挑戦と抵抗
はじめまして。
こちらが初めての作品で、文章も拙いとは思いますが、
どうかお付き合い頂けたら、と願います。
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これは、主人公が、決して覆せないものに挑み続け、
世界の不条理に抗う、「挑戦と抵抗の物語」です。
彼は、「主人公らしいこと」は、これといってしません。
困っている人がいたとして、自分に十分余裕がある時にしか助けようとしないでしょう。
しかし、先に書いたように、「挑み続ける」「抵抗し続ける」力は大したものです。
これらの力は、厳しい現代社会においても、大切なものであると、私は感じています。
そんな彼の冒険、ではなく、抵抗譚、どうか、お楽しみください。
世の中にある、「平等」なんてものは、「時間」ぐらいのもの
だろう。
僕たちは、常に「不平等」の中で生きているのだ。
それに不満を持つかは人それぞれだけど、悲しかな、覆す、なんてことはできない。
ー「不平等」は、受け入れなければいけないものー
僕は、そう思っている。
僕の名前は、「田中 実」、高校1年生だ。
趣味はピアノ。中学3年生から始めた。
特技は特に無い(ピアノはあまり上手じゃないんだ)。
家は中流家庭。……と、見ての通り、そこら辺にいる高校生だ。
ーさて、突然だけど、今、僕は危機に瀕している。
それはー。
「おい、飲むのか?飲まないのか?」
ー目の前にある「赤い液体」を飲むか、飲まないか、ということだ…!
ーなぜこのような状況に陥っているのか…
それを語るには、この世界のことを、知ってもらわなければならない。
この世界には、「トランティア」と呼ばれる人々がいる。
その人たちは、通常の人間には無い、「特別な能力」ー「才能」というものを持つ。(ちなみに、僕はトランティアじゃ無い)
彼らには共通点がある。
・正義感が強い
・「特別な能力」=「才能」を持つ
・基礎身体能力が高い
と、いったものだ。
そして、最大の共通点ー特徴は、
ーこの世界における「惡」=「イノム」を駆逐する、という目的を持つことだ。
「イノム」は、獣の姿をした化け物だ。
こいつらは、殺戮を好む。
また、戦闘能力が凄まじい。
並の人間なら、対峙して、一瞬で殺されてしまうほどだ。
そこで、トランティアの出番だ。
彼らは、自身の「才能」を使い、イノムを駆逐する。
・・・ここまでの話をまとめると、
特別な能力を持つ「トランティア」、それを使い、惡、「イノム」と駆逐しており、平和を守っている、ということだ。
…ところで、皆さんは分かっただろうか。
僕が、「戦う」ではなく、「駆逐する」、という表現を使い続けていることに。
それにはもちろん理由がある。
それは、トランティアと、イノムの、戦闘能力の差が大きすぎるから、である。
確かにイノムは強い。前述の通り、ただの「一般人」は殺されるしか無い。
ーしかし、トランティアは「一般人」では無いー「才能」を持つ「超人」なのだ。
また、「才能」には、いわゆる「ハズレ」がない。
どれも、強すぎる。
その力の差を例えると、イノムは「ヘビ」で、トランティアは、それを喰らう「鳥」くらい。
ーだから、まず、勝てない。それで、「駆逐」なのだ。
ーさて、実は僕も、少し前まではこれらの情報を知らなかったのだ。
ーじゃあ何故知っているのかって?
…理由は、僕が瀕している危機にも関係がある…
それはー。
目の前にいるイノムが、教えてくれたからだ。