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もてもてヒロインに転生できたと思ったら「ざまぁ」されるヴィランでした  作者: 西園寺百合子


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7/50

7 親友にも嫌われてしまいそうで焦っています

聖 女 :フローラ・レイナ(白)

悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)

皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)

隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)

「それでね。アリシアったら、外国語もぺらぺらなのよ。きっと、諸外国の方とのやりとりなんかも、アリシアだったら完璧よね」

オスカーに誘われたお茶会に、アリシアと一緒に参加する。

「へえ。アリシアは外国語ができるんだ」

オスカーはそれなりに会話にのってくれる。


「そ、そんな…少し、話せる程度で…」

アリシアが恐縮している。

好きな人の前でおしゃべりできない子だとわかっていたけど、想像以上に話さない。

ほとんど、私とオスカーが話している。

「フローラは外国語はできないの?」

「できませんし、習うつもりもありませんわ」

不敬だとわかっていて、ばっさり切り捨てる。


「でも、フローラは聖女の力があるから。むしろ他の国のものがうちの国の言葉を覚えてこればいいよね」

オスカーがそう言って微笑む。

聖女の力って、そんなに強いの?

オスカーは無駄にかっこよくて、不覚にもキュンとしたあの日のことを思い出してしまった。

「ともかく、やっぱり、お嫁さんにするなら、アリシアみたいな女の子がいいと思うんです。そう思いませんか?オスカー様?」


こうやって尋ねたら「そうだね」と言うしかないだろう。

オスカーを見て微笑むと、オスカーも私を見て微笑む。

「そうだね」

ほら、そう言うしかない。

「アリシアを妻にできる人は幸せだろうけど、俺は聖女の力を持ってる子のほうが気になるかな」

そう言葉を続けられてしまった。

さあっと、血の気が引く。

なんてこと言うんだ、この皇太子。


「あ、わ、私、急用が…」

アリシアがそう言って、席を立つ。

「アリシア、待って…」

追いかけようとして、オスカーに手首を掴まれた。

「はなしてっ」

オスカーの手を振り払おうとしたけど、強く掴まれていてはなしてもらえない。


「君はアリシアと俺をくっつけたいみたいだけど、俺が好きなのは君だって、この間、伝えたよね?」

そう言われて、ぐっと息をのんだ。

たしかに言われたけど、それはストーリーの強制力で…とは言えない。

「ともかく今は、アリシアを追いかけさせてください…っていうか、あなたが追いかけてよっ!」

皇太子に対する言葉じゃないことは重々承知している。

ついでに、嫌いになってくれたら一石二鳥だ。


「俺が追いかける理由がないし、今はひとりにさせてあげたほうがいいんじゃないか?」

オスカーにそう言われて、なんだかイラっとした。

私の親友を、私より知ってる、みたいに言わないでほしい。

「…はっきり言うけど、私はあなたのこと、好きじゃないんです!私が好きなのは、ヴァン様なのっ!」

そう言うと、オスカーが私の手をはなした。


「ヴァン?…ヴァン・セドリックのこと?」

初めてみるオスカーの顔に、ぎょっとして固まった。

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