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7話 復讐REVENGE②

 作戦は無事成功した。


 シアナの考えた作戦は単純なもんで、煙突から侵入するというものだった。こんな作戦無茶苦茶だと思ったが、なぜかこいつ異常にジャンプ力があって、俺をおんぶしたままぴょんぴょん飛んんだだけであっという間に屋根にたどりついちまった。


「それにしてもお前、どんだけジャンプ力あんだよ」


「え? ……ああ、それは私が獣人(ビースト)だからだよ。獣人ならこれくらい簡単にできるんだよ」


「意味分かんねぇ。ってか獣人(ビースト)ってなんだよ?」


「種族のことだよ。リュートは人間(ヒューマン)で、私は獣人(ビースト)。リュートにはないけど、私には獣の耳がついてるでしょ。獣人は数は少ないんだけど、人間よりも身体能力がケタ違いに高いんだよ。人間にはそのこと秘密にしてるんだけどね」


「そ、そうか……」


 説明されても全然わかんねぇけど、こいつみたいに猫耳生えたやつは獣人ってことでいいんだよな?


「だがよ、それならなんでシアナは奴隷なんかになってたんだよ? シアナなら人間なんかボコボコにできんじゃねーのか?」


「人間は魔法を使えるから。それで私の村が襲われちゃって……。それでお母さんも……」


 あっ、やべぇ、地雷ふんだ。…‥最悪だ、トラウマ思い出させちまった。シアナめっちゃ落ち込んじまった……。何とかしねぇと。


「……イヤなこと聞いて悪かったよ。できるか分かんねぇけど、お前の母ちゃんたちも助けてやっから安心しろ!」


「ほ、ホント!?」


「ああ、だから今は集中してくれ」


「うん!」


 雑談を終え、煙突から屋敷に侵入した。






「ゲヴォ、ゲヴォ。……ったく、ちゃんと掃除しておけよ」


 煙突の中なんて初めて入ったが、なかなかやべぇところだな。俺たちはススまみれになりながらなんとか部屋に侵入した。



―ーガチャ



 やべぇ、おっさんが来ちまった。思いっきり音を立てて侵入したのがまずかったか。


「だ、誰だ!?」


「……よう、ひさしぶりだな。おっさん」


「なっ!? ディベイド……」


「おりぇはサカグチ・リュウトだ! ……てめぇ、おりぇにしたこと忘れてないよな? 今日はわざわざ復讐にしに来てやったんだ。だから大人しく死んどけやゴミが!!」


「クッ……、小癪なやつめ。叩きのめしてやる!!」


 そういっておっさんは両手を広げ、ぶつぶつとなにかをつぶやきだした。……何をしてやがんだ?


「喰らえディベイド!! サンダーランス!!」


「ッ! リュート危ない!!」


 うわっ!? シアナは俺に飛び掛かったきやがった。


 それと同時に俺の真横で雷みたいなのが見えた。


(アブねぇ。シアナに助けてもらわなかったらあの電撃くらうところだった)


「サンキュー。助かったぜ」


「うん! リュート、しっかり私につかまっててね」


 そういってシアナは俺をおんぶしたまま、すげぇ速さで部屋中を駆け回った。


「なに!? クッ、これじゃあ狙いが定まらん……」


 ……おっさん、だいぶオロオロしてんな。仕掛けるなら今しかんねぇ。


「シアナ、俺をおっさんに向かってぶん投げろ」


「ええ!?」


「いいからやれ! ……今だ!」


「う、うん」


 俺はボールのように投げ飛ばされた。


 その勢いを利用し、俺はおっさんのあごに掌底を叩き込んだ。


「グハァ!?」


 ……こいつはいい一撃が決まった。へへッ、きっと脳みそ揺れまくってんだろうな。


 相当なダメージが入ったのか、おっさんは床に倒れこんだ。俺は倒れたおっさんにまたがり、顔面をボコボコに殴り始めた。


「クッ!? や、やめ……、ヴォハァ!?」


「……カスがしゃべってんじゃねーぞゴラ!!」


 喋るスキを与えることなく、俺は拳を叩き込む。



―ーガチャ



「と、父さん!? すごい音がしたけどどうしたの? だ、大丈夫!?」


 おっ、ちょうどいいタイミングでクソガキがきたな。


「よう、クソガキ。テメェの父ちゃんボコボコにしてやったわ。次はテメェの番だから覚悟しとけよ」


「なっ!? ディベイド……。お前ってやつは!!」


「どうした? ……まさかビビってんのか? 父ちゃんがいないと何も出来ないクソザコやろうなのかお前は? だせぇ奴だな」


「クッ!? ぼ、僕をバカにするな!!」


 クソガキはおっさんと同じようにぶつくさ何かを言い始めた。


(……さっきシアナが言ってたが、これが魔法ってやつか?)


「ディベイド!! お前は僕が倒す!! ファイヤーストーム!!」


 今度は大きな炎の渦が俺に襲い掛かってきた。だが……


「……いいタイミングだ。シアナ、よくやったな」


「えへへ、ありがとう」


 シアナが俺を抱えて攻撃をかわす。そして、炎の渦はおっさんに直撃した。


「グゥゥゥァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


「ご、ごめん父さん」


 おっさんを燃やしてしまったことがよっぽどショックなんだろうな。は動揺してオロオロしちまってる。ケケッ、ざまぁねぇーぜ。


「へへッ、親父を燃やしてどうすんだよバーカ!! 敵が誰だかもわかんねぇのかよ。ほんと、テメェら親子はバカだよな。へへッヘヘヘッヘェッへェヘェッへェ」


「クッ、……スキルのない無能のお前が僕を侮辱するんじゃねぇーよ!!! クソがああああああああああああああああああ」


 クソガキは発狂した後、ファイヤーストームとかいう炎の渦をでたらめに連発し出した。


「あっ、やべぇ。これ大火事になっちまうな。……シアナ、もう十分復讐はできたし、煙突から脱出するぞ」


「うん」


 俺たちはきたねぇ煙突からなんとか脱出し、無事に家に帰ることが出来た。





 その後アイツらの屋敷は俺の予想通り大火事となり、火が消えたころには跡形もなくなっていた。


 そしてあの二人がどうなったのかというと、おっさんは全身に大やけどを負って死亡し、クソガキは家を放火した罪で逮捕されたそうだ。


 へへッ、ざあぁねーぜ。


 俺はほにゅう瓶を片手に、勝利の美酒ならぬ勝利のミルクを堪能した。


※次は明日の12時20分ごろに第8話を投稿します。


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