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奇跡の先に

どうも!スキーです!

今回も手に取っていただき、ありがとうございます!

第一幕【滅亡剣】


俺は久しぶりに相対するJOKERの存在に、わずかに戦慄していた。

――昔の自分では、まるで歯が立たなかった相手。だが今は違う。自分もまた、あの頃から大きく成長している。

周囲を見れば、仲間たちはJOKERの放つオーラに縛られたかのように身動きすら取れずにいた。野郎の能力でさえ発揮できぬほど、ただ存在しているだけで絶望を植え付ける怪物。

「ヴィクトニケ様…」

不安げにオーディンが声を出す。

「JOKER――お前を倒し、七央を返してもらう」

 俺の宣言に、JOKERは口の端を吊り上げる。

「昔は、勝てなかったじゃないか 今だって勝てないんじゃないか?それとも、正義は勝つとでも言いたいのかな。神剣は渡してもらう。」

「ふっ。俺だって強くなってるぞ」

その一言を皮切りに、俺とJOKERの戦闘が始まる。

俺は理解していた。常識的な攻撃など、コイツには通じない。

俺は空間を突き破り、一本の神剣を取り出す。

「――概滅剣 《エンドノヴァ》。」

黄金のオーラが奔流となって迸る。それは、かつてイーノルを葬った破滅剣 《エクスルート》すら凌駕する圧力だった。

「フッ!」

一閃。俺の剣が振るわれた瞬間、《エンドノヴァ》が効果を発動する。秩序と概念と因果を操り、勝利の因果を俺に結びつけ、相手の勝利概念を消し去る。さらにJOKERの能力さえ否定した。

