一度目の目覚めは記憶にない、二度目の目覚めは荒野で首なし、じゃあ三度目は?
新章だよ。まだ名前すら決まってないけど…。最近仮面ライダー見ています。ZOカッコイイデス!
目を覚ますと言っても今の体には瞼どころか目すららないがイメージ的にそんな感じだ。
だが目の前にあるのは自分との境界線すら分からない黒。いや、正確には光の無い空間というべきか?黒とは色の三原色R・G・B示す所の全て、つまりは色なのだ。何色でも有って何色でもないそれが黒。
だがここの空間はそれと明らかに違う。…もしかしたら何も存在してい無いのかもしれない。
『本当に察しがいいな君は。』
そんな男とも女つかない声(ボイスチェンジャー的な意味で)が全方位から聞こえる。
全方位から同時という事から反響ではない。
おまけに私は声に出していない。=この空間自体が心を伝達して伝える物or今語りかけてきた相手自体がそういった能力を持っている可能性がある。
確率的に後者だろう、違うか?
『ホントに君は察しがいい。やはり君を選んだの正解だったよ。』
随分と上から目線だがそれは俺の製作者ととっていいのか?
『その通り!流石だね黒騎士、私が選んだだけはある!と、言ったら?』
どうもしはしないさ。今の私に触覚が無い点から足掻く為の入れ物がない。はなっから詰んでいる、違うか?
まあ、素直な心境としてはいい気分ではないがな。
『やっと会話らしい言葉が出たね。一様言っておくけど別に君自身をどうこうして悪行の限りを尽くそうなんて思惑は無いからそん点は安心してくれていいよ。』
…………。そうか。なら察しがいい私から忠告だ。
そう親切心半分呆れ半分で声をかける。
『なんだい?』
こんな空間に勝手に放り込んだ奴にそんな事を言われて信用する奴は相当お人好しだ。
そして少なくともそれを信じられるほど俺は純粋培養された善人ではない。それは今までの戦闘とそれに付属した会話などのやり取りを見ていれば解ると思うがな。
『ええ!ちょ、ちょっと待ってね』
(※ここから小声である。)
声一:あれ?何か私間違えた?以下声一ハスキーな女声。なお今まで話していた声だと思われる
声二:最初からでしょ。 以下声二小さな女の子の声
声三:右に同じく。以下声三野太い男声
声一:え?何で指摘してくれなかったの?
声二:暴走中の君にそれを聞くだけの性能は残されていなかった。
声三:そんな目でこっちを見るな。フォローのしようがない。
ついでに言っておくとそっちの声が筒抜けだぞ。
そんな小声で喋るくらいなら魔法だか奇跡だかしらないが切ったらどうだ?
声二『え、ナニヲジョウコニズンドコドーン!』
・・・何を証拠にそんなことを!でいいのか?なら、ダリナンダアンタイッタイとでも言えばいいのか?というか何故オンドゥル語?
声二『じゃあボセパ?』
おい流石にグ〇ン〇語は勘弁してくれ。ただたんに楽しみたいだけなら後でつきあうから話を続けてくれ!色々気になる事がある。気長に君らの茶番に付きあえるほど余裕がある訳でもないのだ!
そう怒りと焦りから語調が強くなっている私に対して
声二『いや、うーんその…ごめん。さっきまで君に高圧的に話してたのが羞恥心で真っ赤になってるから冷めるまで待ってて。』
実に申し訳なさそうな口調的に女の子ぽっい声がそう告げる。
しばらく待つからその間にせめて取り繕わせてやってくれ。ついでに今私は呆れかえっているんだ、これ以上は勘弁してくれ。
声三『すまん、礼を言う。そら!さっさと立ち直らんかそれくらいどうせ今に始まった事ではないだろ!』
声二『ちょ!それ止め!!』
その声を最後に三人の声は聞えなくなった。がこちらの声は筒抜けの可能性があるので無心を貫く。焦った所で何をどうする事も出来はしない。
しばらくすると何事もなかったように
声一『その通り!流石だね黒騎士私が選んだだけはあると言ったら?』
そこからやり直すのか?まあいいが。
『何の事かわかないな!』
お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな…。
『ヘぐ、エグねえ何でそんな悪口言うの?』
楽しいからだ。スマシ顔
『うわーん黒騎士がいじめる~!』
ハア―、すまないが代理でも何でもいいからまともに会話が成り立つ者を立てちゃあくれないか?
下げる頭はないがこの通りだ。
ボグッ!!
声二『今変わったよ。ホントごめん今からそっちに姿出すからよろしく。』
ヴォンという音と供に二人?の人影が現れる。
「今から口で話すし心が筒抜けって事は無いから内心何考えてもいいよ。そっちも疲れちゃうでしょ。」
と、声から察するに声二と思われる人物だろう。
三つの陰の中では極端に小さく子どもぐらいの背しかない。全身をすっぽりカーキーのフード付きコートを着込んでいる為容姿までは確認できない。
「世話をかけたな。」そう、声をかけてきたのは私ぐらいありそうな体をしながらもしなやかな引き締められた姿が見て取れる巌の如き男で此方も同じようにフードで全身を覆っている。色は濃紺で以下同文。たぶん声三。
こちらも声をかけようとするが、体いが無いためか上手く行動する事が出来ない。
それに気がついたのか声二が声をかけてくる。
「自分の体をイメージしてみてそうすれば一様形にはなるだろうから試してみて。」
声の割に不思議なほどのち付いた声で語るそれを実行する。
特に音はなく黒い塊を人型にした仮初の体を作る。
「あー、問題なくないな。異様に声が高いおー《↓》うー《↗》確かこんなモノだったか?」
音の調整終了。会話ぐらいはできるようになった。
それを目にした二人から少しではない驚きが伝わってくる。
「なるほどアレが手放しでほめちぎる理由が解った気がするよ。」等と言っている。
「確かにな此処の空間にこれ程容易く慣れるとは末恐ろしいな。」
「勝手に話している所悪いが続きを話してくれないか?後、自己紹介の一つでも有るとなおよし。」
そう少々不機嫌な声を出すとやっとこちらに気づく。
「いやごめんごめん!この話も後でする事になるだろうかそれまで待ってて。そうだね~先ずは自己紹介!何時もの調子ならここで何でそっちから名乗らないのと糾弾する所だけど、もしかして僕も君の事を観察していたと思っているの?」
「違うのか?」それに驚きというよりは疑いの声でたずねる。
「違うね。君の設計や何かについてはかかわったけど今回の君の定着にも僕はノータッチだよって、言ってもよく分からないと思うからそこら辺を詳しく話そうか?」
「そうしてもらうと助かる」そう先を促すが、ここでもう一人のコートマンが口を挟む。
「それでは俺が空気なのだが?」「君の説明じゃ彼だって理解できないからそれでいいの!」
その反撃にショボ~ンという効果音がつきそうな程小さくなってしまう男。
「力関係はキッチリしていそうだけど苦労してそうだなあなたも。」
「もう慣れてるよ。」ガクッと肩を落とす姿は何処となく灰夢に似ていた。
こうして彼女の解説に話は移っていった。