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魔法使いと鬼と剣士


むかしむかしのそのまた昔、ある所に何でも思い通りに変えてしまう魔法使いがいました。魔法使いは、自分の気にくわない者はカエルやらアヒルやらに変えてしまう悪い魔法使いでした。


ある日、悪い魔法使いは、退屈しのぎにとても強いと評判の鬼ヶ島連合のトップの阿修羅鬼に会いに行きました。道中、勝手に侵入してきた悪い魔法使いを追い出すために、沢山の鬼たちが棍棒片手に襲いかかりました。しかし、悪い魔法使いは、全く動揺することもなく、いとも簡単に鬼たちをうさぎに変えてしまいました。だが、鬼たちも負けたままではいられず、うさぎになってもなお、果敢にその丸々とした身体で突撃しました。いらついた悪い魔法使いは、うさぎたちを蟻に変えてしまいました。流石にこれには、蟻たちも諦めざるを得ませんでした。


そして、とうとう、鬼たちをうさぎに変えてそのうさぎを蟻に変えた悪い魔法使いは、阿修羅鬼のもとまでやってきてしまいました。部下たちの有様に、憤激した阿修羅鬼は、爪先から頭のてっぺんまで真っ赤にして、咆哮しました。隣には、蒼ざめた鬼と闇よりも黒い漆黒の鬼がいました。そんな光景を目の当たりにしながら、悪い魔法使いは、不気味な笑みを浮かべて、魔法を手を前にあげました。しかし、その瞬間、悪い魔法使いの腕は肘から先が無くなり、血が勢いよく飛び出していました。しかし、魔法発動の阻止には間に合わず、黒鬼は、チェーンで雁字搦めにされてしまいました。次に、蒼鬼が前へ出ました。悪い魔法使いは、魔法で腕を元に戻すと、手から稲妻の火炎と竜巻を同時に出しました。その災厄は、阿修羅鬼をめがけて飛んでいきましたが、それを阻まんと前に割って入った蒼鬼に直撃しました。が、なんと、その災厄は、あろうかとかそのまま悪い魔法使いの方はかえって行ったのです。そうです。この蒼鬼は、魔法を跳ね返してしまう鏡鬼だったのです。

これには、悪い魔法使いもびっくり仰天しましたが、何とかかわすことができました。

だが、避けた時の隙を見逃すことなく阿修羅鬼が間合いを一気に詰めて、悪い魔法使いの頭をがっしりとホールディングすると、何やら呪文を唱え始めました。

実は、この阿修羅鬼は、六道の一つ、修羅道をおさめていて、転生の術を心得ていました。殺すのは難しいと考えた阿修羅鬼は、強制的にこの世界から消す強行に出たのです。悪い魔法使いは、何とか逃れようとしましたが、力が抜けてうまく魔法が使えません。

いよいよ詠唱が終わり、悪い魔法使いの体は、キラキラと光りながら薄れ始めていました。

しかし、このまま負けて終わるのが悔しかった悪い魔法使いは、何とかこの世界に留まろうと死ぬ気で最後の力を振り絞って魔法でこの世界に転生するように上書きしてしまったのです。やがて、悪い魔法使いは、淡い光の中に消えて無くなりました。



くらいくらい輪廻の世界をその魂はぐるぐると回っている。それは、ほんの数秒にも何年にも何千年にも感じられた。魂には、実体がないので、感覚は何もない。漆黒さえも映すことのない視覚で、必死になにかを追い求めて、魂は、ぐるぐるとぐるぐると回り続ける。ぐるぐるとぐるぐると。延々と廻っている。

















むかしむかし、ある所に、お爺さんとお婆さんがいました。お爺さんは、山へ竹を取りに、お婆さんは川へ洗濯にいきました。


いつものように、洗濯板を使って洗い物をしていると、川の上流から、大きな大きな桃のようなものが流れてきました。川に揺られてどんぶらこしている桃はなんだか楽しそうなわくわくしているような雰囲気を漂わせていました。


