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エテルネル ~光あれ  作者: 夜星
第四章 双頭守護神
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それぞれの覚悟

 東の砂漠を見つめるレミナレス王の顔色が変わる。


「な、なんという凄まじい大群なのだ!これでは……」


 続く言葉をどうにか押し殺し、王は近衛隊長に問いかけた。


「ライガルと、ベテルギウスはどうした?」


 近衛隊長は腰を折って、耳の遠い老王にもはっきり聞きとれるよう語気を強める。


「ベテルギウス様ならば、すでに戦いの準備をされ階上に()もられております。ですがライガル様は単身……敵の総帥アカーシャを倒すために、いずこかへ向かわれました!」


「な、なんと!?」


 その不自由な耳に、いきなり水でも注がれたがごとききょうがくに、老王の体がそり返った。


「そのライガル様より王に言伝が……必ずルスタリアを守るゆえ、王はただ、王のなすべきことを……と」


「……ううむ!」


 表情の固まるレミナレス王の、瞳ばかりが不安に彷徨(さまよ)っていた。



 ―――― § ――――



 クレティアル城、上階の簡素な一室——。


 ベテルギウスはただ一人、(けっ)()()()の姿勢で()していた。


 周囲には防御結界を張り、精神集中を高めるため、いかなる者も居室内への立ち入りを禁じている。賢者の銀の瞳が虚空に向けられる。悩ましいまでにゆっくりと時間が流れていく。


 だが、その取り残されたような空間の中で、徐々(じょじょ)に膨れ上がる魔力とともに、神秘のひとみが淡い光を放ち始めている。


 すでに意識は高度な忘我(トランス)状態になり、ベテルギウスの心眼(しんがん)が、エルシエラに迫りくる第三魔軍の姿を明確に(とら)えていた。


——魔軍の総数は五万……五万一千……否、五万二千以上……やはり想定以上の戦力だったか。だが、魔王リュネシス。そして炎の魔女アカーシャよ……天と地を追われながらも、地上を徘徊(はいかい)する忌みなる者どもめ。たとえこの地上であっても、貴様たちの想像を上回る力が存在することを思い知るがいい。


 大賢者ベテルギウスの全身が、密かな闘気を宿して今——白銀色に輝いていく。




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