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8話 孤児院ブレイク①

 復讐を果たした俺は赤ちゃんらしく惰眠をむさぼり怠惰な日々を送っていた。


 だが、そんな楽しい生活も長くは続かなかった。


「リュウト、私はもうガマンの限界です。キミには孤児院に入ってもらいます」


 バカ女が突然ワケのわからんことを言ってきやがった。


「本来私はキミのお世話をする義務はない。だけど、なんとなく好意で面倒を見てあげていた。それなのにキミというやつは……」


 ものすごい剣幕で俺とのキョリをつめてきた。


「部屋は散らかすし、ミルクに文句を言うわ、言葉遣いも最悪!! それにあろうことか私の下着をジロジロ見てニヤニヤしてるし!! とにかくキミは素行が悪すぎる!!」


 そして大声で俺への不満をぶつけてきやがった。


「……あのなぁ、それくらいいいじゃねーか! おりぇは赤ちゃんなんだしよ」


「それだけじゃない。……私は知ってるのよ。リュウト、あなたが私のお金を使って賭け事をしてるってことをね!」


 ゲッ、しまった!? この前見つけた地下格闘技場で賭けしたのがバレてるだと!?


「……み、見間違いじゃねーのか?」


「キミ以外で地下格闘技場に行ってる赤ちゃんなんかいません!!!」


 クソ、なんてっこった……。


「とにかく、キミには孤児院に入ってもらいます」


「ふざけんな! ……それならなんでシアナは孤児院に入れねぇんだよ!」


「シアナちゃんはいい子だから」


 なっ!? ……クソッ、完全な差別じゃねーか。


 俺は抵抗する間もなく首根っこをつかまれ、孤児院へと連れていかれた。







 孤児院につくと、巨乳のねぇちゃんが俺たちを待っていた。


「シスター、この子をよろしくお願いします」


「は~い。分かりました。それじゃあリュウト君、こっちにおいで~」


 ……言われなくてもそっち行ってやるよ! 俺はシスターの胸にダイブした。


 おお~。こりゃいいじゃねーか! へへッ、たまんねぇぜ。


 にしても、こんなことをしても許されるっていうのが赤ちゃんのずるいところだぜ。


「あらあら~」


「ちょ、ちょっと!! シスターにくっつきすぎ! 離れなさいよ!」


「あ? 何言ってんだお前? 別におりぇがこのねぇちゃんに抱きついてもいいだろ。お前にはカンケーねえんだし。なんでそんな怒ってんだよ? ……もしかして嫉妬か? へへッ、案外お前も可愛いところがあるんじゃねーか」


「なっ!? ……も、もうリュウトなんか知らない!」


 あーあ。行っちまった。……まあいいか。これからはこのおっぱいねぇちゃんと遊べるし。孤児院も案外悪いところじゃなさそうだしな。


「……驚いちゃった。リュウト君おしゃべりできるんだね」


「ああ、当然だ。ねぇちゃん、これから俺といっぱいおしゃべりしようぜ。あっ、おしゃべりじゃなくておしゃぶりしてやってもいいんだぜ! へへッヘヘヘッ」


「ふふふ、そうね。それじゃあ中に入りましょうか」






(……それにしても、めっちゃ豪華な孤児院だな)


 玄関なのにめちゃくちゃ広いし、天井にはシャンデリアがついてやがる。床も大理石でできてるし、こりゃ相当金かかってんぞ。ココの孤児院そうとう儲かってんな。


 しばらく進むと、廊下の真ん中で一人の男が仁王立ちしていた。


「マサト様、この子が例の赤ちゃんです」


「おお、この子がリュウト君か! アリア、さっそくで悪いんだけどその子と二人で話をしたいんだ。少し外してもらってもいいかい?」


「はい。マサト様のご命令とあれば喜んでお受けいたします!」


 なんだなんだ? なんか様子が変だぞ? 俺は謎の男と2人きりにされてしまった。


「こんにちは。リュウト君。僕はサトウ・マサト。ここの孤児院の院長をやっているんだ。これからよろしくね」


「あいさつはいい。……話ってのはなんなんだ?」


「やれやれ、キミはせっかちだな。あいさつくらいしっかりしといたほうがいいと……」


「うるせぇ!! さっさと話をしろや!!」


「やれやれ……。それじゃあさっそく質問なんだけど、キミって異世界転生者だよね?」


 イセカイテンセイシャ? なんだそれ?


「……その様子だと、キミは自分の状況が理解できていないみたいだね」


「は? 自分の状況が理解できていないっていったいどういうことなんだ? それにそのイセカイテンセイシャってのはなんなんだ?」


「異世界転生のことも知らないのか……。仕方ない。それじゃあ僕が1から全部説明するから、しっかり聞いておいてね」


 そういってマサトはわけのわからんことを語りだした。


 マサトの話によると、どうやらここは日本じゃないらしく、俺はイセカイテンセイってのをしてしまったらしい。そしてこの世界にはイセカイテンセイをした人ががたくさんいるそうだ。


 マサトのなげぇ話で俺が理解できたのはこれだけだった。


「……これでなんとなく状況は分かったかな?」


「へッ、当たりまえだ」


「そうか。それはよかった。……それじゃあリュウト君。これからキミには孤児院で生活してもらうことになるけど、それでいいかな? もちろん、孤児院の子たちと一緒にね」


「あ? なんでおりぇが孤児院のガキどもと一緒に過ごさねぇといけねぇんだ! そんな事おりぇがゆるすわけ……」


「……ごめんねリュウト君。悪いけどキミに拒否権はないから。--スリープ」


「なっ!? てめぇ……」


 あっ、くそっ、意識が……


 突然眠気に襲われ、俺は眠らされちまった。


※次は明日の15時20分ごろに第9話を投稿します。


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