1章 ー02
(この人達は一体何なの?)
白拓が部屋を出て行った為、透子は快と二人きりであった。
透子は見知らぬ部屋の布団に横たわっている。
六畳ほどの部屋は布団以外何もないが、隣の部屋に続く襖だろうか、その上に欄間が取り付けられている。
透子は欄間を見るのは初めてであった。
(さっきのは見間違え?)
ゆっくりと首を動かし、快の頭を見る。
先ほど見えた耳はもうない。
「えっと、僕の名前は快といいます。快晴の"快"です」
黙って透子に見つめられた快は沈黙に耐えられず、自己紹介を始めた。
「……快くんが助けてくれたの?」
思い出したくはないが、崖から落ちたのは覚えている。
透子は体を起こそうとしたが、体中、痛くて起き上がれそうもなかった。
「無理しちゃ駄目です!骨にヒビが入ってたらしいですから」
透子はびっくりする。
それにしては痛くないような……?
「ここに連れてきたのは白拓様です」
先ほどの美しいが冷たい印象の青年が思い浮かぶ。
(意外。なんと言うか、人助けしそうな人には見えなかったわ)
透子は白拓に申し訳ない気持ちになる。
「ん?」
快が襖を振り見る。
何やら向こうが騒がしい。
「隠したってバレバレですわ!臭い匂いがするもの!」
「朱奈ー」
パーンと、勢い良く襖を開けたのは、美しい透子と同じくらいの少女であった。




