チョコレート×チョコレート
主人公にまだ名前はありません。
シリアルボウルになみなみと。
電子レンジにかけたチョコレート。
湯煎なんて知ったことじゃない。
隠し味にラム酒を投入。
入れすぎにはご用心。
切り分けたバゲット、ポテトチップにプレッツェル。
口直しに温野菜のサラダ。
ドレッシングは自家製ゴマダレ、マヨネーズベースで高カロリー。
脂肪分はたっぷりである。
栄養価的な意味ではなくて、肉となり肉となり的な意味で。
明日の体重計が怖い。
カロリーハーフだといったって、量を取れば同じことである。
カロリー半分だから、倍食べられる。
それが言い訳。
ダイエットは明日からだ。
甘いものは心の栄養である。
今は、心に栄養が必要なのだ。
たとえ体に贅肉がついたとしても。
自棄喰いしなきゃやってられない。
そんな試練が女の人生にはきっとある。
甘いやらしょっぱいやらのカロリーの塊を貪りつくす。
果物も買ってくればよかったかなぁ、と少し後悔。
もっと大きな悔しさを、飲み込むために、
心の穴を、埋めるために甘味の海に飛び込んだ。
どんな傷かなんて聞いてくれるな。
あらかた食べつくして、お腹はそろそろ八分目。
お皿の中には冷えてきたチョコレート。
その上にラムレーズンアイスを乗せて電子レンジにかける。
溶き卵と混ぜて、バケットを浸してもう一度電子レンジへIN。
簡易フレンチトーストが本日の締めだ。
お腹はいっぱい、
自棄食いはもうお終い。
心の傷は、少しだけ癒された。
もう少しだけ頑張ろう。
眠る前に、そう思えた。
翌朝私に残されたのは、心持増えた体重と、ニキビであったのだけれど。
このお話は創作です。
が、この手順で一応作中の料理(というほどでもない代物)は作れます。




