第6話 ★ 時は来たり!! ★
まほろば。
アメリカが出資、日本の魔道師によって自衛のために造られたその艦。
だが、アメリカが出資した本当の目的はソ連殲滅のためだったのだ。
アメリカの見事な策謀。
真由は唖然としている。
「そこで親友として、日本人として、そして政府の人間として間違った命令が下ったと思った場合、あ
なたの最善と思える行動をしてほしい」
「了解しました」
「また情報をつかんだときは連絡する。あー、もっともまほろばなら元々秘密だから大丈夫か」
「長官!!」
真由の声が厳しいものになる。
まほろばは計画から極秘。
存在は最重要軍事機密に指定されている。
よって、今日本国内で秘密にされている諜報省の存在よりも一ランク上。
トップシークレットである。
1946年に制定された憲法9条はまだ存在する。
よって戦艦の建造は完全な憲法違反。
その上、この艦の存在がどこからかリークして国民に伝われば政府の支持率はただでさえ低い数字を下
回ることになる。
それは日本の崩壊を意味している。
「大丈夫だよ、完全な秘匿回線だから」
「自称、でしょ」
「やれやれ信用されてないな。まあいい。では健闘を祈っている」
「ハッ」
真由は立ち上がって画面越しに風間に敬礼する。
DVはそこで途切れる。
「開戦、か・・・・・・」
思わずポツリとその言葉が漏れ出る。
真由は館内マイクを自分の方に傾ける。
「総員、1540(ひとごーよんまる)までに訓練施設Bに集合せよ」
一応、開戦の報せは本国からの通達はない。
だが早々に心構えをさせておくのは悪いことではない。
真由はそう考えていた。
次話投稿は20日を予定しています。