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1章 ー15
(綺麗な顔とは違い口汚ないのね)
「助けてくれたのは事実でしょ。その事にお礼を言わないほど非常識ではないわ」
ふんっと白拓から顔を背ける。
「……お前みたいな奴をお人好しと言うのだろうな」
白拓は徳利を置き、ゴロリと畳に寝転がった。
「ちょ、ちょっと!」
「五月蝿い。快が来たら起こせ」
背を向けた白拓はそう言うと寝たのか黙ってしまった。
「何よ……」
本当に訳が分からないと、透子は食事を始めた。
白拓の膳と同じ物が乗っている。
(人間は嫌いなんでしょ?)
白拓の背を見る。
どうして人間である自分も同じお膳なのか、お人好しは余程、白拓の方なのではないかと透子は思うのであった。




