44 皇太子妃教育は私には会わないようです
聖 女 :フローラ・レイナ(白)
悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)
皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)
隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)
騎 士 :カイロ・レオン(桃)
賢 者 :ルーカス・ブレイド(橙)
宮廷医師:ジェラルド・クロウ(黄色)
講 師 :ドミニク・フェルナ(青)
オスカーの許嫁:イザベル・サンダー(なし)
クラスメイト:セリーナ・クロウ(なし)
「それにしても、ヴァン様ってずっと監視されていたんですね」
アリシアが「大変ですね」というと、ヴァンは苦い顔をした。
「うん。あれは、嘘」
オスカーがへらへらと笑っている。
「護衛はついてるけど、映像で残ってるわけないじゃん。怖いでしょ、それ」
オスカーがそう言って水晶を出した。
「これは、ヴァンに頼んで、1日だけ撮らせてもらったの。まさか、皇太子がそんな嘘つくと思わないでしょ」
そう言って、水晶をポイっと投げた。
うん、本当に撮ってると思っていましたよ。
「とりあえずこれで、平和だね~」
アリシアの素が漏れた。
「そうだね~」
私も隣で伸びをする。
どうなることかと思ったけど。
本当は、イザベルとセリーナを修道院送りにするつもりはなかった。
ただ、謝ってもらえばいいかなと思っていたんだけど、それだけでは示しがつかないということらしい。
そんなわけで、めでたく?私は皇太子妃に決定した。
内定をする場は荒れてしまったので、すっとばして決定。
3年から皇太子妃教育が始まった。
騎士科の訓練をしながら、皇太子妃教育を受ける。
礼儀作法なんかは、まあまあ頑張れるんだけど、どうも、座学は苦手だ。
もともと、勉強は得意じゃない。
外国語は多少できるけど、数字は得意じゃない…
「騎士科の授業への参加は、少し、控えられた方が…」
という小言を聞くのも得意じゃない。
体を動かしている方があってるんだけどな。
アリシアにそんな話をすると、笑われてしまった。
アリシアは隣国の皇太子妃になるけど、皇太子妃教育を一緒に受けている。
まだ3年で、アリシアは魔法科の授業に参加しなければいけないからだ。
皇太子妃教育の中でも、別々に受ける授業もあるけど、礼儀作法や外国語の勉強は共通だから一緒に受けることができた。
本当なら3年になったら王城に移り住む予定だったのだけど、学園にいる間は学園生活を満喫したいという我儘を聞いてもらって、引き続き寮に住んでいる。
騎士科の授業を終えて、部屋に戻ってコロンとベッドに横になった。
体動かした後、ダラダラするのがいい。
シャワーを浴びて着替えて部屋に戻ると、オスカーが沸いていた。
「オスカー様。何度もいいますが、ここは女子寮なんですよ」
もう慣れてしまって、たいして驚くこともなくなった。
「だって、せっかく婚約したのに、全然会えないんだもん」
そう言って、オスカーがキスしてくれる。
皇太子妃教育が始まって、スキンシップが多くなった気がする。
心臓がもたないから、やめていただきたい。




