ち着かせた。


「あ!」

 ロゼ・シュジャーがぱっと表情を明るくする。

「バローシン!カラー!」


「よう!」

 錨を担いだ少女――バローシンは豪快に笑った。

「ロゼにムトゥリヴじゃないか!そっちの方たちは、噂の英雄様方か!はじめましてだな!」


「はじめまして、こんにちは」

 錫杖を持つ少女――カラーは、丁寧に頭を下げた。


 潮風が吹き抜け、船の帆が大きく揺れる。

 ソマリアの港での再会は、次なる旅――海を越える大きな一歩の始まりを告げていた。


 彩葉たちはまだ知らない。

 この出会いが、彼らを想像以上に広く、深い海の物語へと導くことを。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