25 波乱の幕開けです
聖 女 :フローラ・レイナ(白)
悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)
皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)
隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)
騎 士 :カイロ・レオン(桃)
賢 者 :ルーカス・ブレイド(橙)
宮廷医師:ジェラルド・クロウ(黄色)
講 師 :ドミニク・フェルナ(青)
オスカーの許嫁:イザベル・サンダー(なし)
翌日、アリシアに現状報告。
「…というわけで、無事に恋人になりました」
心配をかけていたアリシアに1番に報告…のはずが。
なぜか、ヴァンがいる。
別のクラスだったはずでは?
「オスカー様の取り計らいで、一緒のクラスになれたんです」
ああ、職権乱用ね。
もう、驚かない。
「…その、フローラ嬢には、大変失礼なことばかり言ってすまなかった」
ヴァンに謝られて恐縮する。
「そもそも、イジメられてないんだもん。ヴァン様がフローラを嫌いになる理由がないわ」
アリシアがヴァンとイチャイチャしている。
「あ、あの…よかったら、席、代わりましょうか?」
アリシアの隣に座っていた人が、ヴァンに話しかけている。
ヴァンがぜひと言って、席を代わってもらっていた。
この2人、まじでラブラブだな。
「あの、フローラさん。次の授業なんだけど、この本がいるらしいよ」
「え?あ、ありがとう…持ってきたかな」
モブさんに話しかけられて、慌てて本を探す。
…ん?
モブさんに、話しかけられた。
なにゆえ?
今まで、一定の距離を保って近づいてこなかったモブさんに、気軽に話しかけられている。
私だけじゃなくて、アリシアも。
どういうこと?
…もしかして、ストーリーがキミカナTから大きく逸脱したからかしら?
私とオスカーが恋人になっても、アリシアとヴァンはざまぁしない。
そもそも、私がアリシアをイジメていないというところから、ストーリーは変わってきているはず。
もう、原形を留めていないもんね。
原作にはもうしわけないけど、みんな幸せになれているから許してほしい。
そこへ、オスカーが教室に入ってきた。
なんだか顔色が悪い気がする。
「どうしたの?…なにかあった?」
元気なだけが取り柄のオスカーが困った顔をしていた。
「うん…実は」
オスカーが話始めようとしたところで、先生が入ってくる。
慌てて各々、席に着いた。
「え~、今日は転校生を紹介します」
そう言って、教室のドアが開く。
ん、そう来たか。
「みなさま、こんにちわ。イザベル・サンダーでございます」
イザベルがオスカーを見て微笑む。
これは、波乱が起きそうだ。




