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もてもてヒロインに転生できたと思ったら「ざまぁ」されるヴィランでした  作者: 西園寺百合子


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21/50

21 放課後に騎士とおしゃべりをします

聖 女 :フローラ・レイナ(白)

悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)

皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)

隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)


騎 士 :カイロ・レオン(桃)

賢 者 :ルーカス・ブレイド(橙)

宮廷医師:ジェラルド・クロウ(黄色)

講 師 :ドミニク・フェルナ(青)

オスカーの許嫁:イザベル・サンダー(なし)

「ん~…泣いた!」

ベッドの上で伸びをする。

泣き活というのがあったけど、あれだ。

思いきり泣いたら、すっきりした。


ちょっと引きずるところはあるけど、予定通り、オスカーに嫌われることができた。

『もう、ちょっかいは出さない』と言われたけど、同じクラスなんだよな…

とはいえ、ここで休んだら、オスカーに特別な感情を抱いている、みたいになってしまうかもしれない。

しかたなく、学園に行くことにした。


「フローラ!大丈夫?体調、崩してたんでしょ?」

アリシアが心配そうに近づいてきた。

「うん…ごめんね」

相変わらず、一定の距離を保つモブたち。

そして、一定の距離を保ってくれているオスカー。


「てっきり、フローラが来たら話しかけてくると思ったのに。こっちを見もしないね」

アリシアがオスカーを見てそう言った。

「…イザベル様とラブラブなのよ。他の女性と仲良くしてたら嫌でしょ、ヴァン様が」

そう言うと、アリシアは納得したようだった。


休み時間になると、アリシアはヴァンのところに行ってしまう。

モブは少し離れたところで、私の噂話をするけど、決して話しかけてこようとしない。

全部聞こえているから、話しかけてくれればいいのに。

ちょっと寂しいから、ぜひ話しかけて。


そう思っていてつい、オスカーを見てしまう。

おもえば、私に話しかけてくれるのって、このクラスではアリシアとオスカーだけだったもんね。

オスカーはクラスの女子に囲まれて、なんかヘラヘラしている。

ヘラヘラしてんじゃないよ、と心の中で突っ込んで、自己嫌悪。

不愛想なよりいいよね、うん。


やることもないから、ぼんやりと窓の外を眺めた。

ひっそり学園生活を送る作戦、うまくいってるじゃん。

このまま、こうやって生活するのもいいかも。


そう思いながら放課後、校舎の裏のお庭に足を伸ばす。

特に用事があったわけじゃない。

図書館ではアリシアとヴァンがイチャイチャしている。

まだ寮には帰りたくなくて、なんとなくここに足が向いたのだ。


木の幹に座って、ぼんやりする。

この世界には、テレビもゲームもない。

本でも読んでみようかな…あ、図書館はラブラブ中だっけ。

「ふぅっ」と息を吐くと「あれ?」っと声がした。


「ああ…カイロ様。護衛の仕事は休憩中ですか?」

そう尋ねると、カイロが頭を掻いて「え、ええ…まあ、そんなところで」と言った。

煮え切らない男だ。


「フローラ様は、何をしているんですか?」

カイロが立っていようか座ろうか悩んでいる。

「私の特等席の隣を、譲ってあげますわ。どうぞ」

そう言って、ぱんぱんと地面を叩いた。


「あ…いえいえ。特等席の隣なんて申し訳ないので…俺は…ここで」

そう言って、カイロは少し離れたところに座る。

本当に煮え切らない男だ。

「特に、何もしていません。ぼんやりしていただけです」


「そ、そういえば…学園をお辞めになりたがっていると風の噂で聞いたのですが。何かあったんですか?」

カイロがしどろもどろになっている。

女性と話すのが苦手なんだろうか。

「ひっそり暮らしたいと思ったんです。それに、レベル99も目指したくて」

「レベル99?って何ですか?」

カイロが首を傾げる。


そっか。

レベルなんて、キャラクターにはわからないことだよね。

「えっと、強くなりたいなと思って」

そう言い直した。

「ひっそり暮らして、強くなりたかったんですか?」

カイロは騎士だから、強くなりたいという言葉に興味に思ったのかもしれない。


「そうです。…私、この世界で大切なものができて。それを守れるように、強くなろうと思ったんです」

おしゃべりできる人が少なかったからか、言わなくていいことを言ってしまった。

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