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譚の七 闘酔者 その伍 人形遣いの娘 その弐

「つまり」応じるように、彼女も構えを取る。

「そう、食べ滓って言うのはほれ、お前さんが処理した連中の事やき、わっしの目的は人間になることやき、その為にはおんしら妖物を喰らわにゃならんとよ」そこには、他の生物を踏みにじる事への疑念も、感謝もなく、ただ目的を遂行する為だけの純粋さがあった。

「外道、ですわね」言って、打ち込まれる彼女の双爪は、再度、彼女の槍に阻まれる。

「それは心外じゃな、いるだろうが、おんしらの中にも妖物どうぞくをくらいて生きるもんがよ」つばぜり合いの間合いで、彼女が言う。

「…」対する彼女は無言。

「まぁ、生きてく為にはお互い仕方しょんなかたい」言って、槍が双爪の間をすり抜け、突き、引いて、合わせて間合いに入ろうとする所へ石突きがしゃくり上げるように、下がる彼女に追い打ちをかけるように袈裟懸けに刃が振り下ろされる。

「打ち下ろしては剣、払うようにして長刀、突くようにして槍、無限流杖術、それがわっしの槍術の基本やき、甘く見んほうがええぜよ」再度、余裕をもって構える那択に対し鈴音は、浅いとはいえ全身に槍刃の洗礼が見受けられる。


「おしゃべりが過ぎますわね」それでも彼女はほこりを払うかのように自らの血を拭うと、そう言い放った。

「そげん、ちゃらちゃらした服ば着たおんしにいわれたくなかね」対する彼女と言えば全くの無傷、そこから無限の変化を見せる構えをとる。


「では、私も本気を出させて頂きます」言って、身につけた鳴らぬはずの鈴を共鳴させる。

「はっは、何ば言うとかと思いきゃ、おんしの幻術は人形のわっしにはきかんぜよ、手ぇぬいとるわちきにも、手ば焼いとるお主おんしのどこに勝機があるってんね。諦めておとなしゅう、わっしに喰われんしゃい」刃の雨が彼女を襲う。


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