時間の概念すら超越する速さの斬撃。裏空間でなければ、天界空間ですら何兆回滅んでも足りないくらいの威力だ。 

だが――

「……ヴィクトニケ…成長したじゃないか!」

JOKERは腰に下げている黒い剣を空間を裂きながら引き抜く。

「滅亡剣 《ラグナロク・ビヨンド》」

その瞬間、全員が“終わり”を悟った。すべてを破滅させ、終焉を顕現する剣。その威容に、仲間たちの心臓は凍り付いた。

俺は即座に、仲間たちを守るため破滅概念を遮断するバリアを展開する。

「そんなことをしている暇があるか?」

その一瞬に、自らは破滅へと呑まれた――だが。

「ヴィクトニ……!」

 野郎が声を上げた刹那、背後から閃光が走る。

「――破滅なんぞ、概念に縛られたものでしかない。」

JOKERの前に再び現れた健在の俺。何事もなかったようにJOKERの背後へ回り込み、《エンドノヴァ》で斬りつける。自由自在の無限火力を叩き込んだ。

しかし――

「効かないね。火力程度で抗える次元じゃないんだよ」

 JOKERは無傷だった。

「《超越断絶》!」

疾風の斬撃。俺の目で追うのすら困難な速さ。直撃すれば“存在”という事実すら抹消され、蘇生も転生も叶わない――かつての俺を追い詰めた技。

「いきなりクライマックスか……」

 だが、今の俺は違う。

「《根源の覚醒》……!」

俺の身から溢れ出るオーラは、あらゆる事象を“無いもの”へと書き換える力を帯びていた。

俺はは必殺の一撃を放つ。

「――《極論性絶対理論(エクストリーム・ワールド・エンド)》!」

己の考えた理を現実へと顕現し、その後の結果すら相手に押し付ける絶対能力。

「JOKER。お前の存在は、もう無い。行動をした瞬間に消滅する。」

逃れられるはずのない必殺。しかし――

「《結果断絶》。お前の“結果”は、起こる前に無くなる。」

JOKERは、発動し終えたという結果すら断ち切ってみせた。

JOKERは俺に突撃する。

「フッ!! ヴィクトニケ! あなたはッ! この世にッ! 居てもらっちゃ! 困るんですよォッ!!」

六度の斬撃が俺を貫き、回復不能の傷を刻みつける。力は削がれ、俺は膝を折る。

「うぁっ……く……」

JOKERは宣言した。

「《能力断絶》。ヴィクトニケ、お前の能力はもう存在概念を保てなくなった。」

だが――

「ふん……その程度か?」

俺の身体は再び立ち上がり、傷すら癒えていた。

「なっ……まさか……!」

 JOKERが目を剥く。

「定義を操った。」

これにより、能力や回復という概念の定義を変えた。奴が一方的に回復という力を封じても、回復という概念がまた新たなる定義として生まれたから意味がない。

俺は笑みとともに、反撃の猛攻を開始する。

「――《ガリオス》!」

《ガリオス》は破壊と破滅の概念を顕現する能力。その瞬間、JOKERの概念は一秒間に何億回も滅び続ける。

さらに俺は休むことなく畳み掛けた。

「能力を無効化し……回復を無効化し……思考を無効化し……お前の肉体をリプログラミングし……お前は、死に続ける。」

放たれる力は驚異的で、五秒間に及ぶ能力発動の中でJOKERはすでに一京回も滅んでいた。

それでもなお、《ラグナロク・ビヨンド》の力によって辛うじて存在を保ち続ける。

「はぁ……はぁ……。昔よりもずっと強くなっている……その調子だ。俺も……本気を出すか」

JOKERは血を吐きながらも嗤い、剣を掲げた。

「――《限界断絶》」

あらゆる因果と限界の壁を斬り捨て、爆発的に能力を引き上げる。JOKERも本気だ。

「はぁ!」

無数の斬撃が降り注ぐ。その猛攻は俺すら圧倒し、ついにその肉体は形を保てなくなり、粒子となって消えかけていった。

「うっ……ぐっ……」

「ヴィクトニケ!! 負けないで!!」

アスガたちの叫びも虚しく、無数の斬撃が容赦なく俺に襲いかかる。

走馬灯のように意識が揺らぐ中、俺は心の内で七央の声を聞いた。

「ヴィクトニケ……私はあなたを信じる。負けないで。希望の枠を、越えて!」

その瞬間――JOKERの斬撃はすべて弾かれた。

「なっ……後ろに……引けない!?」

JOKERの行動が止まる。

「お前の行動を止めた。」

俺は静かに告げ、立ち上がる。JOKERは因果を断ち切ろうとするが――。

「……因果がない!?」

そう、俺はこの戦いの中で進化していた。

「俺は証明式を成り立たせずに力を示すことに成功した。今の俺を覗いても、何も感じることはできん。そして俺は今、“枠”を越えた。世界の外からの干渉が可能になったんだ。お前はもう、俺を認識することも、攻撃を当てることもできない。」

「なっ……世界の枠を……越えた……!?」

 JOKERの顔に絶望が広がる。

クリスですら届かぬ領域――無限多元宇宙の創造者を超え、俺は全ての根源へと覚醒したのだ。と、いうわけで、よぉ、そっちの世界で言う"読者"さん。俺は4次元(そっち)を認識出来るようになったぞ。昔からそっちに行くことも出来たんだがな。性質上出来なかった。まぁ、今はそんなことどうでもいいな。

「さ、反撃の時間だ。七央を…返してもらう!」


第二幕【枠の超越】


「はっ…!無駄だ!俺に勝てるわけ…ない!」

JOKERは《ラグナロク・ビヨンド》を構える。

「《枠断絶》っ!」

俺はその攻撃に"枠"を作った。本来なら、この枠を越えない限り、その行動が行われることはない。

「無駄だ!その枠すら越え続ける!」

俺の隔てた枠は斬られる。JOKERでなければ出来ないだろうな。

「来い。神話剣 《クサナギ》」

俺はまた新たに空間から神剣を取り出し、JOKERの技をぶった切る。

「んなっ…俺の斬撃を…?なぜだ…」

「お前の攻撃というのは認識され、初めて存在出来るものだ。」

《クサナギ》の能力はこの世に噂や認識されている事実を起源ごと斬りつけ、壊す能力だ。起源から壊せば《ラグナロク・ビヨンド》のあらゆるものを断絶する力は意味をなさなくなる。

