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チート世界へ降りる

始めまして!スキーです!

この作品を開いてくださり、ありがとうございます!

バチバチに俺TUEEEE系なので主人公最強が好きな人は是非、読んでください!

第一幕【下界降臨】


俺の名前は――ヴィクトニケ・アレクレル。

俺は天界の世界の者で、昔から実力者だと言われて慕われてきた。そんな俺に今日は天界の上の者から命令が降りた。

『ヴィクトニケ。聞こえるか。』

脳に直接声が響く。

『あぁ、聞こえている。』

テレパシーで声が届いた。前には白いカーテンがあり、その向こうに声の主が居るのだが、直接会うことは出来ないので、こうやってテレパシーで声を拾っている。

『お前には今からチート能力が支配するという世界…地球の"デルゲ・セントラル"という場所でチート能力の世界を監視してきてくれ。』

そう命じられたが、実際は正直どうでもいい。だけど、せっかく呼ばれたんだ。多少は遊んでやろうじゃないか。

「面白そうだ…行ってくるとしよう。」

俺は天界とデルゲ・セントラルの空間を繋いだ。空間の穴を作り、その空間の中へと落ちた。しばらく空間内を落ちていくと白い光が俺の視界を奪った。目を開け、現れたのは広大な都市…と中世ヨーロッパ風の町が同時に前へ現れた。要するに異世界っぽい場所と現代の科学が混じった感じの場所だ。建物はビルなどがあるのに、路地裏からは剣を背負った冒険者が歩いてくるし、空では魔法の光弾が飛び交っている。ギルドもあるようだった。科学と異世界がごちゃ混ぜになった混沌の世界――デルゲ・セントラル。

そして俺が最初に足を踏み入れたのは、この世界でもっとも能力者が集まると言われている学び舎――デルゲ・セントラル学園だった。

調べたところによるとここが一番能力者が集まるらしい。ならここを監視すれば世界の秩序を握ったも同然だ。


第二幕【強制入学】


「まずは…入学式か…。」

だが、この世界のアイテム、スマホで調べてみると昨日入学式が終わっていたようだった。

「このままでは入れんな。」

まぁ、そんなの俺には関係ない。どうやら学生証内のコードが無いと入れないらしい。他の生徒は全員そうして入っていた。

「制服をまずは作るか。」

俺は他の男子生徒の着ていた服をコピーして着る。黒い服に金色の線が入っていて、ズボンはシンプルな白色となっていた。そして門の前に立ち、人差し指をスッと横になぞる。

その一振りで門は簡単に開いた。俺の人差し指は理屈を変えたり無効化する力を持つ。これは能力ではなく生まれながらに持つ才能だ。この世界も能力に頼ることなく、チートなのだろうか。とりあえず、門をくぐると目の前には大きな噴水があり、その後ろにはデカい校舎があった。

「楽しそうだ。」

――その時だった。

「やめてください!」

甲高い女子の声。

見ると、学園の校庭の片隅で女子が三人の不良に絡まれていた。不良は黒い制服を着崩し、手には刃物のような光る武器。俺の神眼で覗くとどうやら生命を破壊するという力を持つ武器のようだ。ただのナイフではない。

