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もてもてヒロインに転生できたと思ったら「ざまぁ」されるヴィランでした  作者: 西園寺百合子


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16/50

16 邪魔者はお先に失礼しようと思います

聖 女 :フローラ・レイナ(白)

悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)

皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)

隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)

きらびやかな会場。

たくさんの人。

ここ、王室の人がくる場所だ。


皇太子が王室の人がくる場所にいるのはわかる。

でも、なぜ私もここにいるの?

ん?…なんか、見覚えがある。

ここ、スチルじゃなかったっけ。

キミカナ…のほう??


オスカーが、私の手を取る。

オスカーと色合わせの衣装…

ふわっと、キミカナのスチルを思い出した。

私、告白されるんだ、ここで。

それで、婚約者になっちゃうんだ。

なんとか阻止しないと。

どうしよう……


そう思っていたけど。

「今日は先生もいないパーティーです。皆さん、無礼講で楽しみましょう」

オスカーは挨拶だけをして、パーティーが始まった。

私を見たオスカーがニッコリ笑う。

「君が嫌がることはしないから。もう少し、我慢してあげる」

そう言われて、キュンとした。

やばい…これは、好きになっちゃうじゃん。


アリシアが近づいてきて、オスカーに挨拶する。

「フローラ!すごい!!キミカナの、オスカールートのスチルだよね!!生で、リアルで見られるなんて!」

アリシアが興奮している。

やっぱりそうか。

キミカナでは、パーティーが始まるまでに1番好感度が高かったキャラクターからパーティーのパートナーを申し込まれる。

そして、ドレスもプレゼントしてもらって、一緒にパーティーに行くんだ。

私も見覚えがあったけど、キミカナてぃーではここはバッサリ飛ばされていたから…


「アリシア、ヴァン様は?」

アリシアの隣にいつもくっついているヴァンがいない。

「あ…お友達に挨拶に行かれるって…」

「すぐ、ヴァン様を噴水にお誘いして!」

アリシアがのんびりしているので、そう小声で伝えた。


キミカナてぃーではオスカーとフローラのスチルがない代わりに、アリシアとヴァンのイベントが発生する。

もちろん、素敵なスチルも。

「え?何が起きるの?なに??」

アリシアが顔を真っ赤にして聞いてきた。

「それは、実際に体験してきて。大丈夫だから」

そう言って送り出した。


そう、大丈夫。

この世界は、アリシアを絶対に幸せにしてくれるんだから。


もちろん、オスカーにも幸せになってもらわないといけない。

この世界がキミカナを軸にしているのなら、フローラとオスカーが恋人にならなかった場合も、キミカナと同じになるはず。

フローラがオスカールート以外でストーリーを終えると、オスカーには許嫁がいたことが発覚する。


オスカー以外の誰かと恋人になれたときは、各キャラクターからお祝いの言葉がもらえるんだけど、オスカーからの言葉は複雑な気分になるものだった。

『君はとても素敵な女性だけど、俺にはもっと大切な人がいるってわかったんだ。君も幸せにね』

といって、告白したわけでもないのに別れを告げられるのだ。


許嫁と再会したのが、たしかこのパーティーだったはず。

私はこっそり帰ったほうがいいだろう。

エスコートもしてもらっておいて挨拶もしないで帰るなんて不敬だろうが、いまさらだ。


そっと、赤い石のついてネックレスを撫でる。

「これも、返さないといけないわね」

そう呟いて、馬車のある場所へ向かった。

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