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もてもてヒロインに転生できたと思ったら「ざまぁ」されるヴィランでした  作者: 西園寺百合子


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10/50

10 私が幸せにすると新たに決意します

聖 女 :フローラ・レイナ(白)

悪役令嬢:アリシア・ヴァレリ(黒)

皇太子 :オスカー・ヴァル(赤)

隣国の皇太子:ヴァン・セドリック(紫)

「そっか。好きになっちゃったんだ」

人を好きになるのって不思議だ。

好きになろうと思って好きになるわけじゃない。

好きになっちゃいけないと思っても、好きになっちゃうこともある。


「じゃあ、ヴァン様とお付き合いするの?」

どこかで、こうなることを予想していたから気持ちは落ち着いている。

「…どうしたらいいんだろう」

アリシアがそう呟いて、ポロポロと涙をこぼした。


アリシアの手をとる。

「言ったでしょ。この世界であなたは主人公なの。あなたがやりたいようにすればいいと思うわ」

「フローラ。私がヴァン様と恋人になっても、友達でいてくれる?」

アリシアが潤んだ瞳で私を見る。

本当に可愛い。

悪役令嬢でありながら、続編では主人公になっちゃうくらいだもん。

可愛くないわけがない。


「もちろんだわ。私がお願いしたいくらい。…そして、私を処刑しないで」

「もちろん」

2人で力強く手を握る。

「ヴァン様とお付き合いをすることになっても、フローラをざまぁすることなんてないわ」

それだけ約束してもらえれば、それでいい。

もともと、ヴァン様のことは諦めていたし…あんなに嫌われていては望みは無い。

なによりアリシアが幸せになれるなら、もう望むことはない。


アリシアに笑顔が戻って「ヴァン様にお応えしてきます」と嬉しそうに小走りで校舎に戻っていった。

さすが、主人公。

キラキラとして可愛い。

これで私とオスカーが恋人になると、アリシアとヴァンと敵対することになるかもしれない。

それだけは避けなければ。


アリシアと敵対したくないというのもあるけど…。

そうなったら、オスカーもざまぁされるということだ。

キミカナてぃーのストーリー。

私が修道院に行ったときも処刑されたときも、オスカーは廃太子となっていた。

私なんかと恋人にならなければ、オスカーは皇太子のままでいられる。


アリシアだけじゃなく、ヴァンにもオスカーにも幸せになってほしい。

だから私は、オスカーと恋人にはならない。

これは、私だけの決意だ。

アリシアに伝えたらきっと、自分を責めるだろうから。


ここまできたら、3人とも私が幸せにしてやるんだから!

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