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アルケオン  作者: れんP
アフリカ編

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灼熱の大地に集う意思、影は朝に忍び寄る

この世界には、人の目に見える“異質な存在”がいる。

それは神話でも、空想でもない。

人の想いに触れ、時に人を守り、時に人を遠ざける――

**守護者アルケオン**と呼ばれる存在だ。


彼らは人と同じ姿をしていながら、人ではない。

意思を持ち、感情を抱き、使命を背負って生きている。

だが、生まれた瞬間から強いわけではない。

迷い、怯え、悩みながら、自分の存在理由を探していく。


これは、

忘れられた物から生まれた、ひとりの守護者が

初めて世界と向き合い、

初めて誰かと並んで歩き出す物語。


戦うことだけが、守ることではない。

それでも――

守りたいと願った瞬間から、物語は始まる。

 灼熱の大地に、朝の光が差し込み始めていた。

 夜の名残をわずかに残す空気はまだ冷たさを含んでいるが、時間が進めばすぐに容赦ない熱へと変わることは、ここにいる誰もが知っている。


 広場の片隅、彩葉たちは円を描くように集まり、集めた情報を共有していた。


「なるほど……」

 彩葉(いろは)は地図の上に視線を落としながら、静かに言葉をつなぐ。

「やっぱり、ケニアに情報が集中してる。そこから逃げてきた人も、少なからずいるみたい」


 その言葉に、ココア=モカ=コフィアは胸元に手を当てた。


「まぁ……それは、怖いですわ」

 震える声は、決して弱さだけではなく、この地で積み重なってきた現実を知っているからこその重みを帯びていた。


「……ケニアに行くしかなさそうだね」

 ムトゥリヴは遠くを見るように呟く。

「自分の生まれた場所だし……正直、心配でもある」


「でもさ」

 ロゼ・シュジャーは拳を軽く握り、前向きに笑った。

「あの断界同盟、こっちでも悪さしてるんだよ? そろそろ制裁しないとね!」


「ここでも……」

 レナは少し眉を下げながらも、すぐに頷く。

「うん、止めないとだね」


「問題は」

 マミが腕を組む。

「ケニアの、どこにいるか分からないこと」


「そうなんだよね〜」

 花火(はなび)は肩をすくめる。


「ねえ」

 リリア=エジソンが手を挙げるように言った。

「私たちの音で、探せないかな?」


「……広いよ」

 マイは短く現実を突く。


「そうだ」

 フェルルが一歩前に出た。

「私たちの情報網を使って、探してみよう」


「いいの?」

 (エイ)が問い返す。


「そろそろね」

 フェルルは小さく微笑む。

「私も役に立つところを、ちゃんと見せないと」


「なるほど……」

 影は納得したように頷いた。


「善は急げだ」

 (くろ)が歯を見せて笑う。

「準備ができ次第、行こうぜぇ」


「うん!」

 彩葉(いろは)は力強く頷いた。


「私も、お供しますわ」

 ココア=モカ=コフィアが一礼する。


「同行者、増えたね……」

 ユキは少し照れたように笑いながら言った。

「嬉しい」


「はい!」

 メデューサも元気よく声を上げる。


「せっかくだ」

 (リー)芳乃(よしの)は周囲を見渡す。

「この国のことも、ちゃんと見て回りたい」


「そうじゃの」

 (しおり)も同意する。


「よし!」

 村正(むらまさ)が声を張った。

「早速、できる準備をしよう!」


 その言葉に、誰もが迷いなく頷いた。

 灼熱の大地に集った意思は、すでに一つにまとまりつつあった。


 ――だが。


 その様子を、遠くから見下ろす影があった。

 建物の影と影の間、光の届かぬ場所で、黒い気配が歪むように揺れている。


「……女王様の邪魔者が、嗅ぎつけたか」

 低く、粘ついた声が漏れる。

「ヒヒッ……」


 影は歪んだ笑みを浮かべるように形を変えた。


「ここは、この私が……」

 冷たい殺意が、空気に滲む。

「蹴散らしてやりましょう」


 まだ人々が目覚めきらぬタンザニアの朝。

 静かな始まりの裏側で、不穏な気配が確かに蠢いていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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