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第五話:Fantasy vs Nowadays (ファンタジー vs 現代) 0 



_ネオ・クレセント・シティ



 「はぁっ……はぁっ……」


 「け、警部?」


 一瞬顔を上げたかと思えば、また一瞬で顔を下げたクレインにジューンは首をかしげる。

 一体何を見たんだろうと思い、顔をそっとあげ、先を凝視する。


 「……な、なんだあれッ!?」


 ジューンは思わず声を上げ、たじろぐ。

 彼もまた、”アレ”を目にしたのだ。


 「警部!!あれって何なんでしょう!?」


 「お、俺にもわからん!!だが見た目はきょ、恐竜だな!!」


 ダァンッ……ガンッ!!


 豪快な爆発音が響き渡り、刹那盾にしていた放置車両に衝撃が走る。


 「ッ!!!!」


 それは新人のジューンでもすぐに気づいた。我々は、”アレ”に攻撃された(・・・・・)のだ。


 「ジューンッ!大丈夫か!?」


 クレインは目一杯の声で尋ねる。


 「は、はい!あ、あの恐竜……なんか攻撃してきましたよッ!?」


 ジューンは強張った顔で返答する。


 「あれ……本当に恐竜なんでしょうか!?」


 「さぁな!だがこのまま放置したら俺たちがやられる!あいつの正体は分かっていないが……この際やむを得ん!正当防衛だ!殺るぞ!」


 「は、はいっ!」


 ジューンの顔が、目に見えて変わる。


 ダァンッ!!!


 クレインの持つショットガンがボンネットの上でマズルフラッシュを発生させ、銃口から多数の(ペレット)が吐き出される。それはバラバラに散り、一つの命中弾も出さずに放置車両や壁に命中する。と、ここでパトカーに搭載されている無線に回線が繋がれる。


 『こちら本……応……よ』


 「!!」


 クレインはショットガンを排莢する合間、ジューンに指示を出す。


 「ジューン!お前はここで援護射撃をしてくれ!無線を取りに行く!」


 「わ、わかりましたッ!」


 クレインはショットガンを放置車両に立てかけると、パトカーに駆け寄る。

 ジューンが本部からの無線に反応。無線を取り、回線を繋げる。


 「こちらクレイン!本部、もう一度願う!!」


 『よ……た!現……々は攻撃を受……つあ……至急帰—ズザッ』


 本部からの通信が途絶える。


 「本部?本部ッ!?」


 突如として途絶えた通信に、クレインは焦りを感じる。


 「警部ゥゥゥッ!」


 と、今度はジューンが恐怖に染まった顔でクレインを呼ぶ。


 「何——!!」


 彼はその瞬間、驚愕を隠せられなかった。あっという間に眼前まで迫っていたそれは——。



 _一方その頃、首都プレイディアル 大統領府



 緊急招集会議は未だ続いていた。


 「なんてことだ……」


 その場にいた誰かが、思わず声を漏らす。

 各大臣がそれぞれの席に座る中、その視線は正面の液晶版に釘付けになっていた。それは、現在進行形で煙を濛々と吹き出し、小さな爆発を繰り返すネオ・クレセント・シティをリアルタイムで流しているものだ。


 「既にカリフォルニア州は非常事態宣言を発令。現在ネオ・クレセント・シティを攻撃中の”何者か”を”国籍不明軍”とし、カリフォルニア州に展開中の陸軍及び空軍は対応に当たっています」


 国防担当大臣のルイスは淡々と現在の状況を述べる。


 「……フランクリン大臣。もう一度聞くが、あの船は本当にどのデータベースにも存在しない……未知の船舶、なのだな?」


 ニッソン大統領は最後の最後と言わんばかりに、念を押して再度フランクリン大臣に尋ねる。


 「はい、職員に何度も何度も念入りに確認させました。間違いありません」


 一方のフランクリンも、どこか確信めいた表情ではっきりと述べた。


 「そうか……」


 ニッソンはそう呟くと、ペットボトル容器に入った水を飲む。


 「とりあえず、現状は首謀者の特定とこの事態の収束が目標だな」


 「はい、そうなりますね」


 緊急招集会議はこの後も少し続いた後、自然流れで解散した。

 この会議で決定されたことの一つである国籍不明軍への対処に関しては、先行して最寄りの基地であるビール空軍基地が行うこととなる。



______

なんだかんだで戦闘描写って難しいなって。

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