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モブの恋は報われない?

「彼女は俺にとって、何の価値もないー。」


私、アリア・セレスティアは転生して初めて絶望の淵に立たされた。

前世では最推し、現世では最愛の人、アレクシス・サウス・アストレア殿下の本心を聴いたのだ。


彼と結婚するために、これまで努力した日々が今、全て無意味だとわかった。


これまで彼のことだけを、脇目も振らず見てきた。


国民のために一生懸命公務に励んでいる姿、

誰よりも強くなるため鍛錬を欠かせない姿、

周囲には一線を引いている彼が、私だけに優しくしてくれる様に、

私は骨抜きにされてしまった。


でも、彼にとってはそうではなかった。


「アレがいなくても、俺は困らない。」


彼とのこれまでの日々を思い出し、涙がとまらず、私はその場から逃げるように離れた。

寮の自分の部屋に飛び込み、人知れず声を出して泣きじゃくった。


その日涙が枯れることはなく、何日も何日も部屋から出てくることはなかった。


本当にこれまで、いろんなことを犠牲にしてきた。

そして、私を彼の婚約者にしようと、家族が惜しみなく支えてくれた。


様々な学問を究めるため、家庭教師を徹底的につけ、魔力を向上させるために訓練も欠かさなかった。

他の攻略対象とは関りを持たなかったし、彼のサポートも誰より率先して行ってきた。


そして何より、私は彼の婚約者の最有力候補だった。


「あんな女、視界にすら入ってない。」


私を絶望させた言葉の数々が、脳に刻み込まれた。

そして、すっかり泣きはらした顔で、これからの自分の振る舞いをどうしたらいいのかと悩んだ。

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