第4話 ★ ネズミの諜報戦 ★
読者の皆様へ。まだまだ面白いと感じられるかもしれません。今の私がどのくらいまでできるのか測りたいと思っています。ですから、評価をお願いします。面白くなければ1点でもかまいません。今後の努力の糧にさせていただきます。またそのためにも感想の投稿も併せてお願いします。
真由は小走りで司令室に入った。
外部からの接続が成されているDVが着信を促す赤いランプを点している。
それはおそらく伝えられるであろう電話の内容にまるでその不安をさらに増大させる。
DVの操作パネルをタッチして、回線をつなげる。
DVが起動する。
そこには以外な人物が写っていた。
「遅れて申し訳ありません、って風間さんじゃないですか」
風間 美佐雄。彼は内閣諜報省(非公式)のトップ。
他国の諜報に関しては彼の右に出る者はいない。
だから、二つ名がネズミである。
「ハハハ、久しぶりだな葛城。あいかわらず、いい胸してるなー」
こんなセクハラ発言をするので三つ名はエロ親父である。
「そういうのはやめてください。」
真由は寛容ではない。
明らかにご立腹な顔をDV越しに見た風間は冷や汗をかく。
「わ、わるい。」
「で、本日の用件は?」
真由は淡々と質問する。
風間はもう少しおしゃべり、をしたかったのだが、次に真由と会った時に連続パンチなどでミンチにされ
てはたまらないから本題に入ることにした。
ちなみに余談だが、真由は空手六段、柔道七段で女性自衛官の中では最も色々な意味でパワーがある。
だから、中途半端にナンパしてくる若い自衛官には容赦なく問答無用で殴りつける。
一方で、同じ女性自衛官では憧れの存在として慕われている。
「実は、アメリカがソ連に宣戦布告をした」
ゴクッ、と唾を呑み込む真由。
真由が予想していた通りの内容だった。
もっとも電話してくるのが風間とは思っていなかったが。
「もうすぐそっちに出撃命令が言い渡されるはずだ。」
「それで?」
「今、そっちの周りには誰もいないな」
「え、ええ」
ということは秘匿回線か。
秘匿回線は風間のオリジナルソフトで作られる。
そのソフトによる秘匿回線は風間自身は諜報技術力の高いアメリカにも尻尾をつかまれないらしい。
「前々から調べていたんだが、どうもこの戦争はヤバイことになるかもしれない。」
「具体的には?」
「この戦争がアメリカの策略なのはわかってるだろう?」
「はい」
「あいつらの策略の終点はソ連を完全に消し去るつもりだ」
アメリカは常々社会主義を批判してきた。
特にそのリーダーであるソ連に対して。
と言ってもアメリカには劣るものの、大国。
生産、通信、軍備。
どれにおいても十分である。
そんな国を滅ぼすには数年では済まないだろう。
地下に立て籠もれば、空爆では対処できない。
そのときは地上部隊を派遣するしかない。
だが、その分両者共にダメージは大きい。
それを踏まえてアメリカはソ連を潰す気なのか。
「しかし、そう上手くいきますか?」
真由は不信そうに問う。
「たしかに常識的には無理だ。では、非常識なことを考えれば・・・・・・」
「まさか」
真由は条件反射のように口に手を当てる。
「気づいたようだな。連中は核はもちろん、魔道の力を使う気だ」
次話の投稿は2月19日午後7時を予定しています。