「なぁなぁ、ちょっと金貸してくんねぇ?」

「抵抗してもムダだ。今のオレたちは無敵なんだからよぉ!」

――カツアゲか。

俺はゆっくりと歩み寄り、ただ一瞥した。次の瞬間、不良の一人が絶叫した。

「ぎゃあああっ!?俺の、腕がぁああ!!」

左腕が肘から先ごと、ナイフもまるで初めから存在しなかったかのように消し飛んでいた。血もない。ただ"なかったこと"になった。

俺は鼻で笑う。

「ちょっと視線を向けただけだ。お前の腕は俺に見られただけで、起源から破壊されたんだ。」

女子は怯えて声を上げた。

「……ひ、ひど……!」

「安心しろ。遊んでやっただけだ。」

俺は軽く指を鳴らしながら呟く。

「《ターガル》。」

《ターガル》は回復や蘇生。あげくには転生すら可能にする能力だ。光が不良の肩口から溢れ、消えた腕がみるみる再生していく。皮膚も筋肉も元通り。

呆然としながら、不良は腕を握りしめる。

「お、俺の腕が……戻ってる……!」

俺は肩を竦めた。

「だから言っただろう。遊びだと。」

仲間たちに支えられながら、不良は震え声で吐き捨てる。

「く、くそっ……お、覚えてろよ……!」

不良は捨て台詞を残し、奴らは校庭から逃げ去った。

女子は俺に視線を向けたまま、震えていた。

「あなた……いったい……」

俺は口元だけで笑う。

「ただの新入生だ。ヴィクトニケって名前だ。覚えとけ。」

――こうして俺の学園生活が始まった。

もっとも、普通の学園生活になる気はしない。

教室に入ると、一部の人の視線が俺を迎えた。

学園の生徒たちが珍しいものを見るように俺を眺める。そりゃそうだ。入学式なんてすっ飛ばして、突然入ってきたのだ。誰だ?と警戒するのも無理は無いだろう。

窓際の席に腰を下ろす。椅子が少しきしんだが、気にせず腕を組んだ。

「さて、ここからどう動くか……」

俺は小さく呟き、周囲を観察する。能力者の巣窟――どんな連中が揃ってるのか、ちょっとした楽しみだ。

「よっ!お前、今日初めて見たな?」

急に隣の席から声がかかった。

隣を向くと、坊主頭で筋肉質、いかにも脳筋という顔つきの少年が満面の笑みを浮かべていた。

「オレは馬鹿野郎(うましか のろう)! よろしくな!」

……本当にそう名乗った。

思わず口角が上がる。

「馬鹿野郎、ね。親はいい名前をつけたな。」

こういう世界だ。特に不思議じゃないんだろう。

「ははは! よく言われる! でもオレは気にしてねぇ!」

それは馬鹿にされてるのではないか?でも、あっけらかんと笑うその様子は、逆に清々しい。

「で、お前は?」

「ヴィクトニケ。」

「ヴィクトニケか! なんか強そうな名前だな! オレたち仲良くなれそうだ!」

軽口を交わしたその時だった。

――ガラリ

教室の扉が開き、一人の女性が入ってきた。

長い茶髪を後ろでまとめ、白いブラウスにジャケット姿。外見だけ見れば凛とした教師だ。

「昨日も紹介しましたが、私は神上凪海(かみうえ なみ)です。今日からこのクラスの担任を務めます。」

その声が響いた瞬間、教室に漂う空気が変わった。

俺以外の生徒たちは一瞬で悟った。――この教師は『ハズレ』だ、と。

威圧感も、求心力もない。ただの人間のように見える。

「……」

彼女の瞳がわずかに揺れた。

そう、凪海は心を見透かす能力を持っていた。

教室中の心の声が彼女に届いている。

――『弱そう』

――『担任失敗だな』

――『このクラスじゃ持たない』

彼女は一瞬だけ笑顔を崩しかけ、それを必死に隠した。

『……わかってる。私はハズレだって。だけど、私なりに……守りたいんだ……』

心の中で呟く声が、俺にははっきりと聞こえた。

いや、正確には――俺が見た。

凪海の心どころかこの教室にいる全員の能力を。

机に肘をつきながら、俺は視線だけでクラスを見渡した。

馬鹿野郎の――《解釈理解》。

夢星(ゆめぼし) 七央(ななお)――《万物転生》。

波覇(ばは) 無羽飛(むうと)――《シャッターショット》。

アスガ・ヴィートル――《エンドクラッシュ》。

……やはり……全員、ただの能力者ではない……別世界から見ればチートと言ったところだ。

俺は、無意識に身震いしていた。

天界が俺をこの世界に呼び込んだ理由が、ほんの少しだけ理解できた気がした。


第三幕【異様な光景】


自己紹介が終わり、今日は初めてということでもう帰る時間のようだ。教室を出ると夕日が街を朱に染めていた。

デルゲ・セントラルの街並みは、不思議な光景だった。アスファルトの道路を、魔法使いがほうきで飛んで横切り、コンビニの横にはダンジョンへの入り口がぽっかり口を開けている。異世界と科学が混ざり合ったようなこの世界。俺はその混沌を眺めながら、少しだけ口元を緩めた。

