表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/60

譚之弐 忌譚 その仇

 沈黙


「貴様、妖怪オタクだろうが、その意地と誇りプライドにかけてなんとかしやがれっ!」学内でもトップの成績をおさめている彼が嫌われている性格上の理由のもう一つ すなわち妖怪オタクである事を一弘かずひろは当てにしてみた。

「できるならとっくにやっている、僕はそのためにに来たんだからな」と、この男にしては珍しく気弱な顔と声とでそう言った。


天使が二人の間を通り抜け


「そう言えば、なんでお前が来たんだ?」

彼の真摯な顔に気を取り直し、彼はそういてみた、一弘かずひろは短気であった。そして同じように気を取り直すのも早かった。

「興信所の息子の情報収集能力を甘く見てもらっちゃあ困るな、随時この地区にはうちの職員が張っているのさ」

「ちがううっ! そんな事をいているんじゃあないっ!」

「わかってて言っているんだがな」

|悪戯っ子の笑みを浮かべて(ちょうしをとりもどして)彼は言った。

「なぉさら悪いわっ!!」

激昂して再び一弘かずひろはテーブル越しに彼に詰めよった。

「顔を近づけるんじゃない、暑苦しい」

「話せば、どけてやる、なんならこのままキスでもしようかあぁようくうぅんっ?」

我慢の限界といったていで彼は、ろくでもない冗談を言った。

「…、奴には借りがある、ただそれだけのはなしだ」

「なんとかならないのかよっ!」

再び柔和おだやかな笑みを浮かべた青瀬あおせにそれ以上の事はかず一弘かずひろは再び同じセリフをひとり口にした。

「そうさなぁ…、今の僕らにできるのは彼が鬼に変わるその前に殺してやることくらいかねぇ」

「それしかないのかよ?」

「あとは祈るだけだよ。今のところはな」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