「言っただろう?俺は昔より強くなっているのだ」

俺の全開放した殺気がJOKERを襲う。

「ッ…!いつの間にこんな!」

――消えろ、《絶対全能理屈理論(ワールド・エクスプロージョン)》!」

JOKERは《ラグナロク・ビヨンド》を再び構える。――がしかし。

全ての枠外から放たれた一撃。因果も、能力も、理屈も、存在も、蘇生も、転生すらも無効化する絶対の理。

この技に抗う術など存在しない。《ラグナロク・ビヨンド》でも切り裂けなかった。

「くっ………ヴィクトニケ……!! 覚えていろ! 必ず……消し去ってやるうううう!!」

断末魔を残し、JOKERの形は塵すら残さず消滅した。JOKERの居た場所にはただ1つ。《ラグナロク・ビヨンド》だけが残ってた。

次の瞬間、七央の体から黒い光が抜け、髪は元の黒に戻り、瞳は美しい青へと輝きを取り戻した。

「ヴィクトニケ……? みんなも……」

七央は目を覚ました。

さらに俺は零矢に近づき、《ラグナロク・ビヨンド》の“復活しない”という効果を矛盾させ、零矢を蘇らせる。

「終わった…のか…?」

零矢は目を覚まし、元に戻った七央に目をやる。

「七央っ!! すまない……怖い思いをしたな」

零矢が娘を抱きしめると、七央の中に溜め込まれていた不安が一気に爆発し、涙が溢れ出した。

「ごめん……みんな…!ありがとう……本当に…ありがとう!」

「無事で良かったなぁ……」

野郎も堪えきれず、涙をこぼす。

その光景を見守っていた天界の仲間たちも、ようやく安堵の表情を見せた。

「すまぬな、要らぬ心配をかけた……ありがとう」

俺の言葉に、オーディンとノルンは深く頭を下げる。

「我が君のお役に立てたようで……光栄です」

クリスも微笑んだ。

「やっぱり、君は最強だね」

「あぁ――もちろん、俺が最強だ。」

泣き疲れて眠った七央をアスガが背負い、俺の《サリナム》の力によって無限多元宇宙は元の姿を取り戻す。

瞬きをした次の瞬間には、光り輝く宇宙があり、その真ん中にデルゲ・セントラルがあった。

天界の仲間達は天界へ戻り、俺とデルゲ・セントラルの仲間達はそのまま、デルゲ・セントラルへと帰還した。


第三幕【戻ってきた日常】


デルゲ・セントラルは職員会議の結果、生徒の心を休ませる目的や学園の復興のため、学園を一日休みにすることとなった。

その日、七央が「一緒に出かけたい」と言い出したので、俺は七央と二人で街に出ることになった。

「ふむ。ここでよかったはずだな。」

俺は七央との待ち合わせ場所に着く。街の真中だ。

「おまたせ!」

前の方から女性の声が聞こえてきた。黒い髪を横で結び、おしゃれをしている七央だ。

「今日は久しぶりに二人きりのお出かけだね!」

昨日の惨劇などなかったかのように、七央は元気いっぱいに話しかける。

「あぁ、最後はうどん屋だったからな。」

俺も微笑を返す。その後ろでは、こっそり二つの影が俺と七央を見守っていた。

「ちょっと……二人でデートとかズルいわ……」

「ヴィクトニケがあんなに平常心そうなのも面白いね……」

二つの影とはアスガと結弦である。

「もう二人とも付き合っちゃえばいいのにね」

アスガが呟くと、結弦は首を傾げる。

「うーん、ヴィクトニケってそういうことに興味あるのかな?」

「確かに……「俺は付き合うということに興味はない」とか言い出しそうだよね……?」

二人はじっと俺と七央の成り行きを見守ることにした。

「ねぇねぇ!あれ、最近話題の“ケルベロスのたこ焼き”だよ!」

七央が指を差す。

「ふむ、具材は店員がランダムに入れるのか……ケルベロスという名の通り、地獄の者が好みそうだ…」

ケルベロス…懐かしい。過去に地獄で会った時、人差し指で落ち着かせたことがあったな。