「……悪くないな。」

そうして歩いていると、不意に耳障りな声がした。

「おい、あいつだ……!」

後ろを振り返ると、昼間に腕を吹き飛ばした不良が仲間を連れて立っていた。その中心に、背の高いリーダー格が立ちふさがる。

「よくも俺の子分を……転校生風情が調子に乗りやがって!」

リーダーの目がぎらつき、リーダーの手にブラックホールが出てくる。能力者特有の圧もあるが、俺にとっては蚊ほどのものだ。

「……くだらんな。」

俺は呟き、ふと考えた。

疑問だが……この世界で“殺気”を解放したらどうなるのだろうか?試してみるとしよう。

その好奇心が、心に火をつけた。

――瞬間。

俺の内に潜む殺意を解き放つ。

世界が悲鳴を上げた。

音もなく、空も大地も宇宙も――いや、無限に広がる多元宇宙そのものが、一瞬で砕け散った。

あらゆる法則が焼き切れ、無が広がる。

無論、不良共は喋る間も無く、ちりぎりになった。

俺は静かに息を吐く。

「……脆い世界だな。」

指先を軽く弾く。

「《サリナム》。」

"サリナム"結果や事象を操る能力だ。

次の瞬間、吹き飛んだ結果はなかったことになり、世界は何事もなかったかのように元に戻っていた。

夕日の街並みも、瓦礫一つ残さず再生している。

唯一不良達だけはなにが起こったか理解していた。不良たちは震えながら後ずさる。

「に、人間じゃねぇ……」

「勝てるわけがねぇ……!」

その恐怖の目を見て、俺は睨み返す。

「二度と俺に逆らうな。」

彼らは蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。

俺は再び街を歩きながら、心の底から湧き上がる感情を抑えられなかった。

「……楽しめそうだ。この世界は。」

科学と異世界が入り混じる舞台。力を誇示するチート達。

そして俺がその頂点に立つ――その構図は、悪くなかった。

夜が訪れる頃、俺は街の外れの草原に立っていた。

何もない草原に、俺は左手の指輪を掲げる。

「支配の指輪――邪印。開け。」

黒き光が広がり、虚空から巨大な影が降り立った。

城だ。天界の鉱石で築かれ、天空を突く尖塔を持つ漆黒の城塞。

その名は――ゴッドシグナル。

かつて俺が支配していた時代の城。その威容を、今ここに再び顕現させた。

「いい立地だ……悪くない。」

城門を開き、中の通路を進む。そして広間の玉座に腰を下ろす。

靴で地面をコツコツとする。漆黒の天井に反響する自分の足音を聞きながら、俺は薄く笑った。

「さぁ……明日からの学園生活とやら、楽しませてもらおうではないか。」

俺はベッドに入り、眠る。こうして、俺の初日の夜は更けていった。


第四幕【強者の証明】


――翌朝

デルゲ・セントラル学園の校門をくぐった俺は、いつものように無関心を装いながら歩いていた。

「おい、君。」

低く落ち着いた声が響く。振り返ると、整った顔立ちの少年が立っていた。紺色の髪でオールバックだ。眼鏡をしており、制服の胸元には生徒会長のバッジ。イーノル・コーラウド――この学園の頂点に立つ三年生だ。

