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2章 ー02
木の根元に捨てられていた赤子ー透子ーを育てたナツ。
透子を追ってきたのは透子の出世を知る者だと感じているが……
「だとしても、あんな奴らの所には行かない」
透子はきっぱりと答えた。
(それにもう、白拓と契約したもの)
「そうだねぇ、嫌な感じやったねぇ」
「それに、さっきの白拓の手伝いする約束したの。ほら、助けてもらった訳だし」
嘘ではないと、透子は自分を勇気付ける。
「だから、少し離れる事があっても心配しないで。戻ってくるから」
(どんな形なるかは分からないけど、ばっちゃんの側に帰りたい)
透子は自分を励ます為にも笑顔を繕う。
「透子……」
「ほら、今は休んで!私も休むから」
透子はナツを促し、襖の前で手を振って部屋を出た。
廊下に出ると、壁にもたれ掛かった白拓がいた。
「ちょっと良いか?」
白拓に聞かれ、透子はコクンと頷いた。
白拓は透子の部屋に入ると「あの老婆だが……」と、ナツの今後について話し出した。




