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3章 ー09

 透子が近づくとパチッと目を開け、その金色の瞳で透子を見つめる。


(え?!朱奈さん?)


 まさかと思っている透子の目の前で、くるりと起き上がる猫は人の大きさになっており、黒い毛並みは美しい艶のある黒髪へと変わっていた。


「白拓から聞いたわ」


 髪を靡かせ、敵意を隠しもしない朱奈は透子を睨む。


「私は嫌よ。お父様とお母様を亡きものにした人間がのうのうと生きているなんて、許せないわ」


 朱奈は自分よりも少し背の低い透子を見下ろす。


「でも、それで誰かを殺めたら貴女が誰かの仇になってしまうわ」


 透子は眉をハの字にして、哀願の眼差しを向けた。


「だから?大抵の人間なんて私らからしたら赤子みたいなものよ。誰が赤子を恐れると言うの?」


 透子の想いは伝わらず、朱奈は嘲り笑う。


「でも、復讐は復讐しか呼ばないって……」


 透子が懸命に朱奈の金色の瞳に訴えていると

「ぐだぐたと煩いのね!」

と、苛立った朱奈の両手が透子の首を捕らえた。


「最初からこうすれば良かったのよ。目障りだもの」


 馬乗りになり、朱奈が力を込めようとした時ー


バチィッ


 大きな静電気のような音がし、朱奈が吹き飛ばされた。


「きゃっ」


 透子の視界に倒れている朱奈の姿があった。


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