俺は感心しつつ、二人で二つ入りのパックを買った。

「ん〜!美味しい!中はタコだったよ!」

七央は嬉しそうに声を上げる。

だが次の瞬間、俺は眉をひそめた。

「……なんだ……痛いぞ……!」

どうやら俺の中身は大量の唐辛子だったらしい。

「えー!ハズレじゃん!大丈夫!?」

慌てた七央が水を差し出す、俺はそれを飲み干してなんとか落ち着いた。

「ヴィクトニケって辛いの苦手なんだね……」

「天界には無かったもので驚いた。いきなり俺でも防げぬダメージが来たので、新手の攻撃かと思ったぞ。」

「あはは!そんな訳ないじゃん!」

俺は七央と顔を見合わせ、思わず笑った。

「フハハッ…中々どうして楽しいものだ。七央との街巡りと言うのは」

影からアスガがひそひそ声で言う。

「全能を超えても辛さは超えられないのかもね!」

「ぷっ……確かに……!」

結弦も思わず吹き出した。

「そういえばさ、《ラグナロク・ビヨンド》?ってやつはどうしたの?」

七央は聞いてくる。

「あぁ、あれは元々は天界の神剣の1つだからな。オーディンに預けて天界で管理している。」

そんな話をしながら俺達はデパートへ来た。

「七央、欲しい服はないか?」

「え?いいの?」

七央は驚いた顔を見せる。

「この世界に来た時、金を百トン生成して売った。査定には手間取ったが……そのおかげで資金には困らぬ。」

七央は目を輝かせた。

「じゃあ、この“OMOCHI”の服が欲しいな! お父さん、お金持ちなのに自分の欲しいものばっかり買って、私には全然買ってくれなかったんだよ!」

どうやら高級ブランドの服らしいが。俺からすれば高級服も取るに足らない。すぐにそれを購入し、七央へプレゼントした。

「ありがとう!」

「構わん。」

その頃――学園会議中の零矢は、突然大きなくしゃみをする。

「ハックショイ! 誰か噂したのか……?」

服を手に入れた七央は顔を赤らめ、俺に礼を言った。

「ありがとう!ヴィクトニケ……。こんなに良くしてもらって、なんか悪いね……」

「なに、このくらいのこと、当たり前だ。」

七央は微笑み、影から見守るアスガと結弦は羨ましげに囁き合った。

「服…ヴィクトニケなら創造で生み出せるんじゃ?」

アスガはそう突っ込む。

「ハハハ。きっとヴィクトニケなりの"気持ち"だよ。」

「気持ち…?」

アスガは首を傾げる。

「創造して終わりじゃなくて、感謝を想いに乗せることが大切なんだよ」

「それも…そうね…!」

アスガは笑う。

「今日は夕ご飯になにを食べようか?」

俺は七央に聞く。

「ん〜…たまには、ヴィクトニケの手料理とか?」

手料理か。過去にイムホテプの料理を手伝おうとした時は間違えてブラックホールを生み出してしまってたな。そこからイムホテプに料理することを禁止され、してない。

「いいだろう。食わせてやる」

「やった!じゃあ、ヴィクトニケの家に行っていいかな?初めてだし。」

そういえば、まだ皆をゴッドシグナルに連れてきたことは無かった。

「では行こう。」

ワープでゴッドシグナルのあった場所へと飛ぶ。

「あれ?なにも無いよ?」

俺は左手の薬指に付いている指輪。邪印を掲げ、その中に小型収納しているゴッドシグナルを展開する。

目の前にはさっきまでなにも無かった草原の上にデカい城が建てられた。

「わっ!凄い…」

「だろう?さぁ、入っていいぞ。」

影からアスガと結弦が覗いている。

「中に入ったわね…」


第四幕【魔の手料理】


俺と七央はゴッドシグナルの中に入り、七央をキッチンへと移動させる。ホントはキッチンなどは無いのだが、俺の思考とゴッドシグナルは直結しているので創造でキッチンを予め、用意しておいた。

