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遥か高き空の日常  作者: 餡ころ餅
3/4

貨物船護衛作戦 後編

おやっさんと別れた後、自分の宇宙船に乗り込み準備を始める。

「準備といってもなぁいつも整備してるからガタもないし特に問題なしっと」

その時ナタリアから通信が入る。

「あなた遅刻ギリギリで第2発着場についたらしいわね」

「飯食ってたら時間過ぎてるのに気が付かなかったんだよ」

「まぁその話はいいの。今回、貨物船が飛ぶ宙域は」

「第4宙域、そして巨大な宇宙生物出現情報あり。気を付けて行動しろってことだろ」

「その通り。基本交戦は避けて貨物船の護衛に集中して頂戴」

「了解、だけどもう一つ気をつけないといけない存在がいる」

「政府直属戦闘部隊でしょ?」

「その通り。あいつ貨物船の護衛の最中に宇宙生物をこっちにけしかけてこなければいいんだがなぁ」

「そっちにも気を付けときなさいよ、それとさっきの発言はフラグよ」

「フラグなんて起きると思うから起きるものなんだよ」

そろそろ発進だぞーと発着場の職員が連絡してきた。

「そろそろ出ろってよ」

「気を付けてね」

「心配するなんてお前らしくないな」

「連絡員は必ずこう言わないといけないのよ」

「そういうことにしといてやる、ジェド出るぞ!」

エンジンの出力を全開にして発着場から飛び立つ。

そして前編冒頭に戻ることになる。

 第4宙域内 

地球からの貨物船を確認したと同じギルドメンバーから連絡がきた。

「この中に最新刊が入ってるのか、早く中身を見たいもんだぜ」

「貨物船の中身より仕事に集中しろよなー」

そう話しかけてきたのは同じギルドメンバーのライアン、同じブロンズランクの探検家だ。

「俺の好きな漫画の最新刊がこの中に入ってるんだ楽しくならないわけないだろ」

「その気持ちはわからなくもないが仕事は仕事だ分別つけろよ」

「わかったよライアン」

そうして貨物船の間を囲みながら飛んでいると政府戦闘部隊の宇宙船から通信が入ってきた。

「こちら政府直属宙域戦闘部隊所属、マルク=アーヴェイ大尉だ」

「その大尉とやらがギルド所属に何の用だ」

「おいジェドなんで喧嘩腰なんだ」

「いやこちらの任務内容を伝えておかないと連携ができないと思ってな」

「ギルド所属と連携する必要ないだろ。そっちで勝手にやってろ」

「おいジェドそこら辺にしとけ」

なんだかんだ無線であっちのしたいことについて聞いておく。

「こちらの任務内容は貨物船の護衛なのだが、最近この宙域では巨大な宇宙生物が出現しているのは知っているだろう」

「全て知ってるがそれがなんだ」

「この宙域で宇宙生物が出ても手を出さないでほしい」

「なぜだ、それは下手に刺激して貨物船が狙われないようにするためか?」

「いやそうではない。今回貨物船の護衛と同時に宇宙生物が出てきた際にそれらの討伐もするように指令が出ている」

 あんな素人だらけの部隊でこの宙域に出てくる宇宙生物を討伐する任務が出ている。とてもじゃないが無謀ともいえる。この宙域に出たとされる宇宙生物はギルドのシルバーランクを2人も仕留めている。かなり危険な相手に新兵だらけの部隊で討伐なんて普通では考えられない。

