5/29
1章 ー04
「白拓は綺麗だけど、惚れないでね。惚れたって良い事なんて何一つないのだから」
朱奈はそう言いながら、白拓を見つめ、彼の頬を指で撫でる。
その光景はどこか妖艶であった。
透子は色んな意味で心臓が速まる。
当の本人である白拓は冷めた目でどこか遠くを見ていた。
「せいぜい役に立つ日まで元気に過ごしてね、ゴミのような人間さん」
朱奈は上機嫌で白拓の手を引いて部屋を出ていった。
その二人が出ていった襖を見つめたまま
「ちょっと教えてもらっても良いかな?」
と、透子が言う。
「な、なんでしょうか?」
正座している快の、膝の上に置いている拳に力が入る。




