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はじめに

 この文章は所謂『618事件』を扱ったものの一つである。

 『618事件』に関しては、今更説明する必要もないと思うが、数十年後、事件自体が風化している可能性無きにしも非ず、ということで、ネットのまとめから引用させていただく。(まとめページ管理人には引用の許可を頂いている)


 ――618事件とは

 日本では、六月十八日午前、渋谷交差点から始まったとされる生物災害(バイオハザード)

 日本での犠牲者の数は、およそ700万人。

 世界同時多発的に起こった事から、現在は細菌兵器によるバイオテロ、との見方が主流であるが、原因となる細菌等は特定されていない。

 この事件の際に発生した疑似生命活動を続ける遺体を、創作物になぞらえて、巷間では『ゾンビ』等と呼称する。

 また、沈静化するまでの約一ヶ月を、日本のネット界隈では『618パニック』『ゾンビ地獄』等と呼称している――


 かの事件を扱った著作物は、主人公が大活躍するヒロイックなフィクションから、取材に取材を重ねた重厚なノンフィクションまで、枚挙にいとまがない。


 しかし、だ


 あの事件は、この日本で七十パーセントの人間が体験したという。だから、読者諸君の中では、先に公開された著作物に不満を覚えた人が少なからずいたのではないかと推察する。


 つまり



『そんなに深刻だったか?』 



 成程、かなりの人が亡くなった事件ではある。

 だが、五大都市以外で、618事件から一週間以内に亡くなった人の数は、実は全国合計で、三桁に届かないらしいのだ。(執筆時の統計に基づく)

 そういったわけで、地方の真実というやつを、多少なりとも残しておくべきではないか、と考え、作者は筆を取った次第である。


 これは、地方の住人の目から見た『ゾンビ』についての覚書、そして私の地元において、618事件が沈静化するまでの数日間の記録である。


 とはいえ、喜ばしい事に関係者一同、現在もすこぶるピンピンしているうえに、私も含めて要職についている者が大半であるから、作中においては、人物名、地域名等はぼかしたり、改変や、入れ替えをさせていただいた。また、劇中で語られる映画に関しては、権利云々が非常に面倒であるので、これまた、ぼかしたり、略称にしたりしているので、注意されたし。(何となく察しても、それは読者諸君の心の中に閉まっておいていただきたい)


 ただし、起った『事態』と、交わされた『会話』は思いだせる限り『忠実』に再現した。

 奇妙な事に、『そちらの方がフィクションのように読める』事になってしまったのだが――田舎は、『大体このような感じ』だったのではないか、と作者は思うのである。

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