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1章 ー07

「なんだ。起きているのか」


 そう言って部屋に入ってきたのは白拓一人であった。


「快はどうした?」


 白拓が袂に手を入れて腕を組む。


「私が一緒に住んでいたおばあさんを見に行ってくれいてます」


 体を動かすと鈍い痛みが体を廻る。


「そうか。……快に何か聞いたか?」


 そう言って側に座った白拓の髪色がさっきと違う事に気づく。


(茶色と言うよりまるでお月様みたいな……)


 髪を見ている透子に気が付き、白拓が口角を上げた。


「野狐なんだよ、俺は」


 そう言うとピンっと白拓の髪から二つの耳が出てきた。髪も横髪の長さは変わらないが、後ろ髪が伸び、サラリと流れる。


「そうそう、さっきの朱奈は化け猫だからあまり怒らせない方が良い」


 クスッと唇に指を添え笑う白拓の爪が長く伸びている事に透子は気が付いた。


「逃げぬよう完璧に怪我を治さなかったが、その必要ももうないな」


 三日月の形をした白拓の口から尖った犬歯が覗いている。


(どう言う事?)


 透子がそう思っていると部屋の外がドタドタと騒がしくなった。


 勢い良く襖が開き、快が顔を出す。


「あれ?白拓様もこちらにいらしたんですね。透子さん、おばあさん、無事でしたよ!気絶してるけど、大した怪我はなかったよ」


 快は屈託のない快の笑みを浮かべているが、余程急いで戻ってきたのだろう。


 汗が滲み、肩で息をしている。


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