「あの新兵だらけの部隊でか?正気の沙汰じゃないな」

「おいジェド」

「新兵に実戦経験を積ませろと指令が来ていてな。それに私の部隊は練度の高い奴らで構成されている。そう簡単に落ちることはないだろう」

「まぁどちらにせよ俺達には関係のないことだな。そうだろライアン?」

「まぁ本来は貨物船護衛が任務だし」

「仕事終わらせて最新刊だ!」

「お前は相変わらずだな」

「では通信を切らせてもらう」

マルクからの通信が切れた後すぐにライアンのプライベートチャンネルにつなげた。

「おいライアン、あいつら集団自殺でもするつもりなのか?」

「確かに練度が高いといっても新兵に相手が務まるとは思えないな。それに実戦経験を積むには第6宙域が一番だ、こんなの常識なのになんでわざわざ」

「どうするよ、危ないとき助けてやるか?」

「なんだかんだ気にしてるんじゃん。ジェド」

「黙ってろライアン」


エリカside

同時刻 第4宙域内

「このまま陣形を保ち、警戒を続けるぞ」

「了解しました!」

私の名前はエリカ=アーノルド。訓練校を首席卒業し現在第2小隊に所属している新兵。

警戒中に同じ部隊のチャックが回線をつなげてきた。

「おいエリカ、さっき探検家の人ともめてたけど何してたんだ?」

「あいつらが私たちのことを馬鹿にしたから反論しただけよ」

「はたから見ればエリカがわめいていただけだったよ」

「あんな臆病者より私の方が強いに決まってるんだから」

「お前たち任務中におしゃべりか?任務に集中しろ」

「申し訳ありません大尉」


ジェドside

突然ライアンから「ジェド、何かがレーダーに反応しているから気を付けて」と警告された。

「おいライアンなんでそんなことわかるんだよ」

「最近レーダーを最新型に新調してね、索敵性能が格段に向上したんだよ」

「反応は?」

「一つだけど大きいし大きく動く気配がない。もしかしたら噂の奴かも」

「警戒しとく、貨物船にも連絡しといてくれ」

「了解」


エリカside

どれだけ進んでも宇宙生物は現れる気配がない。

「ただの噂だったのかしら」とため息をついたその時、隣にいた同じ部隊のメイの宇宙船が何かに攻撃された。

メイの宇宙船は何かに叩かれたのかコックピットはひしゃげぐちゃぐちゃになっていた。

「総員、戦闘態勢!貨物船に危険のシグナルを送れ!」

あまりにも突然のことで私はパニックになった。

「おい!何してるエリカ。しっかりしろ!」

「チャック、メイが急に攻撃されて死んで・・・」

「しっかりしろ!でないと全員ここで死ぬぞ!」

「いったい何がどうなってるの?」


ジェドside

貨物船から危険の信号弾が上がった。

「ライアン何が起きた!」

「あの部隊の一人が何かに墜とされたみたいだ!」

「地点は!」

「現在地の左斜め後ろ!」

「行くぞ!」

すぐさま現場に向かうと大破した宇宙船、あれじゃ中の人間はもう生きていないだろう。

 そして

「なんだよあれは」

エリカside

メイの船が落とされた視線の先にそいつはいた。

無数の触腕を持っていてそこら辺のデブリより大きかった。姿はイカのような見た目をしていた。

こいつがメイの宇宙船を墜とした宇宙生物。

「よくもメイを・・・よくもメイを殺したな!」

私は仲間を殺したこいつを許すわけにはいかない。

「おまえを倒してやる!」

私は奴の触腕をかいくぐりながら武装の20mmバルカンを当てるがまったくもって効果がない。

「バルカンが利かない!」

「おいエリカ!闘うな離脱しろ!」

「駄目よチャック!こいつはメイを殺した。私がこいつを倒さないと!」

「今のままだと勝ち目がない!お前も死ぬぞ!」

「私は首席で卒業したエリート!こんなやつなんて私でも倒せるんだから!」

「撤退しろエリカ!これは命令だ!」

「大尉まで何を言って・・きゃあ!」

「どうしたエリカ!応答しろ!」

「奴の触腕に捕縛されました!」

ミシミシと音を立ててながら機体が軋んでいる。

「緊急離脱もできない、このままじゃ」

このままつぶされて死んでしまう。確かにそしてゆっくりと迫る死の恐怖がエリカを襲った。

「いやだ・・・誰か・・・誰か助けてぇぇぇぇ!」

