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名無しの首なし  作者: 無貌
第二章 空から外れて地は遠く、誘う女は姫か狂犬か
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四度目の目覚めは………どう見ても大気圏外なんだが?あ~また、ミスかよ。

どんどん行くぞ!

私は腕を組み思考と考察を同時にしている。

この世界の重力加速度は9.806 65 m/s2ではないのか?と。

どうしてちっとも落下しないんだ?と。

それ以前に何でわざわざこんな場所に出したのか!と。

最後のは考えじゃなくて只の怒りと言うか憤りだが。

いかんな、始めてあの世界に召喚された時と同じで思考が空回りしているようだ。


結論は出ない手の届く場所に答えはなく、神共に聴こうにも通信の魔法は繋がらず、地面には一向に近付かないうえ、今はこの星の衛星軌道を周り始めている。(どうしてこうなった)頭を抱えたいが下手な事をして軌道から外れれば命にかかわるのでやめた。

空気もないので音は伝わらない、同じ理由で摩擦による自身の喪失もない訳だが…一度落ちればまず間違いなく死ぬ。


(しかしどうしたもん、か?)

そんなとき何処からともなく声が聞こえる。

『お困りの様ですね』と、周波数的な物が頭に浮かぶ。

それに自身を合わせて

『そうなんですよ、一体ここは何処なんです?』『それすら分からずにそこに居るとはブチッ!』そこで声が切れる。最後の音を聞くに何かが通信を阻んだのだろう。


しばし待つと再度繋がった感覚が戻って来たので呼びかける。『お!どうかしましたか?』

『御免なさい。ちょうど貴方とのこの星あなたの目の前のそれ(・・)なんですが、重なって通信が途絶えたみたい。こっちからあなたの方に道標(ガイドビーコン)を出すから宇宙ゴミ(デブリ)に注意しながら進んできてくれません?』

と、普通に宇宙空間でも進めるでしょ?というニアンスを乗せた言葉をかけられる。

(俺は何処の宇宙最強のエンジニアか?いやこの場合は世界最強の大統領か?ま、やるだけ…やるか)そう思うと金色に輝いて見える道標(ガイドビーコン)に体を合わせる為に行動を開始する。


魔力の放射は、たぶんできるはずだ。体の調子もまあまあ、いけるな!

(この星の軌道がこうだからこの道標を辿るとしたら~、ええと、アア!こう、 こお~、 こうか?)

等と考えながえながら両手足から少量の魔力を順番に放出させる。

するとイメージ通り態勢を取る事に成功のしコースをたどって体が進み始める。(フウ、ビンゴか)

内心ほっと溜息をつきながら喜ぶ。

(宇宙飛行士や無人機を操る連中ってすごいな、これ体感無しで出来るんだもんな)等と無駄な事を考えながらも作業は継続する。


徐々に出力をあげて加速させる。

(スピードの出し過ぎは禁物だな。空気が無いから摩擦が無い、摩擦が無いから制動も自力でかけるしかない。その点大気ってすげーよな全部やってくれるんだぜって、あほな考えてる場合じゃないか)

発信元が見えてきた双子の月、か?

そのかた方から出ているようだそこにはこじんまりとした日本家屋が一軒建っている。

『なんですそれ?』『(わたくし)の家よ。綺麗でしょ』

『ああ、立派な日本家屋だ。和風ですし庭がほしい…かな?』

『けど植物が上手く育たないのよ。それとそろそろ制動か何かかけないと通り過ぎるわよ?』

『オットそれはいけないな。それ!』

そうかけ声を付けて魔力に形を与え太い棒状にしたものを飛ばし目標の月に突き刺し、それと同時に形状変化させた固定する所謂アンカー、錨の要領だ。その時の粉じんが彼女の家に飛ばないように少々離れた位置に突き刺した。

それと繋がっている魔力を引っ張り月に着陸。


そして日本家屋に近付くと急須から湯のみにお茶を注ぐうさ耳を生やしたドレスを着た美人が見える。

気さくな微笑とともに

「随分とダイナミックな着陸をしたわね!驚いたわ。それと、ここでは魔法による会話はしなくても言葉が伝わるわよ?」

(ほお)と気付かれないように警戒を強める。

「察しが良いのだな」「自然と身に付けただけよ」

そう言って(こちらの容姿を気にする事もない辺りかなり老成した印象を受けるがレディーにその言葉失礼だな)等というこちらの内心を悟られる前に言葉を発する。

「ではこちらも質問に移れるな」「少し待って」

サッと目と言葉で制されてしまった。

「先に言っておく事があるの、よろしくて」そこには威圧感が無いのに有無を言わせぬ何かがあった。

即座に(流れを此方に取り戻す事は出来ないな)と判断し下手に出る。


「ああ。此方は貴女(あなた)に訊ねる立場だ。そちらが此方に対して何かを言う権利がある」

そのこちらの言葉に目の前の女性は柔和な笑みを浮かべ

「かたいわね、まずその言葉使いをもっとフレンドリーにして、それとあなたの名前も聞かせてしてほしいわね。」そこまで言うと彼女は大切な事を忘れていたわという感じで付け足す。

「あ、そうそう!後緑茶(グリーンティー)は好きかしら?」


こうして新たに今で出会ったことないタイプの人物との話し合いが始まる。

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