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もてもてヒロインに転生できたと思ったら「ざまぁ」されるヴィランでした  作者: 西園寺百合子


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19/50

19 レベル99を目指すことにします

聖 女 :フローラ・レイナ(白)

悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)

皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)

隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)


オスカーの許嫁:イザベル・サンダー(なし)

「フローラ!あの、イザベルって誰?あれも、キミカナてぃーに出てくるの?」

アリシアが怒っている。

「キミカナでオスカーの許嫁って言葉だけ出てきたでしょ。たぶん、イザベル様がその許嫁」

私がそう言うと「そんなこと言ってたね」とアリシアが記憶をたどっているようだった。


「それより、噴水デート、どうだった?」

私のことはどうでもいい。

アリシアとヴァンがどうなっているかのほうが気になる。

「え?…えぇっとぉ…ヴァン様がね…」

アリシアが恥ずかしそうに噴水デートであったことを教えてくれた。

ゲームをプレイしてるから、知ってるんだけどね。


噴水デートは、ただスチルが綺麗なラブラブイベントだ。

ヴァンは自分のことについてアリシアに話そうとするけど、話せない。

でも、必ずいつか話すから信じてほしいと言って、キスをするというストーリーだ。

「…で、き、キスを…きゃ~!!!」

アリシアが顔を真っ赤にして照れている。

うん、知ってる。


アリシアとヴァンは順調そうだし、オスカーは許嫁と会えたし。

私は教会へ、学園をやめたいという手紙を出したし。

ドレスやネックレスは、オスカーに返したし。

…ひっそり作戦を実行していかないと。


「あのね、アリシア。お願いがあるの」

ここからは、アリシアを上手に騙していかなくてはいけない。

親友に嘘をつくのは辛いけど、これもアリシアのため。

そして、私のため。


「実は、やっぱり私、オスカー様のことが好きになれそうにないの。その…許嫁もいるし。そういう人がいるのに他に好きな人がいるとか、ちょっと無理っていうか…」

許嫁と合わせたのは私だけどね。

「だから、オスカー様と距離をおきたいと思っていて。もしかしたら、学園を辞めることになっちゃうかも」

私がそう言うと、アリシアがポロポロと泣き始めた。

ぎょっとする。

この子は、すぐに泣くんだから。


「学園、辞めちゃうの?…私、フローラと、お友達でいたいのに…」

ポロポロと綺麗な涙を落としながら、辞めないでとアリシアが言ってくれる。

可愛いけど、ここで折れてはいけない。

「ごめんなさい。私、どうしてもオスカー様とは。でもね、けっして、オスカー様と敵対したいわけじゃないの。アリシアもそうでしょう?」

泣き崩れるアリシアの手を取って、ゆっくりと話す。

もともと、アリシアの推しはオスカーだもん。

アリシアがオスカーとケンカしたいと思ってるはずはない。


「それは、もちろん」

アリシアがそう言って、涙を拭う。

「だからね。オスカー様とイザベル様が恋人になったら、アリシアとヴァン様ともお友達になってほしいと思っているの」

遠回しに、ざまぁしないでとお願いする。


「フローラはどうするの?」

「教会に戻って、聖女の仕事をまっとうするわ。魔物を倒して、倒して、レベル99を目指すつもり」

レベル99は言い過ぎだけど、レベル上げはしようかなと思っている。

「…そうなんだ。私も、教会に遊びに行ってもいい?」

私の意志が強いことが伝わったのか、アリシアがそう尋ねた。

「もちろん。アリシアは、私の親友だもん」


根回しは完了した。

あとは、教会からの返事を待つのみだ。

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