「君の名前だが……学園の名簿に載っていない。」

冷ややかな視線。だがその奥には探るような光がある。

俺は一瞬黙り込み、すぐに肩を竦めた。

「いや、俺はちゃんと居る。」

右手の指先を軽く弾く。

「――《サリナム》。」

事実が書き換わる。気付けば名簿には確かに"ヴィクトニケ・アレクレル"の名が刻まれていた。

イーノルは見返し、目を細める。

「……見間違えだったようだ。」

そう言い残し、イーノルは踵を返した。

俺は小さく笑った。

この学校、やはり退屈はしなさそうだ。

教室に入ると、担任の神上凪海が勢いよくドアを開いた。

「今日は実戦よ。貴方たち一年生だけで能力披露会を開くわ。」

ざわめく教室。期待と緊張が入り混じった声があちこちから上がる。

「校庭で行います。直ちに校庭に集まるように。」

凪海先生の声と共に生徒達が立ち上がり、校庭へと歩く。校庭に移動すると、すでに舞台が設けられていた。その中央に立つのは校長――夢星零矢(ゆめぼし れいや)。長い白髪をしており、顔立ちはかなりいい。事実を覗くとどうやら48歳のようだった。そうには言えないが。

「今日はお前らに、能力を見せつける機会を与える。遠慮はいらん!存分に楽しめ!」

その言葉に会場がどよめいた。

俺は全員の能力をすでに見抜いていた。だから内心ではつまらないと思っていたが……同時に戦いそのものを観るのは悪くない。少しだけ胸が高鳴った。俺は披露会の戦闘場という所へ行くことにした。俺の番はまだなので観客席へと向かった。

観客席に腰を下ろした瞬間、後ろから誰かが声をかけてきた。

「ねぇ、実は校長先生……私のお父さんなの!」

振り向くと黒髮ショートヘアの少女、夢星七央(ゆめぼし ななお) という少女が照れくさそうに笑っていた。

「なるほど、名字が同じだと思った。」

七央はにこりと笑う。

「でしょ?」

七央はさらに俺に声をかける。

「ヴィクトニケ君、入学式の時、居なかったけど風邪だったの?」

違うが、ここで正式なルートを踏んでないと言うと面倒くさいので嘘を付くことにした。

「あぁ、そうだ。」

そう言うとやっぱりかーという顔をして俺の顔を見る。

「ヴィクトニケ君、面白いね!」

「そうか?」

そんな他愛ない会話をしていると、呼び出しの声が響く。

「次の試合――ヴィクトニケ・アレクレル、前へ!」

立ち上がる。対面に現れたのは、一人の女子。白い法衣を纏っている。鋭い瞳を持っており、敵対しているようだった。俺には子犬が上目遣いをしてきているような可愛いものにしか見えないが。

「私はナース・リゼル。お前のようなお調子者をここで叩き潰す。」

観客席がざわついた。

「ナースだ……!」

「三年生の間でも話題の強者が……!」

ナースは高圧的に笑い、手を掲げる。

「まずはお前の存在を支配する。」

次の瞬間、俺の体は動きを封じられた。ナースの能力は存在を操るという能力のようだ。チート世界と呼ばれるだけはある。存在そのものを縛られる感覚。確かに強力だ。

「ほう……やるな。」

俺は心の中で呟く。

「――《ゴロジナ》。」

ゴロジナは全てを否定し、破壊し、無力化する能力だ。

支配の力が霧散し、空気が震えた。ナースの目が見開かれる。

「な、何を……!」

俺は首を軽く動かし、口角を上げた。

「手加減してやろう。ここから動かないし、能力も使わない。」

会場に衝撃が走った。

「な、何を言ってるんだあいつ……!」

「能力を使わずに戦うだと……?」

ナースは苛立ち、両手を広げて畳みかける。

「舐めるなああッ!」

もう一度体が支配される感覚に陥る。その上、武器での怒涛の攻撃が襲いかかる。しかし――

俺は一歩も動かない。

ただ、眼に力を入れさせた。

「……終わりだ。」

眼から放たれた圧力が空気を裂き、ナースの体を吹き飛ばす。同時に会場の一角が木っ端微塵に砕け散った。

「なっ……!」

「嘘だろ……能力なしで……!?」

観客席が騒然となる。実力者と呼ばれる者がこのザマじゃな。

俺はゆっくり手を下ろし、淡々と呟いた。

「《ターガル》。」

次の瞬間、倒れていたナースの体が元に戻り、彼女は息を荒げながらも立ち上がった。

「……まだやるか?」

俺のその言葉にナースは震え、目を伏せた。

「……ムリ…だ…。」

完全な敗北宣言だった。

校庭を覆う沈黙。その中心で、俺だけが静かに微笑んでいた。

俺は観客席に戻る。七央の方を向くと七央は怯えたように顔を背けていた。七央だけではなく、全員が。その後も披露会は続いた。披露会が終わり、教室の扉を開けた瞬間、空気が凍りついた。

