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1章 ー13

「足の骨を直す時に、それまで治してしまった。目覚めると違和感があるや知れぬ」


 目をぱちくりしている透子に対して白拓は真剣な顔をしている。


(変なところを気にするのね)


 透子はおかしく感じ、ふふふと笑った。


 垂れ気味だった白拓の耳がピクッと揺れ、真っ直ぐに上に伸びた。


 透子はナツを起こさぬようそっと離れる。


「もしかして疲れてるの?」


 廊下に出ると透子は上目遣いに白拓を見た。


「……」


 白拓が口を開くのと「あ!」と、お膳を持った快が白拓を見つけるのはほぼ当時であった。


「白拓様、こんな所にいらしたんですね」


「快、俺の夕餉もこいつの部屋に運んでくれるか?」


「承知しました!」


 快は廊下に箱膳を置き、廊下を戻って行った。


「お膳……」 


「後で持ってくる。心配するな」


 そう言って透子の寝ていた部屋に入る白拓の着物の裾からしっぽの先が見えた。


 白拓の動きに合わせて揺れるそれを見ていると口元が緩んだ。


「何をしている。早く入れ」


 揺れるしっぽを見られていると思ってもみない白拓が透子を急かす。


 白拓は裾から足が出るのも構わず、畳に足を崩して座る。


(男の人なのに、足まで綺麗……見てはいけないような……)


 しなやかに伸びる足に何処を見たら良いのかも分からない。ドキドキしながら透子は少し離れて正座した。


「お前の言う通り、今日はさすがの俺も疲れた」


 透子の方を見るでもなく白拓が呟く。


「もしかして、私達を助けたから?」


 白拓は目だけ動かし透子を見る。


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