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もてもてヒロインに転生できたと思ったら「ざまぁ」されるヴィランでした  作者: 西園寺百合子


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4/50

4 推しがかぶったかもとソワソワしています

聖 女 :フローラ・レイナ

悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ

皇太子 :オスカー・ヴァル

隣国の皇太子:ヴァン・セドリック

「気をつけてね。あ…ヴァン・セドリックです」


助けてもらったお礼がしたいからと、アリシアが無理矢理、ヴァンに名前を聞いてくれた。

出会いイベント、完了。

ヴァンが立ち去ると、その後ろ姿をアリシアがじっと見ていた。

もしかして…


「ヴァン、かっこいいよね。アリシアも、ヴァンのほうが好きになっちゃった?」

アリシアはキミカナてぃーをプレイしてない。

知らなかったら推しにはできない。

知ってしまった今は、どう思っているんだろう。


「……暗い」

アリシアがぽつりと一言そう言った。

「え~?フローラは、あんな暗いのが推しなの?」

私にはわからないといった感じで、アリシアに言われてしまった。

「同じ皇太子でも、オスカー様は太陽。ヴァン様は…月…より暗い」

アリシアが言葉を選んで選んで、そう言った。


ヒドイ言われようだと思うけど。

オスカーはたしかに、底抜けに明るい。

私からすればチャライと感じるところもあるけど、カッコいいから許してしまう。

対して、ヴァンは口数も少なくて、何を考えているかわからないという印象。

そこが素敵なんだけど。

たぶん、お姉さま系美人のアリシアの恋人という設定で作られたから、大人っぽいキャラクターにされたんだろう。


なにはともあれ、推しがかぶらなくてよかった。

だって、ここはキミカナてぃーの世界。

アリシアがヴァンのほうがいいと言ったら、私は身をひかなくてはいけなくなるだろう。

そういう、ストーリーだもん。

それに、アリシアは私の友達だから、恋は応援してあげたい。

でも、ざまぁだけは、回避してもらえるようにお願いはしたい…


イベントクリアのため、お昼ご飯は食べ逃してしまったけど、午後の授業をサボることはできない。

「寮に帰ったら、お茶にしましょう」と約束をして、教室に戻ることにした。

きゅるきゅると鳴るお腹を抱えて、つまらない授業を受ける。

ちらっと、アリシアを見た。

とても、私と同じようにお腹が空いているとは思えない。

シャンとして、綺麗。

ヴァンの隣に並んだら、とてもお似合いだろうな。


アリシアは、オスカーともヴァンとも、お似合いだ。

やっぱり、アリシアが本当の主人公だからなんだろう。

羨ましい。

ヴァンと恋人になりたいなら、私もあんな風にシャンとできるようにならないといけないかも。

そう思って、座りなおしてみた。

でも、1分ともたない。

そもそも、勉強は好きなほうじゃない。

早く終わらないかなと、窓の外を見ていた。

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