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天の影

どうも!スキーです!

今回もこの作品を取っていただきありがとうございます!

第一幕【魔の侵略】


授業中――

俺は机に突っ伏し、軽く目を閉じていた。授業というのはつまらない。もうこの世界のことは知り尽くしたからな。そう思っていると校舎の外から、重低音のような振動とともに騒がしいざわめきが広がった。

「なんだ……?」

俺はまぶたを開き、窓の外に視線を向ける。

そこにいたのは――人間ではなかった。

山のように積み重なった漆黒の塊。その中心に、腕や脚らしきものを備えた異形の存在。

「……闇の姿、か。」

思わず呟いてしまう。異様な姿だ。

その生物は大声で叫んだ。

「ハハハ! 俺はダーク様! この世界を闇で埋め尽くし、支配してやるぜぇ!」

校庭にいた生徒たちは騒然としている。

俺は頬杖をつきながら小さくあくびをした。

眠いな……まぁ、誰かが倒すだろう。見ていると前線に飛び出したのは、一人の男子生徒だった。

「俺がやる!時を止めてやるぜ!そのうちに一斉攻撃だ!」

その言葉が発せられた瞬間。世界が固まり、音が消える。当たりまえだが、周りのものは動かない。俺は無効化しているので動けるが。

そしてその男子生徒は勝利を確信して笑った。

「なんだったんだ?コイツ?さっさと倒してやるぜ!全員行けーッ!」

男子生徒の仲間が宇宙崩壊レベルの攻撃を放つ。

だが――

止まったはずの世界の中で、黒い模様がじわじわと広がっていた。

「な、馬鹿な……!」

その瞬間、彼らの全身は漆黒に覆われ、動けなくなる。

「ぐぁぁ!なんだ!やめろ!なんで能力が発動しないんだ…」

ダークは高らかに笑う。

「フハハ!俺の闇は概念すらも侵食してやることができるんだ!時を止めようと…宇宙崩壊レベルの攻撃だろうと!俺の無限に増え続ける闇には敵わねぇってことよ!」

概念にも干渉できる…かなり凄い技術だ。

窓辺から戦いを眺めていた俺は、興味を抱いた。

次々に能力者たちが挑む。

念力を放つ者、幻獣を召喚する者、空気すら焼き尽くす炎や宇宙を凍らせる威力の氷で埋め尽くそうとする者。

だが、そのすべてが闇の奔流に飲み込まれていった。

「俺の闇は無限に増やせるし、耐久力や攻撃力もある!誰も勝てやしねぇよ!」

誇らしげに叫ぶダーク。

……どうりで苦戦するわけだ。俺は静かに立ち上がる。そろそろ即死させてもいいか――そう思った矢先。

突如、うダークの動きが止まった。

「うおお?なんだ?」

ダークは驚いている。

「――《服従の地》。」

校庭に現れたのは二年の先輩、酢桃夜弓月(すももやゆづき)。明るいブラウン色の髪をなびかせながら、空中をダークより高い位置で飛び、ダークを見下している。

彼女の周囲の空間が揺らぎ、ダークを縛りつける。

「なにっ……!?うっ動けねぇ…侵食すらも…使えない…!」

ダークは声を荒げる。

「お前、誰であろうと従わせることなんてできるわけ……!」

しかし、弓月は動じない。

「私の前じゃ、全部従うしかないのよ。」

俺は知っているが、弓月の服従の地は全世界の存在を従わせることの出来る能力。この前のナースと違って複数狙いを定められるらしい。

ダークは必死に抵抗し、無限に闇を増殖させて応戦する。

「オラ!オラ!喰らえ!」

ダークはかろうじて動く。だが、弓月にはまるで通じない。

「闇なんて抱えてるやつはろくでもないわねっ!」

その一声とともに、圧倒的な力で支配されダークの巨体が吹き飛ばされた。

遥か彼方の空へと消え去り、地平線の向こうに消滅する。

校庭に静寂が戻る。

窓際で腕を組んでいた俺は小さく頷いた。

「……面白い能力だな。」

――その頃。

「い、いてて……」

遥か彼方へ吹き飛ばされ、土煙を上げながら地に叩きつけられたダークは、苦しげに呻いた。

だがその口元は、にやりと歪む。

「クソッタレ……よくもやりやがったな。必ず復讐してやる。俺の無限の闇の力……まだ見せてねぇんだからな……!」

地面に残る漆黒の染みが、じわりじわりと脈動する。

その気配は消えず、どこかで再び集まろうとしていた。


第二幕【天界の生物】


――場面は学校に戻る。

