譚之四 ほつれあう その四
「お前な…」
「なんだよ拓うっ、そうか俺様のことを疑っているんだなっ、ほらっ、俺が拓が襲われている間中祈ってたっていう証拠は、この|天才様の発明品”リピートだよ(びゅーちふるヴォいすだよかずひろくん)一弘くん”の中だっ!!」
「テープレコーダーにお面かぶせて何が楽しいんだ お前は…」
そういうのは発明とはいわん、いいとこ子供のオモチャだ」
突き出された奇っ怪な物品に僕等はそう口々にため息をついた。
「最近スランプなんだよーっ!」
「えーいっ 男が泣くな、こらっ抱きつくな気色の悪い」
きゃーっ、きゃーっ、ずんがらがっしゃん! ぽてっ…!
「屋根から降る女とは珍しい、異常気象か?」
ようやくいつもの笑みを取り戻して彼は言った。
「あいたたっ、誰よっ屋根の上に電池なんて置いたのはっ!」 「…、すまんな」
「あんたねーっ! どういうつもりであんな所にあんなもん転がしとくのよっ!!」
「…さっきの奴の逃げ道を予測して、そ このトラップを起こしたんだが、…飛んで逃げるとまでは思わんかったものなぁ…、まぁ不幸な事故だ」
「ふーん、いい勘してんじゃんアンタ、あたしもそう思ってあそこで待ち伏せしてたのよ、よしっ!許す」 一転して上機嫌になった彼女は陽を値踏みするように見回した。
「でも使ったもんはちゃんとかたずけときなさいよね、それにどーして電池とかなんかなワケ? 地雷符なんか持ってるぐらいだからもっと|強 力なもんぐらいあるんでしょう(すごいもんもってるでしょう)にっ!?」
『あ、それは俺も尋きたい』
「 あのーっ」ちょんっ。
「 あのーっ、すいません…」 ちょん、ちょん。
「くだらん罠の方が引っ掛かったときの屈辱 感が増すだろう」
「鬼か、お前はっ!!」
『助けてもらっておいてなんだが 妖怪よりたち悪いな お前』
「あのーっ、すいませ んっ!」どんっ!! どべしゃぁ!!
「痛てーなっ、何しやがんだこのクソ女っ! ……じゃあなくて美しいお嬢さん 何かこの私めに御用でせうか?」
終了予定、譚の拾、それぞれの道(仮題)、ようやく半分の半分が終わりました。