魔法世界で魔力なしで動くのは反則だと思うんだが、ありなのか?
戦闘を書く場合周りの状況をより詳しく書いた方がいいんですかね?
咄嗟の判断で思考高速化を発動した。
この世界に来て初めての使用であったが、何の問題も無く発動して一安心したいところだが今はそんな事をしている場合ではない。
目の前に先ほど(と言うか今も)魔力一つ感じさせないパワードスーツモドキがこちらに突っ込んできている。距離にして五メートル前後、歩数にしてその大きさから数歩だ。
しかも原因は不明だが目標捕捉では捕捉されない。(原因は大方魔力を感じられない辺りだろうと、一様の目星は付いているが原因が解っても解決方法が無い)
そんな奴とこんな閉所で視界も悪い場所でやり合いたくはない。
理由としては間違いなく乱戦になるからである。
そうなればせっかく新調したばかりなのにボコボコになる事は避けられないだろう。(避けるには少々手狭である点から。)
そしてもしそんな戦闘をすればこの蔵位ものの数秒で倒壊させてしまうからだ。(それぞれの体格および戦闘スタイルから)
二つ目はこの蔵が私の見立て通り普通の蔵であれば…だが。
まあ、そうしない為に考える。この場において戦闘を回避する最良の手段を。
その答えは意外、という程ではないがすぐ側いや、手の中にあった。
(この右手に持った剣?をこの場で放棄すればいいのでは?)と。
それでも襲いかかってくるようなら戦うしかない訳だが、それでもやってみる価値はある。
スキルを一度無効にする。徐々に時間の感覚が戻ってくる中その右手に握られているものから手を放そうとするが、右手にまるで何かに絡みつかれたかのような感覚がある。
視界にうつるそれ(右手および剣)は、一年ぐらい自然の中に放っておいた様だつまり何が言いたいかと言うと蔓の様なものが右手にこれでもかと絡みついているのだ。
「何をしているんだお前は?」「見りゃわかるだろ…絡みついてんだ」
「離れろ!」その言葉とともに左手で引っ張るがビクともしない。
「嫌だ!絶対ヤダ!こんな辛気臭いとこにずっとるなんてまっぴらだ!!」
そんなくだらないやり取りをしているといつの間にか接近していたそれがその右手を固く握りしめてこちらに渾身の力で振りかぶって来た。
それを天上にあたらいない程度の跳躍で回避し距離を取りつつ荷物の山の中に一度身を潜ませる。
(チッ!警告も無しにいきなり実力行使か。こんなとこまで来て盗みに入る奴ならそれも当たり前か)そう内心舌打ちをしたがよくよく考えれば当たり前か等と結論を出しながらこれからどうするかを考える。
相変わらず右手に絡みついたままのそれのせいで右腕は使えそうにない。
飛んだ際に見えた出口はボス戦の様に都合よく堅く閉ざされていたので出れそうにない。
周囲は何だかよく分からない物がうずたかく積み上げられているので視界も利かない。最大のネックはアレに対しては目標捕捉が機能しない点が最大の障害となるだろう一時的にでも進む方向が解るだけで随分とやりやすくなるのだが。だが出来ないのなら仕方ない。
「全く無い無い尽くしだな」そう小声でこぼすと「ここからの出かたか?」そう剣が音を小さくして返す。
「ああ、こんな視界の利かない場所でやり合うのは避けたい。だが、逃げ場が無いうえに、あいつはこの場所を知り尽くしている事だろうからすぐにここも見つかるだろう」
その言葉に「そんな面倒なことしないであんな木偶人形壊していしまえばいいのに」と言ってくる。
その明らかに他人ごとな態度に少々カチンときて言い返す。
「お前がいなけりゃこんなことにもならなかったんだが?」「そりゃすまなかったね」
そう悪びれもせづにで答えられてせんない事だと割り切るが、深いため息を吐くかづにはいられなかった。そこから(防具と武具がけんかしてもしょうがないか)切り替える。
それからまたどうするかを考えるが、どれもあのパワードスーツモドキが邪魔になる。彼女が目を覚ますまでここを離れる訳にはいかないが、アレと戦闘をするのは避けられなくなるだろう。