授業後、中庭のベンチで俺は七央と話していた。

「七央。さっきの化け物……あれは幻獣の類か?」

幻獣はこの世界では多くいる。ドラゴンなんかもかなり多くいる。さっきのダークも、その類かもしれん。だが、七央は首を傾げる。

「うーん……見たことないよ。あんな不気味なの。」

その会話に、不意に第三者の声が割り込んだ。

「私も初めて見たわ。」

凪海だった。腕を組み、険しい顔をしている。

「教師として多くの能力者や幻獣の記録を調べてきたけど、前例はない。あれは未知の存在よ。」

七央も神妙に頷く。

「やっぱりそうなんだ……」

だが、その時。

「――僕、知ってるよ。」

クラスメイトの一人、金髪で落ち着いた雰囲気の男子。真城(ましろ) 結弦(ゆずる)が歩み寄ってきた。

目立たない男だが、今は強い確信を帯びた声をしていた。

「結弦君?」

七央が驚いたように振り返る。

俺は無言で結弦を見つめ、すぐに異変に気づいた。

能力が見えない。

どんな生徒でも、その力の系統くらいは見抜けるはずだ。だが結弦からは何も感じない。

つまり、能力者ではない。前見た時は気付かなかった。

「実はね、昔の本で見たんだ。あれに似た存在を。幻獣じゃなくて……もっと別の。」

結弦は思い出そうと上を見上げて考える。

俺は低く呟いた。

「……天界からの使いかもしれんな。」

その言葉に、三人が同時に俺を見た。

七央は目を丸くし、驚いたように問いかける。

「天界なんて、本当にあるの?」

結弦は頷いた。

「僕はあると思うよ。」

凪海も口を開いた。

「ええ、存在する可能性は高いわ。人知を超えた記録はいくつもあるしね。この能力だってそうだし。」

俺はやっぱりという感じに顎に手を当てる。

……やはり、この世界では上位存在の認識が曖昧らしい。いくらチートの世界でも天界の境を越えるものは居ないようだ。

そして俺は天獣について言った。

「天界からの獣――天獣。奴らは概念すら崩し、戦うことができる。さっき、アイツは時が止まった世界で、動き続けていた。あれができるのは恐らく、天獣だけだ。」

その場の空気が、重く沈む。

「ヴィクトニケはそんなことよく知ってるねー!神話とか詳しいの?」

七央はそう聞く。

「あぁ、まぁな。」

天界人だなんて言ったら驚くだろう。それはまだ言わないようにした。

「気になるねー…ダーク!あんなに強そうなの初めて見たよ」

結弦は少し心躍らせている。

すると凪海が口を開く。

「貴方達、今日はもう遅いわ。早く帰りなさい。」

確かに時計はもう17時を回っていた。俺と七央と結弦は凪海に別れを告げ、解散した。ワープでゴッドシグナルの中へと帰る。

ゴッドシグナルの広間にて、俺は天井に邪印をかかげる。こうすることによって天界と交信することが出来る。電話のようなものだ。

「――ゼウス。応答しろ。」

そう言った瞬間。薄い空気を震わせ、雷鳴のような声が響く。

『ヴィクトニケ様ですか。久しぶりです。』

俺は単刀直入に問いただす。

「天獣を送り込んだのは、お前たち天界か?」

一瞬の沈黙のあと、ゼウスは低く答えた。

『否。ワシらの誰も知らぬことです。そのようなことはしておりませぬ。』

その言葉に俺は眉をひそめる。

天界には時が無い。ゆえに、後から振り返ろうとしても昔の出来事を追うことはできない。天界の誰がやったかなんて、特定するのも今からは無理だ。

でも、それでも、俺には確信があった。何かが動いている。間違いなく、天界の者がやったには違いない。

能力を発動させ、天界に生じた変動を視ようと試みる。

だが――視えない。完全に遮断されていた。きっと細工されているのだろう。

「……分かった。ゼウス、また連絡する。」

『分かりました…。』

俺は交信を切り、椅子に沈み込んだ。

天界から現世へ直接干渉はそうそうできないはず……俺がこちらに来れたのも、“世界を繋ぐゲート”を扱えるからだ。あの力は、天界の中でもごく限られた者しか持たない。もし天獣が放たれたとすれば……なぜだ? 狙いは俺か?だとすればなぜ俺を狙うのか…。地上を監視しろと命令してきたのは向こう側なのだがな。

俺は考えつつも今日は眠った。


第三幕【天界の秘密】


――翌朝

俺が学校に向かおうとワープゲートを開らこうとした瞬間、異変が起きた。

ビリリッ!