誰もが息を呑み、俺を視線で追う。

――無理もない。

能力を使わずにナースを倒した。あの場にいた全員にとって、俺はもう“未知の怪物”に映っているのだろう。

そんな中で。

「ヴィクトニケ! お前、すげーな!!」

真っ先に声を上げたのは野郎だった。子供みたいに目を輝かせて、机に身を乗り出してくる。

「見たぞ! 眼力だけでバーン!って!やべーよな!」

あまりの無邪気さに、思わず笑みが漏れる。

この状況で俺に臆せず話しかけるか……面白い奴だな。

「ただ、見ただけだぞ?遊びだ。」

「遊びであれかよ!? お前絶対やべー奴だろ!」

教室に張りつめていた緊張が、少しだけ和らいだ。チャイムが鳴り、全員が帰宅の準備をする。

――放課後

俺はいつものようにゴッドシグナルに戻ろうとする。すると背後から声がする。

「ねぇ、ヴィクトニケ君。」

振り向けば、七央が立っていた。

「ちょっと話せる?」

少し緊張した様子で話しかけてきた。

「構わない。」

歩きながら七央と話す。

「ヴィクトニケ君…凄く強かったんだね…恐ろしいくらい…。」

まだ緊張が解けていないようだった。

「怖がらせたか?」

俺が聞くと七央は首をふる。

「そんなことないよ!ただ…才能だよねって」

近くのベンチに座り、七央は俺の向かいに腰を下ろし、真剣な眼差しを向けてきた。

「この世界がこんなに能力者で溢れかえった理由……知ってるでしょ?」

「いや、知らないな。」

七央は一瞬驚いた顔をして話をする。

「自由神って呼ばれる存在がいるの。その神様がね、『能力を縛るな、自由に使え』って言ったの。だから世界中で能力が目覚め、人々が1000年前から強い能力を手にするようになったんだって。強いって言っても色んな分野があるけどね…私とか治癒系だし…強くはないよ。」

七央の能力は万物転生…なにかを転生させたり、回復させたりが出来る。本人は対して強くないようだ。

「なるほど……つまりは神がこの混沌を撒いた、か。」

自由神など天界では聞いたことがないがな。伝承か?

