36 騎士科で順調に経験を積んでいます
聖 女 :フローラ・レイナ(白)
悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)
皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)
隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)
騎 士 :カイロ・レオン(桃)
賢 者 :ルーカス・ブレイド(橙)
宮廷医師:ジェラルド・クロウ(黄色)
講 師 :ドミニク・フェルナ(青)
オスカーの許嫁:イザベル・サンダー(なし)
クラスメイト:セリーナ・クロウ(なし)
「たぁっ!!」
だいぶ、騎士科の訓練に体が慣れてきた。
とはいえ、すべての訓練が終わるとぐったりなんだけど。
当然、オスカーも訓練に参加している。
イザベルは、なんだかんだサボってるみたいだけど…
「フローラ嬢は体力はありませんが、動きがいいですね」
先生にそう褒められて、まんざらでもない。
体力が上がったことで、クエストも効率よくこなせるようになったし。
キミカナでは主人公はクエストのほかに、勉強とエステをすることでレベルを上げる。
このエステでお金がかかるので、クエストはこまめに参加しなくてはいけない。
本来、キミカナTの主人公はアリシアだから私がやる必要はないのだろうけど。
クエストにも参加しているから、勉強とエステでのレベル上げも1年の頃から続けている。
おかげで、私もアリシアもそこそこのレベルになってる。
何が起こるかわからないから、レベル上げは必須だ。
「ああ、また傷ができてるじゃないか…だから、君のサボればよかったんだ」
オスカーが私の手を見て嘆いている。
「大丈夫ですよ、これくらい自分で治せますから」
一応、聖女ですからね。
ちょっとくらいの傷なら、自分で治すことができる。
「オスカー様は、剣術もお得意だったんですね」
ゲームではオスカーは魔法科だったから、剣術は苦手なのかと思っていた。
でも、どうやら、剣術は得意だから魔法科に進んでいた、というのが正解だったようだ。
「こう見えて、皇太子だからね。自分を守るくらいはできるように訓練されているよ」
オスカーに言われて、確かにと思った。
それにしても、イザベルが何もしてこないのが逆に怖い。
もうすぐ、パーティーの時期だ。
そこで、皇太子の婚約者、つまりオスカーの婚約者が内定する。
内定したら、よっぽどのことがない限りはそのまま皇太子妃になるのだ。
もし私がイザベルなら、パーティーの前に私をどうにかしようとするだろう。
…あ、私が悪役みたい。
って、私、この世界ではヴィランだっけ。
特に何もないまま、パーティーの日が近づいてきた。
今回はオスカーからの申し出を素直に受け入れて、エスコートしてもらうことにした。
アリシアは、もちろんヴァンと。
「イザベル・サンダーさんからは、何も言われなかった?」
アリシアが気にしてくれたけど、本当におかしなくらい何もなかった。
アリシアもセリーナから、特に何もされていないらしい。
不安だったけど、アリシアは幸せそうだったから、変に不安をさせたくなくて黙っておくことにした。