「……ッ!」

空間が、ねじ切られた。ゲートが遮断され、座標がつながらない。

その時、背筋に冷たいものが走った。

これはあの時の違和感と同じだ。

俺の脳裏に、ひとつの姿が蘇る。

過去に戦った者。漆黒の仮面をまとい、黒い仮面には赤色に浮かぶ笑顔の絵が描かれている。全てを嘲笑うような存在―― JOKER。

かつてこの俺を徹底的に追い詰め、撤退を余儀なくさせた唯一の相手だ。

奴の刃で刻まれた傷は、今も完全には癒えていない。

それはただの傷ではなく、能力使用に制限をかける“楔”たまに疼いて能力が上手く発動しないのだ。

「……面倒だな。」

仕方なく、己の足で向かう。

――と言っても、光速で走れば、わずか一秒もかからない。

ゴッと音が鳴ったかと思えばパァァァンと音が響いて俺の後ろにはとてつもない土煙が舞っていた。風圧で舞ってしまった瓦礫などは走ってる途中、《サリナム》で結果を直した。

デルゲ・セントラル学園の門前。

珍しく零矢が立っていた。酔いもなく、鋭い眼差しで生徒を迎えている。

「おはようございます。」

零矢がそう言うので俺は軽く頭を下げ、門をくぐろうとした。すると零矢は俺の肩に手を置く。

「…待ちなさい、ヴィクトニケ。」

零矢の声に俺は足を止める。

「少し来てくれないか。」

促されるままに俺と零矢は校長室の中へ入った。校長室の本棚を零矢はどかす。すると本棚の後ろから、かなり重そうな扉が姿を現す。

零矢は鍵を回し、重い扉を開く。

「ここを開くのも久しぶりだな……。」

その言葉と共に、部屋の本棚を押す。

ギギギ……と鈍い音を立て、本棚が動く。

現れたのは――地下へと続く、暗い階段だった。

「……ほう。」

俺は僅かに目を細める。

「こっちへ。」

零矢に導かれるまま階段を下りていく。

やがて広がった光景は――

校長室の裏に隠されていたとは思えぬほど広大な地下世界だった。

石造りの壁に天界文字が刻まれている。

「これは……。」

俺は思わず息を呑む。

零矢は振り返り、意味深な笑みを浮かべた。

「ここが、この学園の“本当の心臓部”だ。」

階段を降りた先にあったのは、ただの地下室ではなかった。

石壁一面に、天界文字の紋様が刻まれ、中央の祭壇には分厚い一冊の本が置かれている。

俺は見渡して、零矢が何を伝えたいのかすぐに理解した。

「俺が天界人なのを…知っていたのか。」

零矢は「うむ」と頷く。

「ハハハ…それくらいは分かるぞ、気配でな。そして天界人ならこれに興味を示すと思ったんだ。」

俺は真ん中の

「……これは、天界の歴史書か。」

祭壇上の本を俺は指差す。

零矢は静かに頷いた。

「そうだ。ここに刻まれたものは、表の世界では誰も知らない。」

胸に冷たいものが走る。

「……お前、天界に関わっているのか。」

思わず問いただした。

「どういうつもりだ?急にこんなものを見せて お前は誰だ?」

零矢に会ったのはこの学園が初めて――面識が無いので、俺の無限の記憶力の中にも当然、零矢の存在は知らない。少なくとも会ったことのある者ではない。天界の者のことなら大半は覚えているのだが…