逆に彼女が目を覚ませばあれを停止させられるかもしれないが、他力本願過ぎる。前回もそんな可能性があったが最終的にそれに伴う事象は引き起こされなかった。
結局の答えは
「やるしかない…か。やれやれだな」その声に潜ませながらもすこぶる楽しそうな音で
「やっと腹が決まったのか御主人」
絡みついていた蔦が解かれていくのを感じながら
「何時私はお前のマスターになったんだ?」そん声に怒気を滲ませつつ答えると
「おお怖い怖い。まあそれは一まず置いといて、俺の能力を教えとくぜ~。特殊な能力としてはまず一つ目が、魔力を与えれば長さも太さも重さも基本思い通りだ。お前さんほど魔力の持ち主ならそれこそ変幻自在だろうなー。もう一つが これは一種の空間魔法の一種なんだがな、対象のつまり敵の向こう側に不可視の壁を作る事が出来るってことだ」
舌打ちをしたくなるのを堪えながら会話を続ける。
「前者はともかく後者はなんなんだ対象の向こう側に不可視の壁を作って何をす…。お前の名前は何ていった?」「プレスドフラワーズ」
プレスドフラワーズ=押し花となる。
つまり、魔力で巨大化させた剣の大きさと質量を利用して魔法で作り出した不可視の壁との間に挟んで押しつぶすと言う代物らしい。
(なる…ほど。呪いの武器にふさわしい能力だ。使い勝手は余りよさそうじゃないが…)そこまで考えて
「ああ、また変なのに物に目を付けられちまったな」そうがっくり肩を落とす私に
「ま、犬にでもかまれたと思って諦めな」まるで他人事のように言ってくる。だが怒ってる時間は無いらしい。その声を聞くのとほぼ同時に視界上部に影がうつり咄嗟に前に転がり出るように前進する。
さっきまで自分がいた場所にその鈍い輝きを放つその右手を床に突き刺さる程の勢いで突き入れてきたようだ。驚くべき点はそれを気配も音も無く実行した事だ。
(この特殊な視覚が無かったらまづ避けられなかったな、あれは)そう考えるとぞっとしない話だ。
今までどれだけスキル頼みの戦闘であったかが窺える一場面だ。
(せいぜいこの反省点を活かしながらこれからの戦闘をこなすとしよう)
そんな事を考えながら戦闘態勢を整える。
と言っても剣の構え方など知らないし、その剣の能力から考えるにそもそも構え方が根本的に違う可能性があるが。
一様この剣は切るのではなく叩き切るor潰すタイプの剣、西洋剣の類と言う事になるのか?
そう考えているこちらの事など意に介するはずの無い敵はこちらにまたっ込んでくる。
それを
右手に握りしめた剣を一様の形として相手に向けながらその太く短い刀身に魔力を込める事で答えた。
その結果は
剣がそれこそ早送りした木の成長映像の様に大きくなり目の前の敵をその巨大化し続ける刀身が細い通路?いっぱいに広がりがりながら押しのけ蔵の壁にぶち当たるが、いとも簡単にその壁ぶち破り壁に人一人が頭を下げる事無く通れるだけの大穴をあける。
その途中にギャリィイイ!!!という音共に火花が出ていた為先ほどの攻撃?を耐えようとはしていたと思われるがほぼ無意味だったようだ。
その予想外の光景にしばしば驚いていたが、暫くしてから呟く。
「これは、制御が難しいな」その押し出される寸前の様子に少々違和感を覚えたが今は、置いておく事にする。
そんな私に「そういう問題じゃねーだろ!!」その一抱えもありそうな刀身からツッコミが飛んで来る。
「どんだけ魔力コメやがったんだ!普通加減てもんがあるだろ!!」
(自分の体が急に巨大化したら驚きもする…か、それにしても蔵意外と頑丈だな)
そう感想を浮かべつつ正直に返事をする。
「そう言われてもな…私は、何時も通りにやっただけなんだが。お前の中ではあれはどれ位の魔力なんだ?あと、そのデカイ刀身を元に戻すにはどうしたらいいんだ」
「アレが普通?そりゃーねぇだろ。まあ、いいや戻し方はん~たぶんお前さんから送られてきたのを戻せばいいんじゃないか?」
(こいつ、自分の体の事なのに解ってないのか?私も奴の事を言える立場じゃないが。しかし、やはりあの魔力量は異常なのか)「考える事が多すぎるな」と呟くと