お婆さんは、自慢の怪力で桃を持ち上げ、家まで運びました。急いで爺さんを山から呼び戻し、事情を話しました。お爺さんが取り敢えず割ってみようと言うので台所から大きめの包丁を持ってきました。お爺さんが、それを思い切り桃を目掛けて振り下ろしました。しかし、桃はピクリともしません。次に、お婆さんが、手刀ならいけるのではというので、お爺さんは、どうせ無理だろうと思いながらもやってみなさいと言った。お婆さんは、心を落ち着かせて、気を集中させその鍛え上げられた腕を真っ直ぐ桃に振り下ろした。お婆さんは、とても痛めたが、桃は、全くの無傷だった。この衝撃で、中にいた人は起きてしまい、ギャーギャーと泣き喚いたが、分厚い桃の果肉の壁は、防音性が高く、二人のもとへは届かない。

それはさておき、今度は、お爺さんが、自慢の愛刀 "萬切"を持ってきた。これは、昔、お殿様から頂いた名刀で、八百万の神にさへ傷をつけるという業物だった。天漫爛真流の免許皆伝した翁の萬切による一太刀は、空を切り、桃を真っ二つに切り裂いた。その中の人間は、運良く斬撃を免れた。中から出てきた赤ん坊は、元気に泣いていたそうだ。








赤ん坊は、よく食べ、よく寝て、よく遊んで気付けば少年になっていた。少年は、お義父さんに、百太郎と言う名前を授かった。



百太郎は、お義父さんに、剣術を習い、立派な剣士になった。






ある日、近くの村で、酔っ払った鬼たちが暴れまわったというか話を聞いた。これを聞いた百太郎は、鬼たちを倒さなければならないと言う使命感を感じ、自分は鬼を倒すために生まれたんだと確信した。それからは、お義父さんにさらなる修行を積んでもらい。やがて、その腕を認めたお義父さんは、萬切を百太郎に授けた。



その夜、食卓に並ぶお義父さんとお義母さんに鬼退治へ行くことを告げた。薄々と百太郎の思いに気づいていた二人は、止めることはしなかった。




出発の日、百太郎は、一騎当千と書かれた鉢巻を巻き、身なりを整えて、腰には、お義父さんから貰った萬切とお義母さんが今朝作ったきびだんごを携えた。加えて、村人たちから貰った脇差しを装備して、小型の木舟に乗り、皆に見送られながら、少年、百太郎の旅は始まるのであった。



少し、川を下ったところで、一旦止まって野営の準備をしようとした。しかし、運悪くというべきか、幸いというべきか、偶然にもそこには先日村で暴れた鬼たちがまたもや酒にふけっていた。どうやら、村で暴れた時に、食料も盗んでいたようで、それを使って昼間から宴会ごとをしているようだった。


百太郎は、鬼たちに名乗りを上げて刀を抜いた。鬼たちは、身の程知らずの馬鹿な少年だと笑っていた。鬼たちの一人が、遊び感覚で棍棒を持って襲いかかった。だが、その鬼を、目にも留まらぬ抜刀で斬り伏せた。鬼たちは、やっと自分たちに命の危機が迫っていることを知り、武器を取って百太郎と戦おうとするものもいれば、一目散に逃げたものもいた。百太郎は、襲いかかってくる鬼を難なく斬り伏せていく。だが、鬼たちのリーダー的な男は他の鬼たちとはひと味違いった。身体を力ませたかと思うと、その体はみるみる赤くなっていった。百太郎と赤鬼は、何度か剣を打ち合うも、結局傷一つ負うことなく、赤鬼の首をうった。



だが、百太郎は、何かうごめくものを自分の中に感じた。それは、どんどん大きくなり、少し経って、それが、自分の中にもう一人の自分であると自然とわかった。赤鬼を切ったことで記憶が呼び戻されたのだった。



悪い魔法使いは、鬼を倒すと言う大義名分の下、鬼退治をすることになったのである








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