譚之陸 狂闘 その五 嗚呼 我らが神よ
|世界( よ )は我らが思いの様、”世界”は我らが思いのままに変容してゆく。なぜなら我らには我らの、我らだけの神が居る。
そこでまた祈りが生まれる。なぜ我らには神がいない。なぜ我らには我らだけの神が居ない?
羨望は容易に憎悪にとってかわる。なぜ彼らだけに? なぜわれらは彼らの祈りに殉じなければならぬ?
なぜ彼らには彼らだけの神が居る?
羨、羨、羨、羨、羨、羨、羨羨、羨羨羨羨、羨羨、羨羨羨、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、妬、、憎、憎、憎、憎憎、憎憎、憎憎、憎憎、憎憎、憎憎、憎憎、憎憎、憎憎、憎、滅、滅、滅、滅、滅、滅滅、滅、滅滅、滅、滅滅、滅、滅滅、滅、滅滅、滅、滅滅、滅、滅滅、滅滅!!
一人の思いは小さくとも、それが何十、何百、何千、何万と集まり方向性をもったならば? それが現実を揺るがすほどの力を持ったならば?
最後に残った神は一神だった。他の神をその身に宿し、ただ一神となった。
最後の巫女は終始無言だった。
閉ざされ行く扉の中
我は、汝らの神、汝らの為だけにのみ存在する神。では、それが成就されぬ時、我は滅ぶのか?
『否』、神は滅びぬ者、ただ、その存在を留めるのみ。だが、我は歪みし神。この身に滅びを、滅びこそを求める。
ならば、どうする?
人間に滅びを与えられることを望むか?
『否』
人間は我に眠りしか与えられぬ、我には滅びを与えられず。
ならば、どうする?
神を殺せるものは神のみ。
答え、神を創ればよい。
同じように。
その身に破壊と滅びの衝動を持つ神を創ればよい。さすれば、道はひらかれよう。この忌まわしい結界を破り、己の影ではなく己自身を、我を創った者達の望み通りに!!
それでも滅び得ぬならば、この”世界”そのものの真神となろうではないか、その”世界”ですべての生命を殺せばよい。
さすれば、我の存在を願う祈りは消え、我は消滅するであろう。
我は我の消滅を願う!!