だが零矢はあっさりと口を開いた。

「俺は……天界人の子だ。」

「……何?」

俺は眉をひそめた。

零矢から漂うのは確かに“人間”のオーラ。神性など一切感じられなかったからだ。

「嘘か……?」

心を覗き見る。だが、揺らぎはない。本当だ。

「……なるほど…そういうことか。」

つまり零矢は――人間と神のハーフ。

天界の掟では、神が他種族と子を成すのは禁忌。

俺も噂でしか聞いたことがなかった。だが今、目の前に実例がいる。

「親は誰だ?」

問い詰めると、零矢は苦笑した。

「……それは俺にも分からん。父は居るんだがな…母がどこに居るのか…俺は記憶を起源から消されたらしい。天界では育っていない。」

結果を再生することも不可能。完全に隠蔽されていた。

零矢は古びた本を持ち上げる。

「だが、俺はこの本だけを俺は昔から手にしていた。これで天界のことを知ったのだ。」

俺は問いただす。

「誰が書いた?」

「分からん。だが、ここに残っていた。」

「貸してみろ。」

俺は零矢から本を受け取り、ページをめくる。

表紙はほこりにまみれていた。本の起源を見ると作られてから60年。零矢の産まれた歳より少し前に作られたものだ。

「天界の物にしては最近作られたものだな。」

本を読み進めていくと、血が沸き立った。

そこには――俺の名が記されていた。

「……なるほど。俺についても書かれているか。」

60年前の物なら映ってるか…。俺は100万年前から生きてるしな。

さらに進めると、“JOKER”との戦いの記録まで鮮明に載っていた。

なぜ知っている……?あの時は俺と奴しか知らないはずだ。気付かない間に記録されていたのだな。

俺は静かに本を閉じ、祭壇に戻す。俺は零矢に伝えた。

「……用は済んだ。何か今回の騒動で分かったことがあればすぐに報せろ。」

「あぁ…分かった。」

零矢の言葉を背に、俺は校長室を後にした。


第四幕【銃の天才】


校長室を出ると、後ろから声をかけられる。

「ヴィクトニケ!また練習相手になってくれ。」

無羽飛が腕を組み、やる気満々で立っていた。

俺は目を細める。

……俺が練習相手になれるほど、対等でも無いとは思うがな…だが暇潰しにはなるか。と練習場へ向かおうとした、その時。

「ちょっと待って。」

クラスの隅から話を聞いていた結弦が歩み寄ってきた。

「僕も、無羽飛の戦いが終わったらヴィクトニケとやってみたいな。」

俺は少しだけ口角を上げる。

「もちろん、よかろう。」

後ろからは野郎がついてきて、結弦に肩を組んでいた。

「結弦〜!オレも見たい!いや、オレも混ぜてくれよ!」

……ふむ。ちょうど実力を見たかった。そういえば野郎に能力は扱えるのだろうか?

俺は特訓場へ移動しとうと、試しにワープを使った。

――今度は通じた。

……やはり今朝のは古傷の影響か。封じられる時もあるらしいな。

そう思いながらも、特訓場へと転移する。

待ち構えていた無羽飛が、勢いよく飛びかかってきた。

「いくぞォ、ヴィクトニケ!」

無羽飛の《シャッターショット》が迫る。だが俺はほんのわずかに視線を動かしただけで、その一撃は無効化され、強制力により逆に無羽飛は地面へ叩きつけられていた。

「ぐっ……! やはり、強い……!」

呻きながらも笑みを浮かべ、無羽飛は後ろへ退く。

「結弦。行っていいぞ…」

次は結弦の番だった。

俺は念のため彼の能力をまた見透かそうとした――だが、見えない。

……読めん。やはり無能力者のようだ。

そう思った矢先、結弦はゆっくりと手を差し出した。

取り出したのは――銃。

「ほう……リボルバーか。」

中々いい型だ。あれはマグナムリサーチのBFR.450マーリンだ。だが、弾の形状が見たことのないものだ。一応、リボルバーに対応はしてるようだが、どんな物かは分からない。

