42 決戦はパーティー会場です
聖 女 :フローラ・レイナ(白)
悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)
皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)
隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)
騎 士 :カイロ・レオン(桃)
賢 者 :ルーカス・ブレイド(橙)
宮廷医師:ジェラルド・クロウ(黄色)
講 師 :ドミニク・フェルナ(青)
オスカーの許嫁:イザベル・サンダー(なし)
クラスメイト:セリーナ・クロウ(なし)
オスカーが開催してくれたパーティーの日。
前回着たドレスがあるからいいと断ったのに、オスカーから新しいドレスと宝飾品をプレゼントされてしまった。
これ、税金で買ってるんだよね。
本当にやめてほしい…
とは言えないので、ありがたく着用させていただく。
やっぱり赤。赤、赤、赤。
すっかり、私も赤色が似合うようになってしまった。
そう思って、なんだかオスカーに似合うようになったと考えてしまったみたいで恥ずかしくなる。
「やあ。とても似合ってるね」
オスカーは相変わらず、女子寮だと言ってるのに、どうどうと部屋に入ってくる。
それにも慣れてしまったのだけど。
「ありがとうございます」
丁寧におじぎをして、オスカーにエスコートしてもらった。
決戦は、パーティー会場。
馬車の中でも、なんだか落ち着かない。
すると、オスカーが私の手をとって「大丈夫」と言った。
「君のことは、俺が守るからね」
そう言われて、やっぱりキュンとしてしまった。
パーティー会場に入ると、なぜかアリシアが床に座り込んでいる。
あれ?これ…何かで見たことがある…
ドッドッと心臓が激しく鼓動している。
これは、キミカナでアリシアが、ざまぁされるシーンだ。
どうして?
なんで、アリシアがざまぁされているの?
固まってしまっていた体を、なんとか動かしてアリシアのところに行く。
「どうしたの?…どういうこと?」
アリシアの前に立ちはだかる、イザベルとセリーナ。
私たちが、この2人をざまぁするはずだったのに、どうなってるの?
「可哀想に、フローラさん。アリシアさんにイジメられていたんですよね」
セリーナにそう言われて、眉間にシワを寄せる。
アリシアにイジメられたことは、1度だってない。
「なにを…」
そう言いかけて、セリーナは得意げに話し始めた。
「心配いりません。アリシアさんから報復されることなんてありませんから」
報復もなにも、そもそもイジメられていないんだってば。
「セリーナ嬢、私はアリシアにイジメられてなんていません」
はっきりと、大きな声でそう宣言した。
「あらあら。そう言う『お約束』なのかしら?ヴァン様とのことをなかったことにしてもらうために」
イザベルが私とセリーナのやり取りを聞いて、横から割り込んできた。
どうしてそういう解釈になるのか。
イザベルを見て、姿勢を正す。
アリシアみたいに綺麗に立てないけど、胸をはれば、それっぽく見えるはず。
だって私、一応、聖女だもん。