そう叫んだ時一つの光が私の目の前を横切った。

「全く、だから新兵をここに連れてくるのは間違いなんだよ」

あの時私と口論になったあいつが現れた。


ジェドside

「なんだあのでっかいイカみたいなやつ!」

「あれみたいだね。噂の巨大宇宙生物」

「一人闘ってるやつがいるがあんなの無茶だ」

「それに武装がバルカンって何を考えたらそうなるのか、普通宇宙生物にはエネルギー系の武装なのに」

「おいしかもあの機体のパイロット、俺に喧嘩吹っ掛けた奴だ」

「彼女捕まったよ、まずいなあのままだと潰される」

「おいライアン、助けるぞ。お前のはそこまで戦闘用じゃない。だからあいつの機体にウィンチをつけて引っ張れ。俺の武装であいつの触腕ちぎってやるから」

「了解、無事を祈るよ。って一人であいつと戦うのか?」

「当たり前だ、まだあれぐらいなら倒せる範囲内かもしれない」

「くれぐれも無茶するなよ、無理だと思ったら退け」

「わかってるよ」

あいつが捕まっている触腕に向けてブラスターを斉射、すると触腕はちぎれ捕まっていた宇宙船は放り出された。

「ライアン!今だっ!」

「よしこっちは確保した、撤退する」

「こっちは任せろ、おいナタリア!」

「どうしたのジェド」

「第4宙域で噂の宇宙生物の正体はこいつだ!」

「イカみたいな生物ね」

「今闘ってるんだが応援を要請したい。できるか?」

「少し時間を稼いでくれればできるわ、それまでもちこたえられる?」

「できるに決まってんだろ!」

「わかった、今応援要請が受理されたわ。あともう少しで援軍が来る!」

「ありがとよ!」

宇宙生物は危険を感じたのか逃げようとする。

「逃がすわけねぇだろーがー」

その時宇宙生物は墨のような黒い煙幕を出した。

「畜生、前が見えない!」

前が見えなくなって油断していた俺は余っていた触腕に捕まってしまった。

「この野郎!だがこれでやられるほど俺は甘くねぇ!」

サブウェポンの閃光弾を発射、強烈な閃光と爆音が広がった。

イカ野郎が閃光弾にひるんだことで拘束から脱出することができた。

拘束から逃れた後、イカ野郎の顔面に最大出力のバーストモードをぶち当てた。

するとイカ野郎は痙攣を起こしやがて動かなくなった。

「おいライアン仕留めたぞ!俺一人で仕留めた!」

「随分と危なかったじゃないか、でもまさか仕留めるとはねぇ。応援呼んだ意味なかったな」

「もしかしたらランク上がったりして」

「ありえなくないかもね」

「回収はギルドに任せて帰るぞライアン!」

「はいはい」

結末として貨物船は無事に到着、仕事は完了した。今回の仕事での戦死者は戦闘部隊から一名のみ、気の毒だがこれもこの世界では当たり前のことだ。

報告が完了した俺は少し故障した宇宙船を運転しながらぼやく。

「修理費いったいいくらになるかな」

今回の貨物船護衛事件はトラブルが起きながらも成功といった結果で幕を閉じることになった。












人物紹介

ライアン ジェドの同僚 戦闘より探索や救助に特化した宇宙船に乗っている。一応最低限の装備はつけているが戦闘力はそこまで。操縦技術はそれなり。

マルク=アーヴェイ 階級は大尉、第2小隊をまとめる人物。

チャック 第2小隊所属 エリカとは訓練校の同期、おしゃべりな性格。

メイ 第2小隊所属 チャックやエリカと同期、成績優秀なパイロットだったが今回の任務で不意打ちを受け戦死。


補足 ジェドの宇宙船にはエネルギー弾を発射するブラスターがついており、連射が利くバルカンモードと一撃の威力が高いバーストモードの2種類がある。

  ギルド所属の宇宙船は届け出さえ出れば自由に武装などをカスタム可能。

 宇宙生物との戦闘、宇宙生物と戦闘する際にはエネルギー系の武装が効果的。実弾武装はあまり効果がないがエリカはそのことを忘れ実弾のまま戦闘をしてしまった。

物語内の用語

 第6宙域 ギルド所属の中では実戦経験を積むには最適のチュートリアルステージのようなもの。新人育成の場所として常識となっている。

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