表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな恋心  作者: 華帆
9/14

9:胸のドキドキ

「ふぅーん……そうなんだー」

佐藤に、新垣先輩を好きになった理由や、伊藤先輩と冬香ちゃんの関係を簡単に説明した。

佐藤は、ふぅー。と一息ついて、私を見た。

「じゃ、俺部活行くわ!」

「え?部活入ってんの?」

「ああ。野球部!じゃあなー!」

佐藤はそのまま部活に向かってしまった。

新垣先輩は部活入ってるのかな?

「ハァー…」

教室から出て、階段を静かに降りた。

二階にある図書室に向かった。

夕方の図書室は人があまりいなくて好き。

静かに図書室に入り、辺りを見回した。

誰もいないかなー?

いないよねー!

勝手に納得して、本を探しはじめた。

適当に本をとって、椅子に座り、読もうとしたら、隣に誰かが座った。

え?おばけ!?

恐る恐る横を見ると、新垣先輩がにこーと笑っていた。

「こんにちは、神崎さん」

「こっ……こにちんは……」

ドキドキしすぎて変な言葉になっちゃったし!

心臓の音がうるさい。

静まれ静まれ静まれ!

「大丈夫?顔真っ赤だよ?」

新垣先輩が顔を覗き込んできた。

「は……はぃっ!大丈夫です!」

「そう?なら良かった」

新垣先輩は、教科書とノートを取出し、勉強をはじめた。

「先輩は……よくここに来るんですか?」

新垣先輩は顔をあげて頷いた。

「毎日来るよ。ここだと落ち着いて勉強できるし、夕方の図書室は好きなんだ」

新垣先輩はそう言って微笑んだ。

素敵!!!!!

「私も……誰もいない夕方の図書室が好きで、よく来るんですよ」

「そうなの?気が合うねー…。神崎さんも一緒に勉強する?」

「え。良いんですか?」

もちろん!という風に頷いてくれた。

私も数学の教科書とノートを取り出した。

いつの間にか、胸のドキドキが消えていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