「座っててよいぞ」

「うん!ありがとう!」

さて、早速料理をするわけなのだが…目の前に鉄製の円盤付き棒が置かれてある。イムホテプの使っていたフライパンというやつだな。

「目玉焼きとベーコンを作ってやろう。」

七央は目を輝かせる。

「やったー!美味しそうだね!」

とりあえず、先にご飯を炊くことにした。ご飯の炊き方はイムホテプのやり方を何回も見ていたので流石に出来た。

「さて、次は目玉焼きか。」

俺は《オーラリム》を使い、尚且つ、慎重に卵を手に取った。こうもしないと緊張で卵が木っ端微塵になりそうだ。キッチンの端の方に卵をコツコツと叩き、卵にヒビを入れる。

そのままフライパンの上へと落とし、ベーコンもフライパンの上へと落とした。

ジューーと焼く音が響く。

「私、目玉焼き好きなんだよね〜!」

七央は椅子の上でパタパタと足を動かす。

「そうか。味付けはなにがいい?」

「塩コショウ!」

俺は目玉焼きとベーコンに塩コショウを振りかける。

目玉焼きとベーコンがじっくりと焼ける光景を見て、俺は疑問に思う。

高火力で一瞬で焼けば待つ必要はないのではないかと…。

俺は手に炎を出現させ、ベーコンと目玉焼きになりかけている卵に炎をぶつけようとする。

ーーその瞬間。

「ヴィクトニケ?それはやめよう…」

七央からの指摘が入った。こういうのは時間をかけるのが大切なものか。俺はまた1つ学んだ。

やがて、ベーコンと目玉焼きが出来上がった。

ご飯も炊き上がり、お茶碗にご飯を盛り付け、目玉焼きとベーコンもお皿の上に乗せる。

「さぁ、どうだ。」

イムホテプにも見せてやりたいくらいのクオリティだと我ながらに思う。

「美味しそう!いただきます!」

七央はパクパクと食べる。

「ねぇねぇ、ヴィクトニケ。」

七央は俺に声をかける。

「なんだ?」

「JOKERってなんでヴィクトニケの神剣を狙ってたのかな?」

「俺の持っている神剣は11本…そのうち10本は力を合わせれば全てを支配する力を誇る。」

「そうなの?」

「あぁ、俺の神剣には、《エンド・ノヴァ》、《ジーク・コンセプト》、《マスター・ユニバース》、《エクス・ルート》、《ルミナス・カリバー》、《ディムカ・リバー》、《クサナギ》、《アルケー》、《フリーダム・アクション》、《パラドックス・ジスタンス》の10本の剣がある。それら全てが合わさると《オールマイティ・エクストラ》という剣になる。」

七央はふむふむと頷く。

「《オールマイティ・エクストラ》は強力でな。俺でも滅多にこの剣を完成させ、抜くことはない。それぐらい強力で扱いにくいのだ。強すぎて使い場所が無いと言ったところだな。」

「へー!じゃあ《オールマイティ・エクストラ》に含まれてない11本目の剣はなに?」

「あれか…あれは少々問題児でな。《パンドラ・ヒーロー》という剣なんだが…アイツは意思を持つ剣の形をした神なんだ。気まぐれで俺でも毎日扱えるようなものじゃない。だが、その代わり、絶大な力を誇る。俺の持つ神剣の中じゃ最強だな。《ラグナロク・ビヨンド》と同格かそれ以上はある。」