「やってみるが、さっき外まで押し出したのはどうなった?」アレで片が付く程柔な奴じゃないだろうと思い聞いてみる。魔力しか見えないそうだから余り期待は出来ないだろうが。
「ああそいつならすぐにそっちに向かうと思うぜ」「そうか」
そう言うとドン!という音共に剣でぶち抜いた所より上を突き破って奴が帰って来た見た感じからそのまま奇襲に移るようだ。
何故こんなふうに平然と語っているかと言うと今回は現実逃避ではない。
あらかじめある程度予測していたからだ。
敵が乗り込んでくる事を知っていたなら銃を構えて待っていることだってできる。今回私は無手だが魔法とう言う武器と魔力と言う弾丸を持っているので問題はない。
何故こんな事が出来たかと言うと奴は剣が巨大化する瞬間今までと違う反応を見せた。
それは恐怖と驚愕。
ここから解る事はアレがただのお人形さんではない事そしてその後の行動の大まかな予測だ。
それらの感情はパニックという反応を引き起こす要因となり、パニックを引き起こした人間は行動が大変読みやすくなる。その理由は思考する事が一時的にではあるが麻痺して出来なくなるからだ。
詰まる所行動が単純になりやすいと言う事だ。
そしこれらを総合して考えた時アレは少なくとも感情のある何かで、ある事が窺える。
そしてカースドソードは言っていた【アレからは同じにおいがする】と。
どういった点からそう判断したかわしらないが、擬似的な人格を持ち合わせているもしくは私の様に魂や心といった物が搭載されている可能性があると言う事だ。
(それらが解ったとして行う行動は一つなのだが…)
あらかじめ左手に集めておいた魔力を振動させ左手を膨大な熱に包む。
前回の様に肘から先を失うような事にならに様に注意しつつ鋭利に長くする。
あの時の左手に生み出した刀の様に…。
だが以前と違うのはその点火タイミングだ。
前回は常時最大出力でやったが為にこの身体およびそれを構成する物質が耐えられなかったのだ。
ではどうすればあいいか、それは実に簡単だ。
全開もイメージとして利用した居合 これにより近くすればいい。
鞘から抜いた瞬間に白刃を閃かせ相手を切る。
それにこの魔法を照らし合わせた時、敵にその刀身が触れた瞬間に最大出力・最大熱量に達するように出来ればいいのだ。そしてそれにその際この状態の時間を極力短くすることで自身への負荷を極力小さくする。と、言うのが今回のコンセプトとなる。
「………!」
ただの無言であるはずなのに少々の力みが見える。
(先ほどまでと同じように見せかけているようだが、感情が丸見えの相手なら特に問題ない)
そう思い名がその必殺の威力を秘めているだろう右手の刺突攻撃を余裕を持ってかわしその際相手の懐に入る。
「……ッ!!」
避けられるという予想外の行動にさらにその焦りは加速してるようだ。
その隙を突かない手はない。
その引こうとする右腕に狙いを定め左手に魔力を収束し発動。
その状態から生きに左上に切り上げる
ズヴァン!!そんな音共に前腕(肘から先)を切り飛ばす。
(肩から先を全て取ったつもりだったが…予想より早いな)そんな平坦な感想を抱く。
それとほぼ同時に
切り飛ばされて宙を舞っていた腕が地面に落ちてガン!!ガラカランといった異様に軽い音が響くのとほぼ同時に相手がバックスってップで距離を取ろうとしているので追い打ちをかけに行く。
(相手はこちらの魔法に注意しているはずなら!)
こちらも距離を詰め今度は右腕に魔力を集め少々振動させ光をちらつかせるアピールと言う名の挑発兼牽制をしつつ接近。
それに合わせえて敵もより下がろうとするがここは狭い蔵の中である。
すぐに行きどまりにたどり着いてしまう。
そんな状況に違和感を感じて「随分と柔なロジックだな」その言葉に反応は無い。が、さらに続ける。
「この蔵を壊さないように手加減をしているなら移動するが?」
その言葉に肩がピクリと反応を見せる。それに高圧的な態度を崩さないまま
「フン、やはりな。付いてこい続きは外でやるぞ!」
そう言いながらプレスドフラワーズを小さくするためにその柄がある部分に近付きながらそう吐き捨てるのであった。
感想待ってます。