表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ 童斬華の少年

ふと、男は空を見た。空がいつもより赤い。夕方に近い時間帯なのだが、やけに赤い。まるで、動物の血のように真っ赤なのである。男は京の都に来たのは初めてなのだが、これほどまでに荒んでいる空を見たことがない。ただ男は気のせいだと言い聞かせ知人の宿にそそくさと向かった。数分には、陽は落ち真っ暗になっていた。まだ、男は宿には着いていなかった。ようやく宿が見えてきたところで、髪の長い二十代後半くらいの妖艶な雰囲気の女に話しかけられた。

「私の簪を知りませんか?とても大事なものなんです。」と。

男はなぜか、探さなければいけないという直感が働いたので、探すことにした。女が透けていることにも気づかずに。数時間探したが見つからない。諦めようと女に言うと様子が変わった。

「どうして見つけてくれないの?ねぇなんで?」

先ほどの雰囲気とは違い、まるで怨念を込めているように男に言い放った。男は金縛りにあっているように身体が動かない。その時、男は女が透けていることに今気づいてしまった。それはもう手遅れだった。

「あなたも見つけてくれないのね」

元の女の姿はなくなり、髪は白く、肌は焼けたように溶けて、目はなかった。それは異形の姿となり、男の元にゆっくりと移動する。異形は男の目の前まで来た。もう終わりだと確信した直後だった。

「"幻影"を発見。直ちに葬る。」

と、声が聞こえた瞬間。目の前にいた異形は数メートル先まで飛ばされていた。男の目の前にいたのは、15歳程度の少年だった。

「ぎゃんざしぃぃぃぃぃ」

「五月蝿い」

少年は脇差を抜き、一気に異形との距離をつめた。

「赫月無斬」

脇差が赤く染まり、異形を横一文字に斬る。その異形は苦しみながら悶えており、最期は水蒸気のように消えた。あの異形は何だったのだろうか、、、

少年は男に話しかけた。

「大丈夫か?」咄嗟に返事してしまった。本当は足が痺れるほど痛い。そしたら「陽の降誕」と唱え、足が痛くなくなった。男はあの異形は、君は、一体なんなんだと聞いたら、

「あれは死んだやつらの未練が具現化してできたものだ。俺たちはやつらを"幻影"と呼ぶ。そいつらを京の都から排除するのが俺たち"童斬華"という組織だ。俺はその組織の一員の出雲瑩だ。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