「そうなんだね…!じゃあ、私の持つ《クリア・スモーク》とか全然強く無いんだねー…」

「ハハハッ。そうだな。神剣って言っても作った者や時期で能力が異なるものなんてたくさんある。」

そう言うと気付けば七央は夕食を食べ終わっていた。

「ごちそうさま!」

「もう帰るか?」

俺が聞くと七央は頷く。

「うん、19時までに帰らないとお父さん心配するからねー。」

あぁ見えて零矢は心配性らしい。

俺は外まで見送る。時刻は18時を過ぎており、日が沈んでいた。

「今日はありがとね! ヴィクトニケ!」

「俺も楽しかったぞ。また行こう。」

七央が帰路につこうとしたその時、七央が少し頬を赤らめて立ち止まった。

「ねぇ、ヴィクトニケ……。私、まだお願いがあるんだけど……いいかな?」

「言ってみろ。なんでも叶えてやろう。」

「……なんでもだね? じゃあ、この世で一つしかなくて……ヴィクトニケでも複製できないものをプレゼントしていい?」

「ん? お願いなのにプレゼントなのか?」

怪訝そうに首を傾げる俺に、七央は静かに言った。

「ヴィクトニケ……しゃがんで。」

促されるままに俺は七央の身長と同じくらいの所までしゃがむ。すると七央の唇がそっと俺の唇へと触れた。

「ヴィクトニケ……私とお付き合い、できない……かな?」

その瞬間、陰から見ていたアスガと結弦は衝撃でショートし、その場にひっくり返った。

「………七央。俺なんかでいいのか?」

「私のことを、こんなに大切にしてくれる人……この世界には中々いなかった。私の回復能力を褒めてくれる人なんて……ずっといなかったんだよ。それに、ダークやJOKERの時だって、私を助けてくれた。ヴィクトニケの優しいところが好きなの。」

七央の言葉に、俺はゆっくりと頷いた。

「ふっ…なんでも叶えると言ったばかりだしな。その願い、承ろう。」

七央は喜びでさらに顔が赤くなる。

「これからも…よろしく!」

「あぁ、よろしく」

俺は七央の姿が見えなくなるまで七央を遠くから見送ったーー


第五幕【デルゲ・セントラル政府】


――翌朝

俺はいつものようにゴッド・シグナルの中から学園へとワープしようとした。だが、その瞬間、扉を叩く音がしたので扉を開けると、そこには朝から笑顔の七央が立っていた。

「たまには一緒に登校しよ!」

彼女の元気さに俺は微かに笑って言う。

「あぁ。一緒に行こう。」

二人で歩く途中、七央がふと訊ねた。

「ヴィクトニケは、ちゃんと登校したことあったっけ?」

「無い。一度だけ光速で駆けたがここの世界では危険だからな。基本はワープで来てた。」

七央はくすりと笑い、言う。

「これからも一緒に行ってもいいかな?」

「いいぞ。」

学園に着くと、教室では無羽飛の姿が見当たらなかった。俺はすぐに担任の凪海に確認を取る。

「凪海。無羽飛は休みか?」

「えぇ。今日は体調不良みたいです。それと、凪海"先生"と呼んでくださいよ?」

「……あぁ、分かった。」

俺は適当な返事を返した。

時間が経ち、昼休みになり、結弦、野郎、アスガを誘って昼食を囲みながら、俺は決心して口を開いた。 「今日は俺がデルゲ・セントラルに来た理由を話そうか。」

仲間たちの視線が集まる。俺は静かに説明した。

「天界の命令で、この世界の能力者を監視し、天界の危険を脅かす者は居ないか。世界の秩序を守るようにと――そう言われ、デルゲ・セントラルに派遣されたんだ。」

「確かに、デルゲ・セントラルの能力者は強いからね。天界にまで被害及んだら黙ってられないかもね。」

結弦は言う。

「そうだ。ここに強大な力が集中しすぎれば天界から見れば危険だ。そして、ぶっちゃけ、俺はこの世界を一瞬で潰せる。でも、したくない。守りたいんだ、この場所も天界も。」

「俺はこう思う。天界は何かを隠している。単純な監視じゃない。なにか、俺を騙そうとしているはずだ。天界がなにを目的に俺を動かしているのか調べたい。JOKERは…きっと、アイツ自身の意思で来ていない。」

