譚之陸 業 その参
「ぬわにぃいっ! 出てくのがわかんなかっただとぉ!! テメェそれでも”狩り人”かっ! 拓が死んでたら責任もってテメェ死ねぃっ!! 死ねねぇって言うならこの俺様が殺してやるぅぅっ!!! 覚悟しろよぉぉっ。そいでもって剥製か何かにして何かの部品にくっつけて一生晒しもんにしてやる。そいでもって念仏代わりに毎朝毎晩拓磨が死んだのはお前のせいだと|呑みながら愚痴ってやるぅぅ(ぐだまいてやるうぅぅっ)!! どうぉーだっ! 安らかに眠れまいっ!!」発明狂の青年は一息でそこまでまくしたててると、窒息死しかけてしまった。
「ううっ、それは確かにいやだなぁ…」彼女は、青年の飛ばしたつばきに顔をしかめながら、そうなった自分を想像し、自分の想像力のたくましさを呪った。
「何いぃっ! 拓磨を殺した上、この俺様の偉大なる発明品の一部になるのが嫌だとぬかすか、この女ァ!!」言って彼は彼女の頸を締めにかかった。
「そういう事じゃないでしょっ、縁起でもないこつば言わんといてっ!!」言って かえすかたなで彼の手を己の頸から外し、そのまま彼の頸動脈を締めにかかった。
「そうだな、とりあえずその時の責任のとらせ方はその時に考えるとして だ。死体に変わったら一弘に回す前に、屍姦の好きな友達に二、三日提供するとでもしよう。彼も君ほどの美女なら喜んでくれるだろう。それで僕の懐も暖かくなる。幸せの元というのは案外身近に転がっているものだなぁ」
彼は道端で呑気にお茶をすすると、謎めいた微笑みを彼女に提供した。
「私がめいっぱい不幸でしょうがっ!!」そこで彼女は両腕に思いっきり力を入めた。
「まあ、何だな 何を手にいれるにしても代価という物が必要になるわけだな この民主主義の社会というやつは… それでな、元手を少なく収益を多くというのがこの自由競争の社会の原理というやつだろう」
いつものように笑ってそう言い、彼は思い出したように白目をむき泡を吹き始めた蘇奈を指差し、死ぬぞ、とだけをそれにどうでもいいようにしてつけ加えた。