俺はバリアを展開しつつ、その形状を観察した。

油断は禁物だな……。

そう思った瞬間、轟音とともに銃弾が放たれた。

ガァン!!と発砲音が響く。

とりあえずは回避を――

だが次の瞬間、銃弾は俺が動く先に回り込み、心臓を貫いていた。

「……なに?」

先読みされていた。俺がこちらに避けるだろうと。結弦は予想していたのだ。

「予想は当たってたみたいだね。」

結弦が言う。そしてバリアは無傷。だが弾丸は俺の体を通り抜けている。

能力無効化の力を持つ弾……! それにしてもいきなり心臓を狙うか。容赦の無いやつめ。

もちろん心臓を撃ち抜かれた程度で俺が死ぬことはない。

「人間の身でここまで食らいついてくるとは中々凄いものだ。」

「君も人間でしょ?」

俺は掌を掲げ、灼熱の渦を展開する。

「地獄の風炎――《インフェルノ・ボルテックス》」

紅蓮の竜巻が結弦を包み込み、彼の身体は一瞬で燃えカスと化した。

「……ふむ…やはり耐えきれないか。」

指を鳴らし、《ターガル》で蘇生させる。

「イテテ…やっぱり凄いね!」

息を吹き返した結弦は、笑顔のままそう言った。

俺も軽く頷く。

「能力無しでここまでの実力……天界でも稀少だ。」

そのやりとりを見ていた無羽飛の瞳は、興奮で輝いていた。

一方――横で見ていた野郎は、首を傾げていた。

「え、なに?今の……全然分かんねぇ……」

野郎はなにが起きたかよく分かっていない様子だった。だが、すぐに野郎は拳を突き上げる。

「次はオレだな!」

――俺は知っている。

野郎は能力披露会でも勝ち進んでいた。

だが能力を使った様子は一度もない。いや、正確には無意識に使ってはいたのだ。

本人は使った自覚が無いのだ。

……奴は“解釈理解”という能力を持っている。それは相手の能力を理解できなければ、その瞬間に相手は即死する――最強格の初見殺し。失礼だが、バカだからこそ使える物だな。

野郎はただ殴りかかってくるばかり。

だが身体能力は異常に高い。俺の視界を揺らすほどの速度で、端へと追い詰めてきた。

「はっ!どうだァ!」

確かに力はある。だが……フィジカルでも俺は天界で負けたことはない。

俺は小指を軽く動かす。

その瞬間、野郎の身体は小指の動いた衝撃波で吹き飛ばされ、壁に叩きつけられていた。

「ぐわぁっ……!や、ヤベぇ……勝てねぇ……!いてぇし…」

呻きながらも笑っている。

俺はふと、机に向かって勉強している彼の姿を思い出す。

……努力家、だな。偉いことだ。

だが同時に思う。

もし勉強して色んなものが“解釈”できるようになれば……逆に、その能力は弱体化するだろうな。少し勿体ないと思いながらも俺は野郎に近づき、肩を叩いた。

「……修行と勉強を続けろ。俺も時々、教えてやる。」

野郎は照れ笑いしながら「マジかよ!」と喜んでいた。


第五幕【天界の影】


――天界。

広大な白銀の大地を、ゼウスが歩いていた。天獣の出現、その背後にある何者かの意図を探るため、神々の記録や禁じられた領域を自らの目で確かめていた。

「……天獣を解き放った者がいるとすれば、天界の外か、それとも……」

思案を巡らせながら、ふと背筋に冷たいものが走った。振り返る間もなく、鋭い痛みが背中を貫く。

「ぐぅおおっ…!」

血ではなく、光が飛び散った。ゼウスの肉体を構成する神の輝きが裂かれていく。

「何者だ……!」

ゼウスはその者に聞く。振り向いたその視界に映ったのは、黒く光る仮面。まるで存在そのものを呑み込むかのような虚無の気配を纏い、沈黙のまま立っていた。その仮面から放たれる圧力は、ゼウスすらも一瞬呼吸を奪われるほどだった。

「貴様……天界の者では……ないな……。」

ゼウスは確信した。だがその先の言葉は仮面の存在に掻き消されるように切り裂かれる。

「うおおっ!」

――その瞬間、遠く離れた下界で俺は眉をひそめる。心臓の奥に、不吉な波動が走ったのだ。

「……天界で、何が起こっている……?」

その呟きは誰にも聞こえない。だが俺の直感が告げていた。確実に自分に繋がる“影”が蠢いているのだと。

「天界を…調査するしかない…」

そう、俺の心に決めた。

その頃、学園でも、校長室。夜の景色を眺めながら零矢は酒瓶を傾け、仕事をしていた。誰もいない部屋で一人、心の奥のざわめきを隠すように。

「……この世界は、今後どうなるのだろうな……。」

零矢の声は夜に溶け、誰にも届かない。だが不安は確かに残響のように広がっていった。

さて、今回はヴィクトニケ以外のキャラの魅力も出たんじゃないでしょうか?無羽飛の意外と負けず嫌いなところや野郎のバカなんだけど強いみたいなの個人的に結構好きです!笑 あとは結弦ですかね!無能力だけど実力や才能だけでヴィクトニケに一撃当てられるというのは1話を見ていただいた時点でどれくらい凄いのか結構分かるんじゃないでしょうかね?それと今回からヴィクトニケの能力の一部を公開していきたいと思います!多いのでね…少しずつ出していきます!

《頂点の頂点》

あらゆる概念や意味は従うことが出来なくなる。

《不動の頂点》

あらゆることに覆ることのない絶対的な理をつける。

こんな感じですかね!これもまだほんの一部なんでこれからもどんどん能力を出していこうと思います!

次回は2025年12月14日に更新したいと思います!

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