「どういうこと?じゃあ、JOKERは誰かに遣わされてるってことなの?」

アスガはそう聞く。

「あぁ、そういうことだな。」

野郎は無邪気に言った。 「ん〜ていうかヴィクトニケより天界のやつらが弱いなら、もう天界支配しちゃえばいいんじゃねぇの?そしたら向こうから降参してくるだろ」

俺は肩をすくめた。

「俺がトップだなんて確証は無いぞ。俺ですら天界の全貌を見たことはない。なんせ無限を越える広さを誇るからな。天界側に俺より強い者が居れば逆に俺が殺される。」

その時、背後から低い声が響いた。

「話は聞いたぞ、ヴィクトニケ。」

振り向くと零矢が立っていた。零矢の瞳はいつもより真剣だ。

「お前、デルゲ・セントラル政府に足を運んでみろ」

零矢にそう言われる。

「俺が?政府になにかあるのか?」

「分からん。ただ――アポストルの件だ。気にかかることがある」

アスガが間髪入れず問い返す。

「アポストルって、私たちが倒した連中だけじゃなかったの? クリスさんもそう言ってたでしょ?」

零矢はあの天界の書物の内容を思い出すように目を細めた。

「私の所蔵する天界の史書にはこうある。「能力の世界の中心は千年を経て、再び天より使徒参らん」と。これは今日に至るまで記された予言のような言葉だ。デルゲ・セントラルが能力の世界の中心であるとすれば……使徒…つまり、アポストルが近頃、再び舞い降りるというわけだ。」

七央が首を傾げる。

「でも、デルゲ・セントラルで能力概念が発生したのは千年前だよね? デルゲ・セントラルが完成する前のことが記録に書かれているのはなんでだろうね?」

零矢は肩をすくめ、視線を俺に戻した。

「だからこそ、ヴィクトニケ。その意味を知るため、お前に頼む。能力世界の中心…デルゲ・セントラル政府へと潜入してくれ。きっとあそこになにかが隠されている。」

俺は一瞬考えた後、静かに口角を上げた。

「ふむ。行ってみよう。」

仲間たちの視線が緊張と期待で揺れる。廊下の窓から差し込む昼の光が、いつもより少しだけ長く感じられた。

俺は静かに姿を消し、政府本部の前へと降り立った。

「……透明化を無効化するカメラまであるとはな。確かに、俺のように矛盾を扱えなければ、透明化しても突破は不可能だろう」

だが、俺の眼は冷静だった。矛盾の力を操り、監視網そのものの意味を否定してみせる。赤く瞬くセンサーは沈黙し、警報は鳴らない。

見渡す限りの廊下、配置された警備兵。その数はざっと百人は下らない。

「……本当に政府は天界と繋がっているのか。」

覇王の神眼を開眼し、迷宮のように入り組んだ通路を透かして進む。そしてついに、豪奢な扉の前に辿り着いた。中からはただならぬ気配。おそらく、デルゲ・セントラルを陰で操る存在たちが集まっている。

「――さぁ、見させてもらおうか。世界の全貌を」

静かに呟き、俺はその扉を押し開けた。

その先に広がる光景を前に、俺の瞳が鋭く輝いた――

スキーです!

いやー、なんやかんやでもう6話目ですね!JOKERとの戦闘が終わり、今度は天界の真相…ここからまたどう動くか。中々見物だと思います!七央とヴィクトニケのデートシーンはどうすれば面白く書けるかなぁと試行錯誤しました!ヴィクトニケが料理下手だったり辛いものに驚いたり、普段からは考えられないようなシーンがあって印象に残ったかな?と思います!

今回はヴィクトニケの能力ではなく、ヴィクトニケ世界の構造について話します!

世界→多元宇宙→無限多元宇宙→マルチバース→メタバース→ゼノバース→オムニバース→ゴットバース→アウターバース→裏世界→天界・地獄→創造世界→空想世界

これが基本的な構造基準です。この順番通りの上位構造となっていて、あとはヴィクトニケ世界の概念の解説をします。


裏世界とは 全ての空間の裏の世界。壊れる空間も無くただの無しかない。

天界・地獄とは 全ての世界を上からと下から監視出来る。規模的には無限を越えてる。

創造世界とは 誰かが創造した世界を基準に展開される宇宙。創った者こそが最強となる。

空想世界とは 創造世界を越え、全ての定義や次元を空想や夢とし、あらゆるどんな無限空間を越えたものも根源的に操作する。

こんな感じになります!創造世界や空想世界に関しては出るか怪しいです笑 とりあえず、こういう世界構造なんだなって分かってもらえればいいです!

次回の投稿は2026年1月7日になります!

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