13 パートナーを探させていただきます
聖 女 :フローラ・レイナ(白)
悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)
皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)
隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)
騎 士 :カイロ・レオン(桃)
賢 者 :ルーカス・ブレイド(橙)
宮廷医師:ジェラルド・クロウ(黄色)
講 師 :ドミニク・フェルナ(青)
どうにかしないと。
オスカーがパーティーで私のパートナーなんかになったら。
多くの人が、私たちが付き合っていると勘違いするかもしれない。
外堀を固められそうで怖い。
こうなったら、嘘を本当にするしかない。
アリシアにヴァン以外の攻略対象と接触するか確認して、ヴァン以外に興味はないと確認できた。
男性キャラクターを攻略をして、パートナーの相手をゲットするしかない。
騎士のカイロ・レオン、賢者のルーカス・ブレイド、宮廷医師のジェラルド・クロウ、講師のドミニク・フェルナがいるけど。
一番身近なのは講師のドミニク。
でも、聖女である私が攻略するなら、キミカナの攻略対象の3人から選んだほうがいいだろう。
宮廷医師と賢者は王城に行かないと会えない。
そうなると、オスカーの護衛も務めている騎士のカイロ・レオンがいいだろう。
カイロとの出会いのイベントは、学校の庭園で木に登っていて、落ちそうになったのを助けられるというものだったはず。
キミカナTで、私が出会えるかどうかわからないけど。
それに、この出会いイベントは入学してすぐのイベントだから、今の時期ではもう発生しないかもしれないけど。
賭けるしかない。
思い立ったが吉日で、学校の庭園で木に登ってみる。
意外とするすると登れた。
木の上で足をプラプラさせる。
ここから落ちて、誰も助けてくれなかったら怪我くらいするのかな。
そうしたら、パーティーに行かなくていいから、それはそれでいいか。
足を思い切り振って、そのまま、落ちる。
「危ない!!」
この声はカイロ。
よかった、出会いイベントは有効だったみたい。
ぽすっと誰かに抱えられた。
「大丈夫か?」
見上げて、少し驚いた。
これが、カイロか。
プレイしていたときは、ピンク色の髪の男子ってどうなの?って思ってたけど。
さすが乙女ゲーム。
かっこいい。
それに、騎士というだけあって、体格もいい。
「ありがとうございます…助かりました」
助けてもらえることはわかっていたけど、やっぱり嬉しい。
「助けていただいたお礼に、お茶をごちそうさせてくださいませんか?」
聖女スマイル。
キミカナTではヴィランだけど、キミカナでは正真正銘ヒロインだったんだもん。
「それ、俺も行きたい」
「どうぞどうぞ、ってぇぇえっ゛!!」
突然、オスカーが沸いてきた。
カイロもびっくりしている。
そうだ、カイロはオスカーの護衛でもあるんだ。
「カイロは、フローラをおろそうか」
オスカーに言われて、カイロが私をおろしてくれた。
たくましい筋肉。
「すごい…鍛えていらっしゃるんですね」
カイロの腕を触らせてもらおうとして「俺も鍛えているよ」と腕を見せられた。
たしかに、鍛えているようだ。
…じゃなくて。
「あの…ちょっとカイロ様と話をしたいのですが…2人にしていただいていいですか?」
オスカーには悪いけど、パートナーを探さなければいけないから、オスカーにかまっている暇はない。
「いや、俺は…皇太子の護衛をしないといけないんで」
「護衛、いつ終わりますか?」
カイロにも悪いけど、パートナー候補を逃すわけにいかない。