「そう。だから能力者同士の争いも絶えないし、この学園にもとんでもない人が集まるの。」

七央は少し声を落とし、笑顔を見せた。

「でも…すごく面白いよね!」

俺は街を眺めながら小さく頷いた。

「確かにな、異世界と現代が混ざったこの世界……面白い。」

七央は安心したように微笑み、話題を変える。

「そうだ、この世界の名物なんだけどね!見てこれ!」

七央が楽しそうに語り出す。街の菓子や、祭り、珍しい動物たち。

俺はその一つ一つに耳を傾けながら、奇妙な感覚を覚えていた。

――俺は、この世界に来て“使命”を背負った。

だが今は、それ以上に“楽しさ”を感じている。

夜の帳が下りる頃、俺と七央で談笑を続けながら帰る。やがて、分かれ道が見える。俺は右側に行く。

「ヴィクトニケ君はそっちなんだね!」

そう言いながら七央は左側へと行く。

「あぁ。」

七央は手を振る。

「じゃあね!また明日!」

七央は帰った。

その夜、ゴッドシグナルの玉座に腰をかけながら、俺は天井を見上げていた。

「……天界は今、何をしている。」

俺をこの世界に送り込んだ存在。やつらの真意は未だ掴めない。監視して何をしたいのやら。

「仲間たちは……どうしているのか。」

過去に共にいた者たちの顔が脳裏をよぎる。

考えても答えは出ない。俺は軽くため息をつき、まぶたを閉じた。

――明日に備えるしかない。


第五幕【空間の覇者】


――翌朝

学園の門をくぐると、妙に騒がしい声が校庭の方から響いてきた。

人だかりを抜けてみると、そこにあった光景は――

「……おいおい。」

デルゲ・セントラル学園の校長、夢星零矢が真昼間から大の字になって中庭のど真ん中で寝ていた。しかも酒瓶を握りしめたまま。

「校長先生!? またですか!」

「誰か校長室に運べー!」

他の教師たちが右往左往しながら零矢を抱え、ようやく建物の中へと連れ戻していく。その珍妙な騒動を眺めながら、俺は思わず小さく笑った。

「……自由すぎるな。」

教室に入ると、いつものように野郎が飛びついてきた。

「ヴィクトニケ! 聞けよ! オレ最近、かけ算を始めたんだ!」

「ほう……」

名前通り…と言えば失礼だが、成長するのは良いことだ。どうここの学園に入ったのか疑問に思ったが、考えないようにした。野郎は自慢そうに言う。

「九九、ちょっとだけ覚えたんだぞ! 一の段ならもう完璧だ!」

……不思議な奴だな。だが、面白い。

気まぐれに、俺は彼に勉強を教えようとノートを開いた。その瞬間――

「おい、ヴィクトニケ・アレクレル。」

低い声が割り込んできた。振り返れば、波覇無羽飛(ばは むうと)という少年が立っていた。片目に眼帯をしていて長めの黒髪を持ち、厨二めいたポーズで腕を組み、睨みつけてくる。

「お前、強いらしいな? ちょっと練習場で手合わせしてみないか。」

……授業まで、まだ時間はあるな…悪くない。俺は小さく息を吐き、机から立ち上がった。

「いいだろう。付き合ってやる。」

指先を軽く鳴らす。空間が歪み、視界が瞬時に切り替わった。

次の瞬間、俺と無羽飛は学園の特訓場へとワープしていた。

特訓場に立った瞬間、無羽飛の口元が吊り上がった。

「いくぞ……“シャッターショット”!」

《シャッターショット》は無羽飛の能力。空間を上書きし、最終的には存在が無くなる。恐ろしい技だ。ノーモーションで連続でしてくるのが強いと感じた。

視界が歪み、周囲の風景が書き換わっていく。教室、廊下、夜空――次々と背景が切り替わり、最後には俺の存在そのものを塗りつぶそうと迫ってきた。

「……ほう。」

俺は静かに目を細め、ただ一歩踏み出す。睨みを利かせた瞬間、無羽飛の呼吸が止まり、動きが硬直する。

「な、なんだ……この圧……!」

俺は一言呟く。

「――《オーラリム》。」

――能力や力を無効化したり制御したりする能力だ。これを使わなければ俺のオーラだけで無限多元宇宙など無限だろうがいくつあっても足りん。アウターバースもな。なんせ俺の殺気だけで無限多元宇宙は無くなってしまうのだからな。

無羽飛に放たれるのは抑えられた殺気。それでもその圧力は、恐怖を感じさせるもので無羽飛へ襲いかかった。

「っ……!」

無羽飛の顔色が青ざめる。歯を食いしばり、全身を震わせながらも踏みとどまるのがやっとだった。

やがて力を抜き、無羽飛は息を吐いた。

「今日は……負けだ。」

無羽飛は潔くそう告げると、肩を落とし、俺と並んで歩き出した。

「フッ、悪くない挑戦だった。無羽飛、期待してるぞ。」

「お、お前……やっぱり怪物だな。」

俺たちはそのまま教室へワープで戻った。

――面白い生活だ。

そう思いながら、俺は席へ腰を下ろした。

この作品を最後まで読んでくれてありがとうございます!

今回はかなり、ヴィクトニケの性格とか出せたんじゃ無いかなぁと思います!性格だけじゃなくて能力とかも、どれだけ強いのか結構表せたんじゃ無いかなぁって思います。

大体、週1で日曜の昼辺りに投稿していきますので応援よろしくお願いします!※たまに平日投稿もあるかもです!次回の投稿は12月7日です!

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