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第二話:襲撃

第二話完成だよ♪

いきなりアランを不幸が襲うよ。

城へと続く長い橋を越え、アランは城へ帰還した。

ナイトランド城はガイア星の中で最も大きく、世界一といっても過言ではないほどの城だ。

また、この国が誇る騎士団は、厳しい訓練を潜り抜けてきた強者揃い。ゆえにこの城は難攻不落の城として有名である。

そしてアランは、この騎士団の団長であり、その実力はこの国一…いや、もしかしたら世界一かもしれない。


リック

「おーい!アラン!」


城門に差し掛かったところで、アランと同じ鎧に、白いマントを着けた男に声をかけられた。

彼の名はリック。アランの古くからの親友であり、また、最も信頼している人物だ。

リックは騎士団の副団長で、身体の丈夫さが自慢だった。


アラン

「リック。城の護衛ご苦労。街では三兄弟がまた悪さをしていたぞ。」


リック

「あいつらも懲りないなぁ。アランは任務の帰りだろ?早く王に報告に行け。

…それに、チャキー姫もお前を待ってるぞ?」


アラン

「なっ!?ひ、姫のことは言うな!!」


チャキー姫とはランド王の娘である。

アランはチャキー姫に惚れており、チャキー姫もまた、アランに惚れている。

名前で呼び合うなど、かなり親密な間柄であった。


リック

「はっはっは!!わかりやすいな、お前は!」


アラン

「う、うるさいっ!」


アランは顔を赤くして城内へ入っていった。




アラン

「ランド王!只今戻りました。」


ランド王

「任務ご苦労だった、アラン。

近頃我が国だけでなく、世界中で物騒なことが起こっている。今日も騎士団の一人が何者かに襲われ負傷した。

アランよ、どうか気をつけてくれ。」


アラン

「はっ!」




報告を終えたアランは階段を上り、自分の部屋へと戻った。

しかし驚くことに先客がいた。


アラン

「姫!?部屋に来てはいけないと言ったではありませんか!!」


ベッドと机だけという簡素な部屋のなかに、蒼いドレスを身にまとい、頭には緑色の宝石が埋め込まれたティアラをのせている美女――チャキー姫がいた。

十人が十人とも振り返りそうな美貌を少し曇らせて、チャキー姫は口を開く。


チャキー姫

「ごめんなさいアラン。どうしてもあなたに会いたくて……。」


アラン

「姫……」


チャキー姫

「…二人っきりのときはチャキーと呼んで?」


アラン

「…すまなかった、チャキー。」


アランがチャキー姫を名前で呼ぶと、姫は嬉しそうに顔をほころばせた。


チャキー姫

「ふふっ、気にしないで。それよりアラン、近頃物騒みたいだけど絶対無事でいてね?

もしもあなたに何かあったら…わたしは……」


アラン

「わかってる。必ず無事で戻るよ。」


その夜、アランは疲れているにもかかわらず、チャキー姫といろいろな話をした。

アランにとってチャキー姫は、睡眠よりよっぽど癒される存在なのである。






翌朝。

いつものようにアランは任務に向かった。

今回の任務は至極簡単なもので、アラン一人だったにもかかわらず、昼を過ぎる頃にはすっかりかたづいてしまった。

アランが街に戻ってくると、街が異様に静かなのに気がついた。


アラン

「どういうことだ?普段あんなに活気のある街が……」


胸騒ぎを覚えたアランは急いで城へと戻った。




アラン

「なっ……!!?」


城に戻ったアランはその光景に絶句した。

城へと繋がる長い橋には、無残にも殺された騎士達の姿。アランと同じ騎士団の姿だった。


???

「…あ…アラ、ン……」


その時、とても弱弱しい声でアランを呼ぶ声が聞こえてきた。

それに気づいたアランが城門まで行ってみると、


アラン

「リック!!?」


城門には、頑丈な鎧を砕かれ、頭から血を流しているリックがいた。

アランはすぐさま駆け寄り、リックを抱き起こす。


アラン

「リック!しっかりしろ!!いったい何があったんだ!?」


リック

「わ、わからない…。アラン、逃げろ…!ここは、危険だ…」


アラン

「そんなことできるか!!」


リック

「オレはもう、だめだ……。アラン、オレはずっと友であるお前に憧れていたんだ…。お前とともに過ごした人生に、悔いはない…。

アラン、王を…この国を…頼んだ、ぞ……」


リックの身体から力が抜ける。

アランに支えられていた身体が、ぐったりと倒れた。


アラン

「リック?おい、リック!?

……リックーーーーーーっ!!!」


リックは死んだ。自分の想いをアランに託し、リックは死んでしまった。

アランは悲しんだ。誰よりも信頼し、いつも隣にいた親友が死んでしまったことに、喪失感を覚えた。

アランは静かにリックを横たえると、城の中へダッシュして行った。

リックの最期の頼み、それを守るために――




アランはまっすぐに王の間へと向かった。

城の中も兵は全滅し、王座を守る近衛兵ですら倒れ伏していた。

アランが王の間に入ると、そこには二メートルはあろうかという大男と、黒いフードをかぶった謎の女の姿。

大男はランド王とチャキー姫をその手に抱えていた。


アラン

「待て!!貴様、何者だ!?王とチャキーをどうするつもりだ!!?」


アランが大声を上げるとアランに背を向けていた二人が振り返る。


謎の女

「…この国が誇る騎士団の団長、アランね?」


アラン

「質問に答えろ!!」


エメラダ

「うるさい人ねぇ。私の名前はエメラダ。アンモニウム星から、世界征服のために来たのよ。

…この国の騎士団はガイア星ではとても強いと聞いていたけど、ぜんぜん楽しめなかったわ。弱い奴ばっかり。」


謎の女――エメラダは残念そうに手を振る。

アランはまさかと思った。


アラン

「…まさか、貴様一人で……?」


エメラダ

「そうよ。あなたはそれなりに骨がありそうだけど、今日はこいつらを連れ去るだけなの。

あなたの実力、いつかぜひ見たいものだわ。バァ~イ♪」


エメラダと大男の身体が怪しい霧に包まれる。

アランはすぐに手を伸ばしたが、すでに二人は消えていた。――王とチャキーの姿とともに


アラン

「くそーーーっ!!!オレは何一つ守れないのか!!?」


床を殴り、何もできなかった自分を責めるアラン。

リックを守れず、王を守れず、姫を――チャキーを守れず……

そんな怒りとも悲しみとも取れる感情を抱いていたとき、アランの目の前に何者かが現れた。


???

「アラン様。チャンボ星の王子、チャンボの命により、あなたをお迎えに上がりました。」


アランはその言葉を聴いた瞬間、意識を失ってしまった。

ただ一人生き残った騎士――アランは、一時の安らぎを得た。

今回は敵キャラの登場でしたぁ♪


アラン

「くそっ!!俺はなんて無力なんだ……」


今回の話はアランには悲劇的な話だったね。目の前ですべてを失ってしまったのだから。

次回はようやく僕の登場かな♪お楽しみに~♪

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