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もてもてヒロインに転生できたと思ったら「ざまぁ」されるヴィランでした  作者: 西園寺百合子


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1 異世界転生先は乙女ゲームのヒロインです

人生は何が起こるかわからない。

普通の人生を歩んできた私は、きっと100歳くらいまで生きるんだろうなと思っていた。

それなのに、20代の若さで交通事故にあって死んでしまいました。


そして、なんと!

乙女ゲームに転生。

死んじゃったのは残念だけど、転生先の乙女ゲームがなんと!

『君と奏でる未来』、略してキミカナ!


魔法や魔物がある世界のお話で、異世界からやってきた聖女が、学園に通って、恋をして、悪役令嬢からの嫌がらせを乗り越える。

クエストやミニゲームをこなしながら、ゲームをクリアするというよくあるゲームなわけだけど。

皇太子や騎士、賢者に宮廷医師などのルートがあって、どのストーリーもよいと人気のゲームだ。

私は断然、皇太子派だったのだけれど。

そんなゲームに転生できてしまった。

しかも、異世界からやってきた聖女 フローラ・レイナ、ヒロインとして。

神様、ありがとう!


そして今、私は学園に向かう馬車に乗っている。

教会に身柄をあずけられていた私は、今日から学園の寮で暮らす。

そして、もてもての逆ハーレム状態に。

これから始まる学園生活にワクワクしながら、鼻歌なんか歌っちゃいながら馬車から景色を眺める。

素敵な景色。

これから、始まる私が主人公の物語。


ニコニコで窓の外を見ていて、固まる。

「ん?」

思わず、声が漏れた。

紫色の髪の毛、紫色の瞳、さらに全身、紫色でコーディネートされているキャラクターが歩いていた。

あきらかに、主要キャラクターだ。


キミカナに出てくるキャラクターは、それぞれイメージカラーがある。

聖女は白。

皇太子は赤で、騎士はピンク。

賢者はオレンジで、宮廷医師は黄色。

なんとなく、暖色系。


紫色は、キミカナのキャラクターにはいない。

紫色のキャラクターが出てくるのは、キミカナてぃーだ。

キミカナT、つまり、『君と奏でる未来~truth~」。


キミカナTは、キミカナから5年後にリリースしたキミカナの続編なのだけど。

それは、キミカナの内容を180度変えるものだった。

実は、真の悪役は聖女のほうだったという内容。

皇太子と聖女が悪役令嬢を追放しようとして、悪役令嬢が隣国の皇太子と恋に落ちる。

そして、皇太子と聖女は、ざまぁされるという内容だ。

隣国の皇太子以外のルートでも、聖女はだいたい、ひどい目にあう。


私が転生したのは、この、キミカナてぃーのようだ。

紫色のキャラクターは、隣国の皇太子…

がっくりとうなだれる。


さようなら、もてもて学園生活。

私はこれから、悪役令嬢さんをイジメて、イジメて、ざまぁされるようです…

キミカナてぃーのストーリーも好きだったけどね。

皇太子より、隣国の皇太子のほうが私の好みのタイプだったし。


「到着いたしました」

御者ぎょしゃが扉を開ける。

到着したのに、私がなかなか出てこないから心配をかけてしまったようだ。

「あ、すみません」

慌てて馬車を降りる。

「荷物は寮へ届けておきますので。いってらっしゃいませ」

御者ぎょしゃが丁寧に挨拶をして、去っていった。


立ち尽くしたまま、しばらく動けずにいた。

でも、ここに突っ立っていても仕方ない。

このまま、逃げてしまおうか。

ざまぁされた私に待っているのは、よくて修道院、悪くて処刑。


私が何をしたというんだ。

いや、これから悪役令嬢さんをイジメるんだけどね。

「ん?」

悪役令嬢さんをイジメるから、ダメなんじゃないだろうか。

イジメなきゃいいじゃん!


そう思っていたら、隣に馬車が停まった。

馬車の窓ごしに、悪役令嬢さん、アリシア・ヴァレリと目が合った。

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