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1章 ー06
ナツは透子に、何があっても一緒だと言ってくれた人であった。
しわしわでカサカサの手で透子を撫でる人だった。
透子はそんなばっちゃんが大好きだった。
「僕、見てきます」
快はきゅっと唇を一文字にする。
「え?」
透子は涙で濡れた瞳で快を見た。
「透子さんと一緒に住んでいたおばあさんですよね?」
そう言うと快は立ち上がった。
「大丈夫です。すぐ戻りますから」
ニコッと透子に笑みを見せ、快は走っていった。
(……あれ?)
透子はふと気づく。
「私、快くんに名前教えたっけ?」
誰もいない部屋で呟かれた透子の言葉に返事は当然なかった。
綺麗な部屋に透子はポツリと一人であった。




