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花咲く夜に恋を知る。  作者: テルナ
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モノローグ

 人の印象は悪いことばかりが目立つ。確かにその人なりの良い部分はあるのだろう。

けど、第一印象が悪ければ人は近づいてこない。

僕の父は人を殺した。僕の母を殺した。

それは僕が小学校に入る一週間前の出来事だった。

たまに喧嘩をするくらいの印象だったが記憶はあまりないけどその時の喧嘩は酷かったと思う。

僕の両親は優しかったし、たまにの喧嘩もしょうもない内容だった。

そして、父が捕まって僕は母方の祖父母に引き取られた。

小学校に入学して、いざ友達を作ろうという時、僕は指を指されこう言われた。


「こいつは人殺しの子」と


僕は何も言えなかった。事実だったから。

それから僕に声をかける人はいなかった。僕も声をかけなかった。


 中学生になった時、祖父が「強くなれ」と言われたので祖父から柔道を教わった。

強くはなかったけど基本的な技は一通り出来るようになった。


三年になって祖母に家事を教えられた。

料理、掃除、家のことはすべて教えられた。

理由はなんとなくわかっていた。

自分達がいなくなっても一人で生きていけるように

それが祖父母の思いだろう。


 そして、高校一年の冬、祖父が息を引き取った。


高二の春、後を追うように祖母が亡くなった。


僕は何考えられなかった心の支えが無くなり、生きている意味も分からなくなってしまった。

当たり前が無くなれば非日常だ。非日常で生きるのなんて僕には出来ない。

夢もない僕は死んだ方がいいんじゃないかと思ってしまった。

だけど祖父母の言葉で死ぬのをやめた。


「自分の強さは人の為に使え」

「誰かを守れる人になりなさい」


これが最後の言葉で僕の道だったから。


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